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TEAMユース 最新記事

【ソーシャル系学生サークル紹介】情緒障害児短期治療施設「那須こどもの家」ボランティアチーム / 国際医療福祉大学 [2013年03月28日(Thu)]
情緒障害児短期治療施設「那須こどもの家」ボランティアチーム

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“すべてのこどもたちに愛を”

 国際医療福祉構内には、情緒障害児短期治療施設・那須こどもの家がある。
 医療や福祉分野の関係者以外は耳慣れない言葉かもしれないが、この情緒障害児短期治療施設とは軽度の情緒障害のため支援を必要とする児童に教育・福祉・医療・心理の点から24時間体制で援助を行う施設である。
 そもそも情緒障害とは情緒の現れ方が偏っていたり、その現れ方が激しかったりする状態を、自分の意志ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に支障となる状態のことである。
 ここでは、子供への支援だけでなく、子どもに自信を持って関われるよう家族への支援・指導も行われている。
 
 この施設には支援を行う職員の他、学生のボランティア、彼らと施設を繋ぐコーディネーターが関わっている。今回は、学生ボンティア(伊澤さん、早坂さん、谷口さん、加藤さん、佐藤さん、薄井さん、小口さん)を中心に、子どもと向き合い続ける方々に取り組みや想いを聞かせて頂いた。



“もっと知りたい”
 
 彼ら学生ボランティアは大学で医療・福祉を学んでいるということもあり、日頃からこどもに関する問題意識はあったという。その上那須こどもの家は大学構内に併設されており身近であった。ボランティアを始めたきっかけはそれぞれであるが、ある一人の学生はこう語る。「勉強していても知らないことだらけ。もっと現実を知りたいと思った。いろんな背景を抱えるこどもたち一人一人のことをもっと知りたい。」


“楽しさの日常を取り戻す”

 専門的な知識と豊富な経験を有する専門職員が対応しているこの施設で、学生たちがこどもたちと関わることは難しいのではないか。また問題が生じたときの責任なども考えると、学生ボランティアに関わらせることで生じる問題の方が多いのではないか。ではなぜそうまでして施設は、学生ボランティアを受入れるのか。それはこどもたちの背景が関係する。
 
 この施設にやってくる多くのこどもたちが家庭で虐待を受けてきた。心に傷を負うこどもたちにとって大事なことは、何気ない会話であったり、楽しい時間を過ごすことであったり、自分の世界が平穏であることを実感できることだ。
 しかしそうした関わりが大事であると認識しつつも施設の職員も全員のこどもたちとゆっくり遊ぶ時間など多くとれない。そこで学生たちが授業外の時間を利用しこどもたちと外へ行きスポーツを楽しんだり、室内でペーパークラフトをして一緒に遊ぶ。
 こども達にとっても年の離れた大人よりも年齢の近い学生の方が心理的な距離が近く話しやすいのだと職員の丹羽さんはいう。こういった点で学生のできることと施設が必要としていることが一致しているのである。


”楽しませるために、自分達が楽しむこと”
 学生ボランティアが活動の中で大事にしていることは、こどもたちが楽しく活動できること。
 こどもたちを楽しませるには、まず自分たちが楽しむことであるという。ボランティアにおいてはこの要素も大切だという。彼らの活動のモチベーションとなっているのは楽しさに加えて、このような活動を通して仲間ができたり、感謝されたり、こどもの「今度いつくるの?」というときのこどもたちの笑顔だったりする。これらのことが活動を継続するチカラにもなっている。


”一歩ふみだす学生に向けて・・・”
“どんな活動でも自分が本当にやりたいのであれば挑戦すべきだと思います。そしてよくやる前から結果を考える人がいますが、まず行動を起こすことが重要だと思います。そこから何かが見えてくるキッカケをつかむことができるのではないでしょうか。学生にできることには限界がありますが、こういった活動が自分の将来の扉を開くことになるので積極的に取り組んでほしいと伝えたいですね”。


編集後記
「活動していくうちに自分たちの意識が変化していった。ものごとの伝え方が変わったり、気がつくことが多くなった」と学生ボランティアたちはいう。これらは結果論ではあるが、こういった予期できないことがたくさんある中で自分の扉を開くキーは何にでもチャレンジしてみることではないかと思う。そして彼ら、学生ボランティアのキッカケが何かスキルを身につけたい・経験をつみたいといった考えからではなく、純粋な想いからその結果にいたったのを聞くと、自分自身まだまだたくさんのことを学び、吸収できる可能性を感じた。


