2406 東葛しぜん 真鶴・箱根一泊研修会 [2024年06月11日(Tue)]
東葛しぜん 真鶴・箱根一泊研修会
小島紀彦(我孫子市) 日 時:2024年6月9日(日)7時発〜10日(月)17時着 場 所:真鶴半島 熱海 柿田川公園 大涌谷 箱根湿生花園 宿泊:箱根高原ホテル 参加者:男性10名、女性14名、世話人:草野・小島・三嶋・龍門 松戸からバスにてスタート、途中に富士山の雄姿も見られた。最初は真鶴半島にある魚付き保安林巡り、お林展望公園に到着。ここで現地のガイドさんと合流し、半島の先端部にあるクロマツ、クスノキ、スダジイのある暖温帯の照葉樹林の中を歩いた。300年程の森は豊かな水を保水し、樹木が海辺の緑陰を作り、地中の栄養が海に出て、岩礁海岸は豊かな生物相をなしており、神奈川県の天然記念物になっています。大きなクスノキや黒マツを見ながら森から海岸に降り、景勝地の岬の先端の三ツ石海岸に出た。二つの岩がしめ縄で結ばれ、夫婦岩のような美しい景色を見た。海岸ではハマイタドリ、ラセイタソウ、ツルナ、ハマボウ、ハマボッス、オオバヤシャブシを見た。最後は高台のケープ真鶴に集合。遠方には伊豆大島、初島なども見られた。 次の目的地は熱海、お宮の松から海岸に沿ってジャカランダの並木があり、丁度花盛りで紫色の花を低木では目の前に、高木は上の方にぶどうの様な房状になった花が見られた。ジャカランダは南半球のブラジルやオーストラリアでは日本の桜の様に親しまれている、世界三大花木の一つです。(他はホウオウボク、カエンボク)日本では暖かい地方しか育たない為、熱海と九州の日南海岸にある。「花が頭に落ちると幸運が訪れる」と言われている。海岸通りの先端にて昼食になった。 柿田川は日本三大清流の一つで、「21世紀に残したい日本の自然百選」「日本の名水百選」「国指定天然記念物」などに選定されている。水の透明度は50mもあり、水温は年中15℃の素晴らしい河川である。静岡県清水町が保存の方針になり、美しい水と自然を守っている。ここは歴史あるナショナルトラストの考えから柿田川みどりトラストの団体が自然保護活動をしている。担当の龍門さんがトラストの人達との繋がりがあり、事前の連絡により、公園に到着後に会長、専務の挨拶の後に二班に分かれてガイドがつき案内してもらった。最初に湧水広場から中流域の八つ橋で川を見ながら豊富な湧水の話、ミシマバイカモ、アオハタトンボ、アユやカワセミ、イワツバメがいる貴重な場所との事。危険外来種のナガノツルゲイトウが入り、その駆除などの話も聞く。上流部の第一展望台では日に100万〜130万トンもの湧水の維持、保全の大切さを聞いた。普通の川の源流とは全く違う景色で、源流なのに大幅の川になっている。富士山の溶岩から湧き出た川である。最後にここのお水を飲んだり、ボトルに詰めて、4時に公園を離れた。 後は宿泊先の芦ノ湖の湖尻近くの箱根高原ホテルに5時に到着した。ホテルは7年前にリニューアルしたとかで部屋もきれいで、10畳に4人or 3 人が入る状態で余裕たっぷり。夕食は6時30分より、机を囲んでの会食にて、アルコールも入り、魚やお肉の料理がいっぱい出てきておいしく食べた。食事の後は本来なら星空観望の予定が、外は雨になり、林さんに持参頂いた小型望遠鏡は実行できず。変わってレクチャールームに集まり、電子顕微鏡の話、夜空で見られる星雲の名前当てクイズから頭の体操になるクイズ、木偏に基づく漢字の読み方のクイズなどをしながら、歓談をして時間を過ごした。この夜の集まりも普段できない雰囲気で飲み物もお菓子もあって、懇親会的な、また別の意味での研修会になったと思う。 8時半に玄関に集合、ホテルの前で全員の集合写真を撮る。ここから湖尻に寄ってその後大涌谷に行く9時に着いたが、小雨模様の霧の中、初めにジオミュージアムに入る。大涌谷についての火山活動の脅威から箱根の恵みの温泉についてもポンプを押して温泉が出てくる実体験もできた。その後は外に出て、地獄谷を見ながら延命地蔵まで歩く。