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タイムダラー

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タイムダラーの理念

[2009年06月06日(Sat)]
タイムダラーの理念
 
 タイムダラーは、お互いの能力と時間を会員の間で交換する新しい形の相互扶助システムです。「この世の中に役に立たない人はいない」という理念で地域に埋もれている人の能力や善意を掘り起こし、地域の再構築をしようという運動です。その理念を支える考えは以下のようなものです。

1.双方向の助け合い

 地域社会での日常生活の中には、大小の困った事や不便な事があります。そんな時、地域の人々同士の間で、ちょっとした助け合いや支え合いがあれば、不安のない、楽しい日常生活が送れます。今までのボランティア活動では、助ける人は助けるだけ、助けられる人は助けられるだけといった形が多く見られます。それは、一方通行の助け合いです。その仕組みを変えるには、ある時は助け、ある時は助けられる事が大事です。これが「双方向の助け合い」です。
 サービスをする側と受ける側では、気持ちの面で大きな差が生まれます。与える側には優越感が、受ける側には劣等感が生じかねません。同じ人間としての誇りや優しさに差が生じるのです。これでは個人の尊厳や人間性が損なわれます。タイムダラーではこのサービスをする側と受ける側とを固定しないのです。
 これは助けられるだけと思っていた人々に“生きがい”や“生きる喜び”や“生きる自信”を呼び起こす事になり、極めて大切なポイントです。これまでのボランティアの考えを根本的に変えるものです。

2.支え合いを生むタイムダラー

 双方向の助け合いを仲立ちするのがタイムダラーです。お互いの助け合い(一応、この行為をサービスと呼びます)をお金で置き換える事はしません。タイムダラーではサービスに使った時間の長さで置き換えます。1時間のサービスを1点とします。大事な事はサービスの内容によって点数が決まらないという事です。お金で全ての価値を決める「市場経済」と基本的に違うところです。お金と違って誰にも平等にあるのが時間です。だからこそ誰でもどんな事でもサービスを提供して点数を得られるし、その点数を使って気兼ねなくサービスを受ける事ができるのです。
 この点数が「信頼の通貨」なのです。この助け合いを進める事で地域の人々の心がつながれ、助け合いの絆(きずな)が多くなれば、地域の人々が信頼で結ばれます。これまでの報酬やお礼の品でつながった関係ではない「大きな家族」が生まれ、地域が変わっていくのです。

3.この世の中に「役に立たない人」はいない

 「世の中に役に立たない人はいない」−これはタイムダラーを創設したアメリカの市民活動家エドガー・カーンさんの言葉です。年齢や身体の障害で「役に立つ人」と「役に立たない人」を分けるのではなく、誰もが持っている知識・経験や才能を生かせば、世の中は大きく変わるのです。問題はどうすればその知識や才能が生かせるかなのです。
 ボランティア活動という言葉は、今や子供もお年寄りも知っています。困っている人や弱い人を無償で助ける行為です。個人だけでなく、いろいろの団体やグループが福祉施設を訪問したり、独居のお年寄りを訪ねたり、慰めたりしています。しかし、助けられたり、慰められたりする人は果たして「世間では役に立たない人」なのでしょうか?
 どんな人もいろいろな知識・経験や能力を持っています。ただ、それを提供する場がないのです。誰かがそれを提供して欲しいと願い、また本人が他人のために自分の能力や才能を使おうと思わなければ、何も起こりません。その「場」づくりができるのが「タイムダラー」です。

4.善意の行為が「通貨」に換わる

 「タイムダラー」という言葉はどんな意味を持つのでしょうか?直訳するとタイム(TIME)は時間、ダラー(DOLLAR)はお金(ドル)です。「時は金なり」という言葉がありますが、これはちょっと違います。普通、どこの国でもモノ(品物やサービスなど)を買うにはお金が必要です。お金がすべてのモノの仲立ちをします。こういう仕組みを「市場経済」といいます。世界のモノの流れはお金(貨幣)で成り立っています。これは、一言で言うとお金がなければ、モノやサービスは買えないということです。お金がなければ物々交換しかありません。もっとも、相手にとって欲しいモノを自分が持っていなかったら、たとえ相手が自分の欲しいモノを持っていても交換はしてもらえません。
 しかし、毎日の生活の中では、ちょっとした事で困ったり、手助けが欲しかったりする事が多くあります。でも、誰にでも頼むわけにはいきません。また一方では、少しの手間や時間を使って他人に役立ちたいと思う事があります。しかし、誰が困っているのか分かりません。
 このお互いの「して欲しい」「やって上げたい」という気持ちをうまくつなげる方法はないのでしょうか?お金で動く「市場経済」では、お金で「買う」しかありません。貧富に関係なく、善意の仲立ちをする「新しい通貨」があればいいのです。円やドルのような「お金」でなく住んでいる地域の仲間の間で善意の橋渡しをする仕組みがタイムダラーです。

5.地域を再構築(リ・デザイン)する絆(きずな)

 タイムダラーは、お互いにサービスを提供し合い、利用し合うメニュー(内容)に特徴があります。メニューは介護など福祉に限りません。むしろ、日常生活の中の些細なことも重視します。旅行中のペットの世話、洗濯物の取り入れもです。近所や小さな地域での助け合いこそ、「安心して暮らせる大切な要素」なのです。タイムダラーの目的は、新しい形の共同体、助け合える地域に再構築(リ・デザイン)する、もっと分かりやすく言うとこれまでの地縁や血縁を越えた「拡大家族づくり」なのです。
 ところで、タイムダラーは地域ごとにふさわしいやり方が考えられます。そのためにいろいろと工夫を凝らし、お互いに考え、そんな作業を進める中で、地域のあり方を改めて見直すキッカケになります。これが本当の「地域づくり」なのではないでしょうか。

プロフィール

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