取材日/2013.2.6
取材者/高橋秀哉(ユースインターン6期生・白鴎大学法学部2年)
【ソーシャル系学生サークル紹介】ファシリテーター研究会 / 国際医療福祉大学 [2013年01月16日(Wed)]
国際医療福祉大学にあるファシリテーター研究会は、会議を円滑に進める案内役である「ファシリテーター」を研究する勉強会である。2012年2月に行われた、県内の学生が集まる未来創造会議内の分科会から生まれ、同年4月から活動がスタートした。今回は、その中心人物である、医療福祉マネジメント学科3年曽根駿介さんと、同学科3年米光恭祐さんにお話を伺った。

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“ファシリテーター研究会とは”
ファシリテーター研究会は、サークルではなく、学びたい人が集まって学ぶ勉強会に近い。参加者も学生だけでなく、地域の社会人も参加する。
前期(4月〜10月)は月1回集まり、『ロジカルシンキング』という本で、理論を学んだ。担当者が、担当の章を2時間で皆にわかりやすく伝える、という方法で前期の活動を行った。後期(11月〜)は、より実践的に学ぶ為に、グループ毎にワークショップを企画・担当する。事前準備、本番、それぞれが所属する組織への持ち帰り、と実践の機会が複数回あるのが特徴だ。
「失敗もあるけれど、そこからもまた学べます。」と曽根さんは言う。また、米光さんは、「実践を通して思ったのは、誰かが突出してるわけじゃないんですね。ファシリテーションは色んなやり方がある。個人にあったもの、組織にあったもの、会議の種類にあったもの……。経験値で上下関係を意識しちゃう人が出てきたのは、最近見えてきた課題ですね」と活動を冷静に分析する。

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後期からは、新しいメンバーや1年生も増えてきたという。曽根さんは、そんな後輩たちのケアも行っている。
「新しいメンバーや1年生向けに、自主的にミニ勉強会を行ってます。ファシリテーター研究会を立ち上げて、活動をしていく中で、“後輩に何か伝えたい”という気持ちが出てきました。後輩がそれぞれの組織で活躍していけるようになったら、凄くうれしいですね」



“すべては、失敗から始まった”
 ファシリテーター研究会は、2012年2月に行われたとちぎ学生未来創造会議内の分科会から生まれた。とちぎ学生未来創造会議とは、栃木県内の学生が集まり、社会課題の解決方法を学ぶ実践型の研修セミナーである。学生と社会人が一緒になって分科会を企画しているのが特徴だ。曽根さんと米光さんは、「ボランティア仲間と創るチームビルディング〜人と人をつなぐ手法を探る」という分科会を担当した。
 
分科会の内容は、1日目はチームビルディング(組織づくり)について学び、2日目に仮想チームで新入生歓迎会を企画する、という実践的なもの。曽根さんは2日目のファシリテーターを務め、米光さんは発言者という立場だった。
本番までに何度も集まり、台本を創るなどして入念な準備をしたが、結果は失敗に終わってしまった。2日目に、参加者からの意見がなかなか集まらなかったのだ。

「意見がなかなか出なくて、時間がどんどん押していきました。1日目の夜に、“できれば”意見を考えてきて、と参加者をお客さん扱いしてしまったんです、同じチームなのに」と曽根さん。「私は、そんな曽根君を見兼ねて、発言者なのにファシリテーターの役割をしてしまいました」と米光さんも当時を振り返る。二人は、会議終了後、悔し泣きをしたという。

それから数日後、米光さんの元に、分科会を担当していた国際医療福祉大ボランティアセンターの二見さんから電話がかかってきた。
「“悔しくないか?”という電話でした。それから、二見さんから、ファシリテーター研究会を創らないかという提案がありました。自分たちの力不足を気づかせてくれるような提案でした。それから、分科会のメンバーや他のサークルの子たちに声をかけて、4月から動き始めました。」 

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”成長を実感する毎日”
 最近は、成長を実感する毎日だという。
 米光さんは自らを、「自分では動かないタイプで、具体的な目標もなかった」と評する。「誰かの目標に力を貸すことは苦ではありませんでした。主体的ではなかったかも。ファシリテーター研究会で活動をしてきて、今は自分でもやりたいことが見えてきました。今はその、“やりたいこと”をどんどん消化していく毎日が楽しいです。」
 曽根さんも、ファシリテーター研究会で活動する前は主体的ではなかったという。
「ミーティングでも聞いてる方が多かったし、創造会議も半ば強制的にやらされたというか……(笑)。でも、あそこで失敗をして、研究会をつくって、それからは自分で動くようになりました。自分で動くと、色々見えてきますね。興味を持ったことに対して、自分から学ぼう、という気持ちが強くなったと思います。」



