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タイムダラー

タイムダラーを取り入れた事業の運営で、行き詰まっていませんか?
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 そんな団体のために、オンライン上で、タイムダラーの無料のご相談に応じます。

英国でのタイムバンクス

[2010年06月07日(Mon)]
1990年の後半にFairshares(フェアシェア)としてマーティン・サイモン氏によって始まったタイムダラーはその後英国、ウェールズ、スコットランドに広がり、現在では総称してタイムバンクと呼んでいます。全英での最近の活動を分野別にご紹介しましょう。

1. 活発な市民としての活動

●タイムセンター事業::市営の会場費をタイムバンクの時間で支払う

  それまであまり活用されていなかった、公共の建物や、事業などに参加
  者が増え、同時に会員も増えた。
  連絡先: Geoff Thomas 01443 777823


●コミュニティ・カフェ事業

  1週間に1回、オープンするカフェでは、食事代をタイムバンクで支払う。
  食事の準備、カフェの掃除など経営に携わる人たちの労働報酬は、
  タイムダラーで支払う。地域コミュニティの活性化につながり、少ない
  予算で活発な運動が展開できる。
  連絡先: Naomi Casserly 0207 639 4506


●ボランティア・センター事業

  従来ボランティア活動をしていた人たちに、一方的に援助することは、
  与える側として受ける側のパワー関係が生まれることを説明し、相互
  扶助の社会的意味を理解してもらう。特にスコットランドのボランティア
  センターではタイムバンクを積極的に取り入れている。
  連絡先:Tam Cassidy 01786 479593


●若者たちの活動

  地域で責任を持って、コミュニティでのリーダーになりための養成講
  座を若者たちを対象に行う。タイムバンクで得た時間はドライビング
  レッスンの費用、小旅行などに使用できる。
  連絡先: Bec Booth 01443 777823


●若い家族のために

  子供たちのベビーシッターを、若い両親たちだけでなく、子育てでは
  経験豊富な高齢者も含めて、日常のさまざまな役割を助け合うやり
  とりをする。「子どもは村で育てよう」が会のモットー。
  連絡先:Jo Goldie 01608 812338


●高齢者のために

  日本でも一般に利用されている、将来に向けての預託方式が使わ
  れている。ベビーブーマーに向けての新しい企画。
  連絡先:Jim Rollinson 01452541439


●精神保健のために

  精神医療について、“自分たちの問題/US and THEM”と捉え、病
  院と連携している地域の小規模のタイムバンクと組み、コミュニティ
  全体で取り組もうと言う動き。
  連絡先:Sarah Allner 020 3228 2965


●地域イベントとの連携

  地域イベントへの参加費はタイムバンクで支払い、イベントを会員
  獲得の場と捉える。地域映画館との提携、コンサートやカルチャー
  イベントなどとの提携をし、多くの住民に、参加費の有無を通じて
  タイムバンクの存在を知ってもらう。
  連絡先:Kieran Dodswell 079 0042 7902


2.地域の安全のために

●警察との連携活動

  地域の警察を補佐しながら青少年のための更正プログラムに取り組
  んでいる。
  連絡先:Gloria Murray 0141 6311888


●コミュニティ・サービス

  犯罪者の更正プログラムのコミュニティサービスをタイムバンク方式で
  行う。サービスした時間は、彼らが選んだサービスを必要とする個人、
  またはグループに寄付される。このように留置された時点で社会に貢
  献するチャンスを得ることで、彼らの立場が変わり、社会への接点が
  生まれる。
  連絡先:Reyaz Limalia 01452 415900


●刑務所

  刑務所内の仕事として、寄付された自転車を再整備し、イラクに送る
  活動を開始。この整備に費やす時間は、囚人の家族に送られ、必要
  なサービスに使うことができる。
  連絡先:01452 415900


●火災防止活動

  Merseyside地区の火災救助班は、火災に関する予防処置をしている
  地域住民に対してタイムバンクの点数を支給している。
  連絡先:Jim Rolinson 01452 541027


●避難民、移民労働者、亡命希望者に対してのプログラム

  さまざまな経験、技術を持ちながらも、これらの人たちは差別の対象
  となり、なかなか職に就くことができない。そこで、タイムバンクをクッ
  ションにして、地域にとっては有望な働き手、また彼らに取っては地
  域との接点を作る事業。
  連絡先:Hazel Swan 01522 551683


3.生涯学習事業


●学校

  仲間同士の指導プログラムでは、高学年の指導する生徒も、指導さ
  れる生徒も同様に時間を貯めることができ、その点数でリサイクルの
  コンピュータを得ることができる。
  連絡先: David Boyle 0208 7610968
   
   また、市街地の小学校では、‘Buddies bench’と言う訓練を受けた
  高学年の生徒が、聞き役となって、複雑な子どもたちの問題やいじめ
  っ子などの問題を解決している。聞き役の子どもが貯めた点数は乗馬
  レッスン代などに利用されている。
  連絡先:Jonies Henry 020 7281 5940


●異世代交流事業

  高齢者から地域の昔話を聞きだし、子どもたちに自信とアイデンティ
  ティを与えるプログラム。点数を得た子どもたちのほとんどが、自分た
  ちが稼いだクレジットを寄付し、若いときからフィランソロピストとして
  の意義を体験している。
  連絡先:John Garces 020 7263 3151


