2504 松虫寺伝説の里で春を楽しむ [2025年04月06日(Sun)]
第201回東葛しぜん観察会「松虫寺伝説の里で春を楽しむ」
前田悦子(鎌ケ谷市) 日 時:2025年4月6日(日)9:30〜12:00 場 所:印旛日本医大駅〜松虫寺〜松虫寺公園(印西市) 参加者:34名、指導員19名:小川・田島・前田・宮崎、相吉、草野、小島、渋谷、 白井幸、白井香、高橋、徳本、林真、林信、三嶋、山口、龍門、松尾・内島(協議会) 暖かな日差しの中 印旛日医大駅前を 指導員を含め参加者53名が出発、午後は雨との予報もあり 心なしか早足に。ノミノツヅリ・タチイヌノフグリなど道端の小さな春に足を止めます。クスノキに赤く色づいた葉が混じっています。クスノキは常緑樹ですが1年に少しずつ葉を落とし 新しい葉に変わっていきます。コブシとモクレンの違いは?花の大きさ、 花の咲く向き、コブシの花の付け根には葉が1枚付く など、参加者の方々から すぐ答えが返ってきました。葉桜になったエドヒガンのそばには シロイヌナズナとナズナが生えています。シロイヌナズナは世代時間が短いこと(約2ヵ月ほど)などから遺伝学のモデル植物として有用されています。1982年ソ連の宇宙センターで栽培、花を咲かせ種子も採取、宇宙へ初めて行った植物です。在来のものもありますが 最近市街地でよくみられるものはほとんど帰化した系統だそうです。 キブシは新人指導員宮崎さんが担当。iPadや実際の花を見ながらキブシには雄木と雌木があることを解り易く説明してくれました。そこここに匂うのはヒサカキ、これも雌雄別株です。タチツボスミレ・トウダイグサ・ホトケノザ・ウラシマソウ・マンリョウの赤い実などなど。ヤブツバキの花がたくさん落ちています。ヤブツバキは鳥媒花、蜜にはミツバチ・ヒラタアブ、葉には有名なチャドクガの幼虫、種子の敵はツバキシギゾウムシといったようにたくさんの生物とかかわりを持っています。ホタルカズラの葉がたくさんありますが 花はこれから。モミジイチゴの白い花・ジロボウエンゴサクの淡紅紫色の花・セントウソウの小さな白い花・カキドオシの葉のさわやかな香り 春がいっぱい。セントウソウ・ムラサキケマン・ヤブニンジンは葉が似ていて 花がないと区別が難しい。日当たりのよいところにはジュウニヒトエ・マルバスミレ・キランソウ・食べごろのヤブカンゾウ・ツリガネニンジン とここにも春がいっぱいです 松虫寺に到着、743年聖武天皇が僧行基に命じて創建されたと伝えられる真言宗の寺です。寺の名は 聖武天皇の第3皇女不破内親王の幼名松虫姫の病気平癒の伝説に由来します。松虫寺境内には 県木イヌマキや日本固有種のコウヤマキの大木、日本書紀には「槙は現世の国民の寝棺を造るとよい」とあり、近畿地方の前方後円墳から出土する木棺は例外なくコウヤマキだそうです。大王松もあります。マツには 2葉性―黒松や赤松、3葉性―大王松、白松 5葉性―ゴヨウマツ・ハイマツ・ヒメコマツ等がありますが、いずれも葉を合わせると円形になります。 本殿前には 今日の観察会での目玉のひとつヤエベニシダレが見頃をむかえています。エドヒガンのうち枝が下向きに垂れ花が色濃く八重咲になった栽培品種で古くから栽培されています。京都の平安神宮が名所として有名。桜に夢中になっていると 雨が落ちてきました。雨支度をして ミツバアケビの花を観察しながら 解散場所の松虫姫公園へ急ぎます。参加者には昨年から楽しみにされていた方も多く、ルーペ片手に里山の春を探して歩いた半日でした。 2504 松虫寺写真報告.pdf |