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TEAMユース 最新記事

【社会事業家紹介】NPO法人トチギ環境未来基地 塚本竜也 [2010年12月29日(Wed)]
『若い人たちと、新たな社会を創りたい。』

日時 2010年11月18日
場所 ユースサポーターズネットワーク事務所
スタッフ 于・川端・石原

塚本竜也(つかもとたつや)
愛知県生まれ、広島県育ち。 日本大学生物資源化学部森林資源科学科卒。大学では森林資源を専攻。
所属団体
・NPO法人 NICE(日本国際ワークキャンプセンター)副代表
・NPO法人 ユースサポーターズネットワーク 共同代表
・NPO法人 トチギ環境未来基地 理事長
・NPO法人 とちぎボランティアネットワーク 理事
・NPO法人 日本環境保全ボランティアネットワーク 理事
・一般社団法人 とちぎ青少年自立援助センター副理事長
・一般社団法人 栃木県若年者支援機構 しごとや 副理事長


社会課題を解決へと導く先進者 塚本竜也
 塚本氏は多くの団体に所属し、その団体数は、なんと7団体。彼の活躍の範囲は幅広く、そのジャンルもひとつに留まらない。そんな彼は、自分自身を“日替わりワーカー”と呼ぶ。日替わりで様々な団体のオフィスに足を運び、彼は仕事をする。そんな彼を、私はオフィスで見たことがあるが、多くの仕事を抱えているにも関わらず、とても効率よく、スピーディーに着々と仕事をこなしていく。彼が日替わりワーカーとして働く理由はどんなところなのだろうか?

 「NPOとしての課題は、継続して活動する人物、マネジメントが出来る人物が少ないことです。それは、NPO業界の浅さを表しています。長くなっていると役職が増えてしまう、そんなネガティブなとらえ方もあるが、開拓していく分野がどんどん広がっていく、というとらえ方もあります。やっていく中で、新たな課題に気付くと、またあたらしい団体をたちあげることになります。NPOが出来てまだ10年、開拓の余地がまだまだある。新しい開拓というのも今のNPOにとって大切なことであり、またそれが、今の自分の仕事だと思っています。」
 
 仕事を進めていく上で、課題を解決へと導くが故、彼の仕事は減ることはない。ハードな彼のスケジュールだが、何が彼をそこまでさせるのであろう。



彼を動かしたひとつの本 
 彼は、日々数々の偉業をこなすワーカーにも関わらず、表向きの雰囲気は、とても柔らかく、人を包み込むやさしい印象をうける。そんな彼だが、意外な一面を見つけた。それは『負けず嫌い』。彼の学生時代にクローズアップしてみよう。

 「高校生時代、サッカーに本気で取り組んでいて、プロを目指していました。しかし、全く歯が立たず、挫折。クラスには熱い思いを胸にプロサッカーを目指し、熱心に取り組んでいることを人前で堂々と話す生徒がいて、その時点で負けている、と感じました。とても悔しかったです。」
 彼らに引け目を感じ、彼は本気で将来を考え始めたという。
「もともと動物が大好きでした。図書館に行ったときに、『地球が危ない』という本と出合いました。その本で、地球で起こっている過酷な現状を目の当たりにしました。目にしたうちのひとつは、地球の砂漠化問題。その写真には、大好きな動物がひからびていたのです。大変なことが地球で起こっている。このままではいけない、と胸が熱くなりました。」


ACTION
 胸が熱くなった彼は、環境の分野に興味を持ち、大学は、日本大学生物資源化学部森林資源科学科に進学。彼は熱心に勉強を進める。そのなかで、様々な現状の問題を学び、多くの活動に積極的に参加する。
 「木をめぐる状況を学ぶ中で、現場をみておかなければならないと感じ、様々な海外のワークキャンプに足を運びました。そんな中、大学4年生の時に参加した、米国シアトル開催の6ヶ月間の環境保全プログラム「Conservation Corps」は、大きな影響を受けました。プログラム内容は、環境保全の現場で働くとともに、将来環境の活動をしたい、という人を支援する内容も組み込まれており、プレゼンテーション・MTG方法や助成金申請についての方法等についての学習。年間2万人以上が参加しており、相当なインパクトを社会に提示出来るとおもいました。」