●再就職への訓練と事業計画

  タイムバンクでのお互いのやり取りを通じて再就職への必要条件で
  ある新しい技能、仕事の仕方、文化的意識、自信、などが自然に身
  についてくる。タイムバンクでは、見失っていた才能を見つけ出し、そ
  れらを集結して新しい事業に結びつけることができる。
  連絡先:Martin Brennan 01912450663


●チャイルド・センター

  タイムバンクを地域の子どもたちを見守り、昔あったビレッジのような
  環境で育てようと言う思いは、タイムバンクの推進者には大きな課題
  である。幼児期の価値観づくりに地域が大きく関わる事業。
  連絡先:Julie Cigman 01453 752171


4.住宅関連


●住宅協会

  住宅居住者との話し合いで、公共の場のメインテナンス、例えば簡
  単な修理、新しいスキルの習得、住宅内での趣味の会などをタイム
  バンクで行う。
  連絡先:Terry Mace 01443 424231


5.健康とウェルネス


●医者

  医者の待合室は、身寄りのない淋しい人たちで満ち溢れている。
  彼たちにとって必要な薬は、社会に役立つ新しい自分を見出す
  きっかけになるタイムバンクかもしれない。この人たちの活躍の場
  づくりをし、忙しい医者に少しの余裕を与えよう。
  連絡先:Maria Meska 020 7138 1888


●健康な生活

  病気予防のために、タイムバンクを駆使してコミュニティを支えて
  いるプログラム。
  例えば、禁煙運動、健康のための食事と体操、タイムバンクを使
  っての家庭菜園、分配によって野菜、果物など安価に購入できる。
  菜園で知り合った仲間たちはお互いの健康を思いやり、ケアリン
  グに関係が生まれてくる。
  連絡先: Sherry Clarke 0203 228 9006


●病院

  退院後のケアをタイムバンクで行う。家の掃除、買い物、訪問、
  話し合いなど。
  連絡先:Martin Simon 01452 541338


●仲間同士のアドバイスや、支えあい

  糖尿病、喘息などの患者同士がお互いを支えあう。脳卒中クラ
  ブでは、健康になった元患者たちとの支えあいが行われている。
  連絡先:Chris Lee 01768 245 413


●環境衛生

  タイムバンクを使って、さまざまな健康のためのサービスを提供。
  健康予防から介護まで。障害を持つ人たちも加わって、それぞれ
  の持つ才能を交換している。
  連絡先:Dan Grainger 0121 5533110


6. 環境関連


●コミュニティ間で、リサイクルの奨励、収集、ごみ拾い、空き地の
  有効利用、食品コープ配達、植林、町並み美化のために花いっ
  ぱいのバスケットを吊らす、菜園などの作業をタイムバンクで行う。
  連絡先:Kirsty Burns 0207700489


7. 緊急対策


●最近のグロスター州での水害の際、タイムバンクの会員がいち
  早く救助に駆けつけ、被害のあった人々への緊急対策、食事、
  住宅の手配など迅速に行われた。また世界中のタイムバンク会
  員からの応援もあり、ハリケーンや、地震の際の助け合いなど、
  世界レベルで行われている。
  連絡先:Lawrence Hughes 01452 541337

Posted by 大年 由美子 at 17:53 | 外国での事例 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

さまざまな事例

[2007年10月04日(Thu)]
1.アメリカでのタイムダラーの歩み

 アメリカでのタイムダラーの動きを考える時、大きく分けて3つの波があります。まず第1期は1987年ロバート・ウッド・ジョンソン財団から120万ドルの助成金を受け、米国内6ヶ所で3年間のパイロットプログラムを開始した時です。その当時はタイムダラーではなく「サービス・クレジット・バンキング・プロジェクト(SCBP)」と呼ばれていました。余談ですが、タイムダラーという名称は市民運動家のラルフ・ネイダー氏がテレビのトークショーでカーン氏とその活動を紹介する際、「SCBPではインパクトにかけるなぁ」と考え出したのが「タイムダラー」だと言われています。こうして、3年間のパイロットプログラムの活動は、さまざまな新聞やテレビで報道され、40,000以上の問い合わせが全米からあり2、3年後には58のプログラムが27の州で展開されました。

2.英国での展開

 さて、米国でのさまざまな活動は遠く英国にも報道されていたようで1997年の第1回のコングレスには、英国からも参加者がいました。英国グロスター州の福祉課の職員マーティン・サイモン氏は年々削減される福祉予算では何も変わらないとコングレス後、いさぎよく退職。タイムダラーで地域を変えようと地元で「FAIR SHARES=フェア・シェアーズ」を始めました。
 グロスター州で7つのフェア・シェアーズが立ち上がっています。名称も「タイム・バンク」「タイム・マネー」「タイム・エクスチェンジ」「タイム・スワップ」などとまちまちですが、フェア・シェアーズのコンピューターにリンクして活動しています。
 英国全域ではフェア・シェアーズも含め14の団体がネットワークを組み「TIME BANK UK」として合同で、タイム・ブローカー(タイムダラーのコーディネーター)の養成塾を実施しました。こうしてネットワークを組みながら全国での普及を目指しています。

Posted by 大年 由美子 at 15:12 | 外国での事例 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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