 失敗から生まれたファシリテーター研究会。現在は次の未来創造会議に向けて企画を詰めている。ファシリテーター研究会には、誰でも参加することができる。サークルの運営に悩みを持っている方がいれば、参加してみるのはいかがだろうか。

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取材日:平成24年11月28日
取材者:逸見 栞(ユースインターン6期生/宇都宮大学国際学部)
【ソーシャル系学生サークル紹介】vol.4 カケハシーズ(宇都宮大学) [2012年09月24日(Mon)]
ソーシャル系学生サークル紹介の第4弾は、宇都宮大学で、国際協力活動を展開する「カケハシーズ」です。ご覧ください。


カケハシーズは、「シャプラニールとちぎ架け橋の会」と連携して活動を行なっており、イベントでのフェアトレード商品の販売、市民の方々にフェアトレードについて知ってもらうためのワークショップなどを活発に行なっている学生サークルです。今回、カケハシーズの活動内容や、7月に代替わりをして新代表となった宇都宮大学・学生サークルのカケハシーズ代表である国際学部国際社会学科2年の加藤有次郎さんにこれからの意気込み、活動にかける想いなどについて伺いました。

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「活動を通して一人でも多くの人々にフェアトレードを知ってもらいたい」

「フェアトレードを知ってもらうことが途上国の問題解決に寄与するのではないかとおもいます。」と加藤さんは語ってくれました。フェアトレードとは、生産や貿易活動を通して途上国の人々の暮らしを良くすることや、適正な賃金の支払いや労働環境の整備や環境への配慮などを目的に、途上国の生産者と先進国の消費者が対等な立場で行う貿易のことです。カケハシーズは、1〜4年生総勢約30人で活動を行なっています。栃木県内でのイベント時には、フリーマーケットを開いたり、シャプラニールでカタログ販売しているネパールやバングラデシュなどの国々の女性たちが作ったジュートのエコバッグやぬいぐるみ、ノクシカタというバングラデシュ伝統の刺繍が施されたブックカバーなどを学生自身がシャプラニールに商品を発注して、仕入れ、委託販売をしたりしています。また、市民向けのワークショップでは、どうすれば市民の方々にフェアトレードについてわかりやすく伝えることができるのか、広めることができるのかということを考えながら毎回創意工夫を凝らしたワークショップを開いています。以前の活動では、小中学生向けにイベントでワークショップを行い、国産と外国産の野菜を使ってサンドイッチを作ってもらったそうです。私達が普段の生活の中で何気なく食べている食べ物の中に、どこの国でつくられた野菜が多いのか、なぜ外国産の食材が安いのかということを小中学生に考えてもらうことを目的として開催しました。加藤さんにフェアトレードを広める意義について聞くと、「多くの方々に関心を持ってもらうことで、それが人々の消費行動を変えるきっかけになったり、間接的に途上国の人々を支援することにつながったりするのだと思う。」と語ってくれました。活動をしている中で出会った人々にフェアトレードについて聞くと、意外にも知っている人は少ないといいます。自分たちの活動を通して一人でも多くの人々にフェアトレードについて知ってもらいたい、そのような想いで活動を続けているそうです。

「目に見えない支援」
加藤さんがカケハシーズに入ったのは、漠然と国際的な活動に興味があり、何かしたいという想いからでした。活動を行う中で、直接的な支援をすることを一番先に考えがちではあるが、目に見えにくい間接的な支援を行うことで、それが発展途上国の人々の生活の質の向上などにつながっているということにやりがいを感じています。また、イベントなどで出会った市民の人々にありがとうと声をかけてもらうこともやりがいにつながっているそうです。活動をしている中で、社会人の方と一緒に活動を行うことが多いそうですが、社会人の方々と関わることも活動をする上で加藤さんのやりがいのひとつだといいます。間近で社会人の方々の働く姿を見ることで刺激を受け、学ぶことが多いそうです。また、自分たちの活動に共感し、評価してくれることもまた、活動の励みになっています。