 日本では、ワークキャンプといっても長くて2週間のものしかない。日本でも長期間活動にコミットできるようなプログラムをつくりたいという想いから、帰国後、国際ボランティアNGO-NICE-の職員となり、中長期ボランティア事業を開始する。
 そんな時、厚生労働省が「若者自立塾」を始めることを知る。長期間、若者が、共同生活を通じて活動する枠組み、これを利用しない手はないと思い申請した。


若者との出会い
 「若者自立塾」は、世間一般で言われる、ニートやひきこもりをしていた若者達が、就業支援および支援を行うため、3-6ヶ月間の合宿を通じて、集団生活を行いながら職場体験やワークショップを行う事業である。彼は、それらの若者達と、自立塾を通して始めて出会うこととなる。

 「今まで出会ってきた人々は、海外や積極的にボランティア活動に目を向けていたメンバー。どちらかというと、パワフルで活発な人が多かったです。ニート・ひきこもりを経験する若者との接点というのはほとんどありませんでした。若者自立塾がはじまり、自分が想像している以上に、生きるのに困難な状況にいる若者達と出会いました。彼らと様々なことに取り組んで、物事進めていくことは、そんなに簡単じゃなかったし、甘かったと今では思います。しかし、その踏切がなかったら今はなかったとも思うのです。その中で、自立塾で、若者達がグループで何かをするということについてはある意味で自信がありました。」



共同生活・環境・若者が創る相互作用
 彼は、合宿生活についての効果を、大きく期待している。それは、環境に興味があるパワフルな若者も、生きづらさを抱える若者たちもそうであるという。

 「衣食住を共にするということは大きな効果があると感じます。大人になると家族や恋人など、一部の人との関わりしかなくなる。それをあえて、沢山の人と関わる機会を作る。人間が信頼を築くのに一番いいのは衣食住を共にすることだと思います。仕事では案外演技できてしまうものですが、生活になると、自分らしさ相手らしさに気付けると思うし、単純に楽しい。」


塚本竜也を動かす「先人たちの想い」
 彼は大の読書家である。最近は忙しくてあまり読めていないとの事だが、かつては、1日一冊ペースで、読書を進めていたという。読書家の彼は、本を通じて先人たちの想いを“読んだ”。

 「自分が刺激を受けるのは何かと考えると、これまで生きてきた人のなかで世の中を作ることに命をかけてきた人たちの存在はすごく大きい。国や家族を思いながら死んでいった人の思いなどを想像すると、この覚悟がよくできたな、と。先人たちが自分の人生の多くの時間を割いて努力していたという事実や、その恩恵を受けているということは忘れてはいけないと思います。」



塚本竜也の想う未来
 「仕事に限らず、今本当に必要だと思うことは、世の中の価値の再定義。これからの流れのキーワードとしては「持続可能な社会」だと思います。ひずみや無理が出る(貧困や環境破壊)なかで、今の世の中を持続可能性という点からみたときに、何に価値があって、何にないのか考えてみると、まったく違うものになってきます。そのように価値を改めて問い直し、大事だと思ったものを大切にしていく仕組みを作っていきたいとおもっています。」


若者に一言
 ・迷ったら、やる。
 人生は、迷うものだし、答えが出ることはない。だが、やるかやらないか、その違いで大きく変わってくる。若いうちは、「まよったらやる」がちょうどいい。また、体験や時間をかけて、自分自身で切り開いていって欲しい。


 
編集後記
 彼ほど、自分に、世の中に真剣にごまかすことなく向き合っている人物は出会ったことが無い。真剣に向き合う彼が、立ち向かう社会課題解決への熱意は、確実に未来を動かすのだろう。“迷ったら、やる。”社会課題に出会ったキミ!やりたいことが見えてしまったアナタ!将来を本気で一緒に、創りましょう。       インターン生 石原 芙美
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