お店では黒たまごをお昼用とかお土産として、4個500円で購入してた。黒たまごは温泉の硫化水素と鉄分が結合して硫化鉄となって黒くなるそうです。ここを10時発、10時40分に今日のメインの箱根湿生花園に到着。 この時期はヤマボウシやサンショウバラ、ヒメシャラ、ガマズミ、ウツギ、イボタノキ、ハコネウツギ、ノイバラ、シモツケなど樹木の花が見られる。ウツギは「夏が来ぬ」の歌詞の中で卯の花の匂う垣根にとあるが花は匂わない、群がって花が咲く様子を匂うと表現したらしい。イボタノキはウツギと同じく白い小さな花だが甘いキンモクセイのような匂いがするとあるが、私は感じなかった。マメザクラの実が黒くなってぶら下がっている、手に取って食べたがおいしかった。図鑑にも黒熟した果実は甘くてうまいと書いてある。マメザクラは桜の自生種で富士山近辺や箱根付近に限定された分布域の桜である。別名フジザクラともいう。ハマナスは赤い大きな花が終わりかけ、シモツケも小さな赤い花が見られる。よく似たシモツケソウは草本で花のみでは見分けられない。道順に添って見てゆく、目の前の木の上の方にセッコクの花が咲いている。樹上に着生し暗い林に甘い芳香を放つとあるが、匂いは感じなれなかった。ヤブレガサは花が開いているのか、蕾なのか。ヤマユリはまだ蕾の状態。奥の方にササユリの花が見られた。葉の形が笹の葉に似る、西日本を代表するユリである。地面に小さなウメガサソウの花がある,傘とあるので花は下向き。奥にはツチアケビが何本も立っている。ナツハゼが実をつけている。ノコギリソウの白い花、葉は独特のくしの歯状に羽状に深裂する。イブキトラノオがあちこちにある。低層湿原区にはクリンソウ、黄色い花のタマガワホトトギスの花が見られた。サワオグルマの大きな黄色の花がある。池にはアサザの花が一面に広がっている。クガイソウが見られ、ミツガシワ、コウホネの花も、ハナショウブは花被片の中に黄色い線。エゾキスゲやムシャリンドウの紫の花も見られる。 ここに株立ちの大きな樹にカエデ特有のプロペラ形の実が固まってぶら下がっている。何のカエデか最初分からなかったが、カラコギカエデであることが分かった。寒冷地の湿原に生育とあり、尾瀬や八ヶ岳に多いとある。葉だけだと切れ込みがなく、カエデと思わないタイプである。目の前に赤い実のある大きな樹があり、ミヤマザクラと名札がある。深山と書き、山地から亜高山帯下部にかけて分布する自生種の桜。花は葉が出そろった後に咲く、この種のみ花弁の先に切れ込みがない種で桜らしくない。昼食後は自由行動にて見て歩く、クリンソウ、センジュガンピ、シライトソウ、トキソウ、などを見る。イワタバコが花をつけていた。最後の方にハンカイソウの大きな黄色の花を見た。6月はアジサイの時期もあり、「箱根の小さなアジサイ展」をやっており、ヤマアジサイをベースにした鉢植えの状態で多くの種類のアジサイが並んでいた。園内の植物は多すぎ、見て廻れない、覚えきれないが、見て歩くのが楽しい。 帰りのバスでは「箱根八里」と「夏は来ぬ」の歌を全員で歌った。その後に全員に二日間の感想を聞いた。楽しかったとか参考になったとか、ガイドがいて詳しい話も聞け、ホテルも温泉も食事も高級感が味わえ、有意義な研修会だったとの声が多かった。世話役に対してのねぎらいのお言葉も頂いた。天気は雨に殆ど降られずと恵まれた状態で、参加者に何の問題なしで無事に終えられ、楽しい気分で最後の松戸駅近くに5時に到着になり、解散とした。
![三ツ石海岸]()
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Posted by
三嶋秀san
at 13:57
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観察会・研修会の記録
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