新代表として、どんなサークルにしていきたいかと聞くと、「やる気のある人が生き生きと活動でき、それをサークルでサポートしながら、活動が楽しいと思えるサークルにしたい」と語ってくれました。カケハシーズでは、週に1回学生同士での勉強会も行なっているそうです。各回で、メンバーの数人が興味・関心のある問題・課題について取り上げ、そのことについて自分が調べたことを講義形式で発表したり、みんなで議論をしたり、あるいは体を動かしながら体験的に学んだりしています。身近にあるさまざまな問題に目を向けることができると同時に、それを他の学生と共有して一緒に解決策を考えることで自分の視野も広がるといいます。最後に、「学生団体ではあるが、社会人の方々と志をともに活動しており、多くの方々に自分たちの団体や活動について知ってもらい、フェアトレードをさらに広めていきたい。」と話してくれました。

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取材者:ユースインターン5期生 小野寺真里(宇都宮大学国際学部3年)
取材日:平成24年8月
【ソーシャル系学生サークル紹介】vol.3 FnnnPJr.(宇都宮大学) [2012年09月10日(Mon)]
"避難者のニーズの解消" / FnnnPJr.
FnnnP(福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト)は福島第一原子力発電所の事故後の放射能汚染等で避難をされている乳幼児および妊産婦の生活への不安を解消すべく、乳幼児や妊産婦のニーズに対応することを目的に事故後、宇都宮大学の女性教授を中心に結成されました。放射能の影響をうけやすい乳幼児や妊産婦の不安を取り除くことと、見知らぬ栃木県での生活の不安を取り除くため、ニーズの聞き取りを行い、避難者への情報提供や避難者同士の交流会の開催などを栃木拠点として行っています。
そして、FnnnPの学生ボランティア団体として宇都宮大学の学生によって「FnnnP Jr.」が結成されました。今回はそのFnnnPJr.の代表を務める田中えりさん(宇都宮大学3年)にお話を伺いました。

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"ママ茶会"
運営母体であるFnnnPが避難者のニーズを把握するためのブログやアンケートを実施すると、そこから慣れない土地での暮らしによる不安から、地元の人と会いたいという声も多く上がりました。
アンケートより明らかになった避難者のニーズに対して、FnnnP jr.は、知り合いのいない栃木での生活のストレスの軽減のため、昨年6月から今までに、4回ほど「ママ茶会」を実施しました。
避難者にとって慣れない栃木県での暮らしは、病院や美容室・子供の遊び場などの生活環境の情報に乏しい。ママ茶会では避難者同士の交流や情報交換はもちろん避難者への情報の提供などを行い、避難者の不安の解消に努めています。
学生ボランティアだからこそ、参加者がかしこまることなく、自然に胸の内を語ることができています。しかし、プライベートのことだから、話を聞くときは相槌の一つ一つにまで気を使います。避難者とのふれあいを通して不安を解消していこうとするのがFnnnPJr.です。

"原発事故の当事者として"
FnnnPJr.の代表を務める田中さんがFnnnPJr.と関わるきっかけとなったのが、FnnnPの活動報告会でした。
自身も浪江町の出身で、実家が警戒区域にあり、家族が宇都宮市に避難していることもあり、日頃から”何かしたい”と感じていました。自分自身が原発事故避難の当事者でもあり、原発避難者の問題への意識はほかの人よりも高く、FnnnPの報告会に誰よりも刺激を受けたのかもしれない。
原発事故の発生当時は政府や東電の対応に憤りも感じました。そんな当事者の彼女だからこそ、原発避難の問題は決して他人事ではない。”時間によって人々の記憶から忘れられ、みんなが他人ごとになってしまうのがつらい”と話してくれました。
しかし、その反面で地元の福島では原発事故に触れることがタブーのようにされることもあります。“地元の人が原発事故についてどう思っているのか考えるとこうやって活動をすることが疑問に思えることもある”。
当事者だからわかる避難者の気持ちと、当事者だからこそ見える問題もあります。
避難者の中には中通り地区からの自主避難の方もいます。
そのような自主避難の人たちにとっては、警戒区域出身の彼女たちを、”警戒区域外の避難者である自分たちよりも、つらい状況にいる被災者”としてとらえがちです。そうなると、自主避難の方が吐き出しにくくなることもあるかもしれないと感じています。
なかなか自分が浪江町の出身だということを言えないという。
 しかし、”自主避難の人たちも補償の問題や、避難選択の問題など、警戒区域からの避難者とは違った質のたくさんの問題を抱えています。その不安を取り除くことも必要。当事者しかわからない、つらさや大変さを比べることは意味がないはず。”と話してくれました。


