2407 すべての子どもに自然を! [2024年07月08日(Mon)]
幼児期の自然体験がもたらすもの 藤田 隆(松戸市) 日 時:2024年7月8日(月)10:00〜14:30 場 所:午前の部…千葉公園、午後の部…千葉市生涯学習センター大研修室 講 師:藤井徳子氏(金沢学院大学教育学部准教授、富山森のこども園代表) 参加者:35名、スタッフ:川瀬・白波・佐野・林 眞 1)金沢学院大学藤井徳子准教授を講師に迎えて、千葉公園で行ったフィールドワークは新しい発見ばかりでした。子どもたちが目の前にいる前提で、森に入る準備をします。森の中は危険があることを認識させる必要がある。そのため「危険だよ、気を付けて」では通らないのが就学前の子どもたちです。そこで、「落ちた、落ちた」「なーにが落ちた」をもじって「出たぞ、出たぞ」「なーにが出たー」と畳みかけると「ヘビが出た」、「踏まないように逃げろー」と、うた遊びの中で危険物に対しての対処法と注意喚起を呼び掛ける。因果関係の理解には年月かかるが、意識付けが大事だということなのでしょう。「ハチ」「キノコ」「ムカデ」「クマ」についても対処法がありました。 2)小道具が出てきます。絵本「ふくろうのそめものや」、もともと色のなかったカラスが色の注文をわがまままかせに伝えた結果、真っ黒になってしまったという内容を読み聞かせ、線画だけのカラスが描かれた真っ白な画用紙にこれはと思う草花をこすりつけ、出てきた色で絵を仕上げるという課題でした。公園の中にはいろいろな草花があるため、いろんなカラスが出来上がりました。 3)みちくさブレスレットです。ビニールテープの接着面を表にして腕に巻き、草花を貼り付けてブレスレットに仕立てるもの。松ぼっくりが接着しないと嘆いている人もいました。 4)絵本「わたしのワンピース」を読み聞かせ、自分なりのワンピースづくりをさせます。絵本の物語はうさぎのワンピースが野原に出かけると咲いている花たちがワンピースに移って花模様になり、雨が降ってくると水玉模様、麦畑に入ると麦の穂模様になるというお話し。うさぎのワンピースのようにワンピース部分を穴あきにしておいて自分の好きな模様を見つける。おそらく絵本の途中から子どもたちはどこの模様にしようか探し始めるに違いないのです。 5)ワンプレートメニューの開発です。森にあるもので「ワンプレートを作る」。これは二人一組で食べられそうなものを探しました。枯葉と雑草と松ぼっくりくらいしか見つからないと思っていたら、厚みのあるマツの樹皮はステーキになりました。ハンバーグでも行けそうでした。ステーキにフライドポテトとニンジンのグラッセが要ります。松ぼっくりはニンジンに化けてもらい、イチョウとケヤキの枯れ葉はフライドポテトになってもらいました。柔らかそうなみどりの葉はサラダに化けました。集合してプレートを揃えてみると、工夫が光っていました。細長い葉をパスタに見立てたり、長細い樹皮はサーモンに化けたり、どれもおいしそうな料理に見えるから不思議です。大人がこれだけ楽しめるのなら、子どもはなおさらでしょう。森を使ってこれだけ楽しめるのは他にないと思ったくらいでした。 午後の講義で、ドイツの森のようちえん、日本の森のようちえんの事例を交えて紹介していただきました。参加者からの質問で、森が楽しいのは当たり前と思う反面、森に入ることに抵抗がある方々には解きほぐす工夫が必要なのも、森遊びの役割なのでしょう。 子どもとの自然観察研修会.pdf |