2503 早春の“水と緑の回廊を愉しむ” [2025年03月09日(Sun)]
第200回 東葛しぜん観察会 早春の“水と緑の回廊を愉しむ”
長谷川依子(松戸市) 日 時:3月9日(日) 9時30分〜12時 晴 12℃ 場 所:北国分駅〜堀之内緑地・堀之内貝塚公園〜小塚山緑地〜じゅん菜池公園 (市川市) 一般参加者:28名(内、子ども1名)、 指導員:15名、担当指導員:勝股・相吉・長谷川 夜中は雪だったが、明ければ快晴の観察会日和。 “楽しむ”は与えられたことに対して受動的に楽しく過ごすこと。今回は自分から積極的に楽しさを作り出す能動的な深い満足感や豊かな喜びの“愉しむ”を意識することとした。下総台地最西端に位置するこのコースは、早春の今、斜面林の雑木林を樹形・冬芽・小鳥&冬鳥を愉しみながら北国分駅から台地に深く入り込んだ谷津のじゅん菜池まで約3キロを歩くには最適だ。 斜面林に入ると足元に落ちているゴマ粒大のコレは何?の問いかけから、イヌシデのタネ、親はどれ? ハリギリのトゲトゲ幼木をちゃんと見つけてくれた参加者に、それの親はどれでしょう? 樹皮の感触や温かさの違い、シラカシやコナラのドングリ種まき作戦を考えて頂く。コナラのドングリは木の?「実、タネ!」。では根や芽はどちらから出るでしょう? お尻と頭、其々の推理は半々に手が上がった。芽出しのコナラをみつけて答え合わせで納得。イヌザクラの冬芽〜真っ赤なモンローの爪をルーペで観察し、地元の参加者にその花の様子を説明して頂くと「とにかく地味な花」とのこと。皆さんに花を思い描いてもらう。その後 花の写真を見せると「桜という名だけれど桜ではないの?」「こんな桜見たことなかった」と・・・。いえいえ これもサクラです。樹皮の皮目を観察する。縄文後期〜晩期の堀之内貝塚はイボキサゴ等の貝殻が通路に露出している。「こんなにたくさんあると説明聞かないと家庭ゴミが捨てられているのかと思う」という方も。縄文時代へ想像は一気に時を超える。 カワセミを観てシジュウカラの囀りをBGMにハンノキの雄花・雌花をルーペで観察しながらじゅん菜池を進むと、ハシビロガモ、ヒドリガモ、コガモがペアになったりピューピューと鳴き交わしたり争ったり。カワウは身体を沈めながら首だけを出して着衣水泳のように泳いだり水から上がって濡れた羽を乾かしたり・・・。Q「コガモは大人になってもコガモなの?」A「コガモは子鴨ではありません。コガモはカルガモにはなりません」とTさんが笑いを誘いながら適格な説明!カモは一種類かと思っていたとか、カモに色々な種類があって驚いたとか。カワウやカルガモが見られて よかったとの声もあった。 樹上を観たり、樹皮を観たり、足元を観たり。樹形が色々あって楽しかったと小学3年の少年が静かに話してくれた。いつも散歩している道だが、この観察会をきっかけに見方が変わると思う、参加して良かった、との感想は嬉しいことだった。 参加者は全く初めてのものを見たり聞いたり考えたりすることより、自分が何となく気になっていたものに改めて自ら気付くことが愉しいのだろう。道中でのボソ・ブトカラスの会話では合点がいったようで手を叩いて喜ばれた。今回は第200回とのこと。気づいていなかったが、観察会は参加者が“愉しい”ことが一番・・・と改めて思った。 2503水と緑の回廊 写真報告.pdf |