"これから…"
今後の活動については、”もともと来年の3月までの期限付きの活動であり、そこで終わらせるかどうかの判断に迫られています。ただ、支援を続けることに意味があり、人とのふれあいの中で避難者の生活や意識が変わっていくことを実感しています。ニーズがあれば続けていく”と考えています。
”いま、福島に少しでも関心があるのであれば、思っていることや感じていることを、自分の中の気持ちで終わらせないで、友達や家族など身近な人に思いを伝えてみてほしい。”そう、力強く語ってくれました。

http://sicpmf.blog55.fc2.com/blog-category-16.html 
【ソーシャル系学生サークル紹介】vol.2 UP(宇都宮大学) [2012年09月05日(Wed)]
”震災復興支援”×”大学生”  Udaisei Project(宇都宮大学)

 「宇大生プロジェクト」通称UP。昨年の東日本大震災をきっかけに結成された宇都宮大学の学生によって構成された学生ボランティア団体である。
 そのはじまりは2011年5月に行われた大学での震災ボランティア活動だ。
 7月には大学の支援もありながらも、学生が中心となり県内最大級の規模である3日間で120人のボランティアを宮城県山元町に送った。

 現在までに計7回の現地ボランティア活動を行った。多くの団体が瓦礫撤去などの労働ボランティアから被災者の心のケアを中心とした心的サポートボランティアへと移行しているいまでも、UPでは、一貫して瓦礫の撤去や農地の片づけなどを中心に活動している。
今回は、昨年9月にUPの代表に就任し、現在UPの中心として活動している松田大樹さん(宇都宮大学国際学部3年)にお話を伺った。

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”思い出の一片”UPが被災地の瓦礫撤去を中心に活動を行っているのには”被災地では今でも瓦礫や土砂の片づけが完了しておらず、放置され続けている現状がある。”からだ。そんな現状がある以上UPは今後も瓦礫撤去ボランティアを行う。松田さんはいう“UPの行う瓦礫や農地の片づけの作業というのは被災者の思い出に触れる活動である”。
片づけを行う中で見つかる思い出の品。どんなに小さなものでも、その一つひとつがそこに生きてきた証なのである。写真や日記、子供のおもちゃに、いつも使っていた茶碗に箸。そんな思い出が見つかるたびに変わる被災者の表情は地震や津波が奪い去っていった当たり前にそこにあった「生活」を映し出している。
津波が奪い去った“時間”がそこにはあるのだ。
失われてしまった時間に悲痛の表情を浮かべる被災者を前に”どうすればいいかわからなくなることもある、でも少しでも気持ちをやわらげるためにニーズがある限りボランティアを続けなきゃいけない”と話してくれた。


”意識の変化”
 今では、UPの代表として”震災や原発のニュースが気になり常に震災のことを考えている”と話す松田さんではあるが、UPに入るきっかけは友人に誘われて参加した震災ボランティアだったという。関わり始めた当時はそこまでの自覚はなく、軽い気持ちでボランティアに参加していたという。
 しかし、活動の中でかつて自分が住んでいた白河市を訪れた時だった。地震によって崩れおちた、幼少期の思い出がつまった家を見た時、震災が他人事ではなくなった。
 当たり前に存在しているはずだった家、そして町が失われていた焦燥感は、彼に震災の悲惨さを再認識させ、被災地と関わっていかなければならないのだという自覚を芽生えさせた。
 その後はUPの代表として、そして被災地の支援に携わる一人として、震災と向き合ってきた。だからこそボランティアに対しては強い想いを抱えている。

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”ボランティアとは”
 そんな松田さんにとって、ボランティアとは震災支援活動をしていて不謹慎だととらわれてしまうことを危惧しながらも”楽しいこと“だと語る。代表として団体をまとめ上げ、メンバーが円滑に活動できるように、常に全体に目を配る。ボランティアの活動は楽ではない。しかし、やった後の達成感は言い表せないくらいの充実感だという。“自発的な気持ちからの活動がそう思わせるのだと思う”という。
 “ボランティアは、本当はとても充実感があり、楽しいことだということを多くの人に知ってもらいたい”と笑顔で語ってくれた。
 “ボランティアは敷居が高いかと思われるかもしれないが、被災地にはまだまだボランティアのニーズがあることを知ってもらい、たくさんの人にボランティアに参加してもらいたい。”という。
【ソーシャル系学生サークル紹介】vol.1 自然教室ネイチャーフレンド(宇都宮大学) [2012年08月20日(Mon)]
”子ども×環境教育×大学生 / 自然教室ネイチャーフレンド(宇都宮大学)”

 宇都宮大学の学生を中心に運営されている自然教室ネイチャーフレンドは2000年から自然環境を守る心の大切さを地域から広げていくための、環境教育を行っています。

 県内の小学校3年生から高校3年生までのジュニアレンジャー(会員)約100人と宇都宮大学の学生と社会人のレンジャー(スタッフ)65人で構成されています。活動年数によるクラス別で初級クラスでは「楽しむ」、中級クラスでは「感じる」、上級クラスでは「考える」、アドバンスドコースでは「行動する」をそれぞれの目標に向けて活動をしています。クラス別活動のほかクラスの垣根を越えた全クラス合同の活動を年に10回ほど行っています。

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 毎回レンジャーによる企画は、栃木県内の自然公園などを中心に常に新しいことに挑戦しています。今までには、自然公園での色探しゲームや宝さがしゲーム、木に聴診器をあてて木の音を聞くなどの自然をからめたレクリエーションや、自然観察体験、親子で参加できる親子キャンプ、夜通し日光街道を歩きとおす日光ハイクなどを行っています。


今回は、そのネイチャーフレンドを運営総括している後藤圭佑スクール部長(宇都宮大学工学部4年)と白石悠太広報部長(宇都宮大学大学院教育学研究科2年)にお話を伺いました。

”自然から学ぶ子供たち”
自然とのふれあいを大切にした活動には、子供たちに自然の楽しさを知ってもらいたいというレンジャーの強い思いがあります。
“自然の中で遊ぶことで、自然の楽しさを知ってもらい、自然の不思議さに興味を持ってもらいたい。自分が子供の時は自然が周りにありながら、自然の遊び方を知らなかった。ものを使わなくても自然の中にあるもので十分遊べることを教えたい。”
 さらには、“自然の中で遊び、自然について考えることで自然を守る行動へのきっかけになればと思っています。自然体験を通してエコについて考えてほしい。”

また、活動を通していろんな人とのかかわりを持ってもらうこともネイチャーフレンドの活動の目的の一つ。
“栃木県外出身の大学生もレンジャーにおり、子供たちが普段接することのできない県外の人たちとのふれあいや、違う学校の子たち、世代を超えた人たちと出会い、大人数で自然を楽しめる場。”になっています。

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”レンジャーネームで築く対等な関係”
活動中はレンジャーもジュニアレンジャーも互いを「レンジャーネーム」(あだ名)で呼び合う。これはレンジャーとジュニアレンジャーの間にフラットな関係を築くためです。学校や家庭とは違った友達や大人とのふれあいは、子どもたち自身が普段とは違った一面を気に気付くことがあります。また学校では、なじみきれない子にとってネイチャーフレンドは心のよりどころになっています。

”レンジャーとしてのやりがい”
“そんな子どもたちの柔軟な感性に触れて、子どもたちの成長の過程を見られることはレンジャーとしての喜びです。そして子どもたちの変化や大人の考えなかったことを生み出す子供の感性には毎回驚かされます。”
一方で、子どもたちに安全で楽しく活動させるための影の努力も欠かすことができません。安全な活動のため毎回レンジャーで活動場所の下見とプログラムのシュミレーションを行っています。レンジャーが子ども役となってプログラムを体験します。“子どものための企画を大人だけでシュミレーションするのは恥ずかしいですが、安全に活動し、子どもたちに自然の魅力を伝えるためには必要なことです。”

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“子どもの成長のために大人として常に自分の行動が正しいのかと葛藤します。子供の成長のためにあえて厳しくルールや生活のメリハリを教えていきます。”と話してくれました。

自然の魅力、楽しさ、そして自然を通した子供たちの人格形成を提供し、学校では出会えない人との出会いを提供するのが自然教室ネイチャーフレンドなのです。


自然教室ネイチャーフレンド (宇都宮大学学生サークル)
〒321-8505 栃木県宇都宮市峰町350 宇都宮大学 教育学部 陣内研究室内
代  表: 八谷 賢治 事務局長: 渡邉 聡
広報部長: 白石 悠太 スクール部長: 後藤 圭佑
HP URL : http://ncnf.web.fc2.com/
問合せ・連絡先/  nfriendnet@yahoo.co.jp