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タイムダラー

タイムダラーを取り入れた事業の運営で、行き詰まっていませんか?
 これからタイムダラーを始めたいけど、どうしたらいいのか困っていませんか?
 
 そんな団体のために、オンライン上で、タイムダラーの無料のご相談に応じます。

タイムダラーの進め方@

[2008年08月01日(Fri)]
「タイムダラーを地域で始めたいのだけれど、どこから、どのようにスタートしたら良いのでしょう」という質問をよく受けます。そこで、基本的なステップをご紹介しましょう。


1.最初の仲間(中核メンバー)づくり  
スタートの第一歩は、活動の核づくりです。理念や目的に賛同する仲間5、6人で十分です。小さく始めて、大きく育てていきましょう。

 タイムダラーを始める第1歩は、活動の核づくりです。今の生活や地域を、もっと楽しく安心して過ごせるようにしたい、という仲間が集まりましょう。そして、タイムダラーの理念や目的を話し合い、それに賛同する人、やってみようという人で、まず中核になるグループをつくります。その数は、最低3人以上、できれば5、6人いれば十分です。
 
 日本国内で初めてのタイムダラーは、愛媛県の越智郡関前村(現:今治市関前)で有志12人でスタートしました。今では70人を超える会員が「だんだん」という名前で行っています。


2.仲間や地域のニーズの確認
 「誰が、どんな手助けを必要としているか」など、地域のニーズを調査(リサーチ)しましょう。調査を通じて活動の目的がみえてきます。

 社会の中で、自分たちが住む地域の中で、また向こう三軒両隣の中で、援助を必要としている人たちがいないでしょうか。それらのニーズは、私たち仲間や家族、友達、近所の人々が手をつないで助け合えば解決できるのではないでしょうか。
 
 「社会が必要としている援助の手」を差し伸べたいと思う人は多いはずです。この思いを一人ひとりの責任として行動に変えることが第一のステップです。まず「誰が、どんなことを必要としているか」をリサーチすることから「それでは、こんなことをやろう」という目的が見えてきます。


3.ゲームで体験しよう
双方向の相互扶助のシステムを体験できるゲームです。先ずは、タイムダラーゲームを体験し、その次には、自分達の地域に合ったゲームを白紙のカードを用意して体験しましょう。ゲームを通じて、コーディネーターの大切さも実感できます。メニューづくりの前に、ぜひ行ってください。

 地域の中でお互いに助け合うシステムを体験できるゲームです。このゲームで、タイムダラーに必要な「助け上手」「助けられ上手」がどんなことかを体験できます。さらに、サービスの提供者と利用者を結び付けるコーディネーター(世話役、仲介役)の大切さを学びます。コーディネーターの働きで、サービスを通して知らない人同士が結び付けられ、またメニューが広がります。


4.サービスのメニューづくり
「して欲しいこと」「できること」をゲームで体験した後、自分達のサービスリストを作成しましょう。

 ゲームでさまざまなメニューを体験した後、自分たちの地域ではどんな内容の助け合い、支え合いをすればいいのかを具体的に話し合い、「メニューづくり」をしましょう。これをする中で、タイムダラーの目的や内容が見えてきます。双方向の助け合いの意味もはっきりしてきます。最初は、自分達の日常生活の中で、困っていること、不便に感じていること、助けてもらいたいことを率直に話し合いましょう。模造紙などにそれらを書き出し、リストをつくります。まず身近なメニューから始め、少しずつ必要に応じ、話し合いの中で増やしていけばいいのです。関前村の「だんだん」のメニューを見ると、車での送迎、荷物の運搬、買い物、子守り、お使い、ネコの世話、家事手伝い、手紙の代筆、モーニングコールなど多彩です。また自分の得意な技術を提供する日曜大工、庭木手入れ、裁縫などもあります。自分の技術や周囲の人たちの能力を発掘し、お互いに利用し合うことが大事です。

 初めから、高齢者の在宅介護とか、高齢者への配食など、誰でもすぐに出来そうもない大掛かりで専門知識の必要なメニューに飛びつかないことです。メニューは一部の人が決めて、会員に押し付けるものでは、活動の広がりも長続きもしません。くどいようですが、タイムダラーが会員同士で行うサービスの基本は、「自分が出来ることをできる時にする」と「困ったときには遠慮なくしてもらう」です。だから、サービスの内容は、高齢者向けだけではなく、身近な生活の中で必要とされるさまざまなことが含まれます。関前の「グループだんだん」では、それまでの島の習慣から、「親しい人にしか頼めない」「あとのお礼がわずらわしい」「してあげるのは気が楽だけど、頼むのは気が重い」などの意見が出ました。しかし、何度かの話し合いを重ねるうちに、心の垣根が低くなり、メニューは次々と増えていきました。


関前村でのメニューは次の通りです。

○ミカン山、病院などへの車での送迎 ○保育所への送り迎え ○荷物の運搬 
○対岸の今治市への買い物 ○子守 ○留守中の猫の世話 ○おつかい
○モーニングコール(朝起こし) ○いろいろの修理 ○村内のガイド ○花の水やり
○食事作り ○手紙の代筆 ○ワープロ作成等々。


 メニュー数も30を越え、子守やモーニングコールなどは、若い会員が積極的に利用し合っておりこのことは「だんだん」が将来の老後のためのサービスの貯蓄ではなく、現在を安心して楽しく生活していくための活動になっていることを示しています。ミカン農業を中心にした小さな離島の地域生活を反映した"関前村らしいメニュー"が生まれています。

5.コーディネーターの役割
サービスのやり取りの「つなぎ役」(世話役)がコーディネーターで、会員同士を結ぶ活動のカナメです。コーディネータの役割について話し合いましょう。

 さて、具体的にグループの進め方を考えましょう。タイムダラー活動は、5人からでも始められます。お互いに「大きな家族づくり」という基本の考えに賛成する人が集まれば、それがスタートです。基本は「私に何が出来るか」「私は何をして欲しいか」です。幾度かの話し合いを重ねるうちに、タイムダラーの本来の目的や意味が見えてきます。先ずは、小(small)+小(small)=大(large)で、顔の見える小さいグループで進めていき、そのようなグループが連携していくというのが理想です。

 ところで、コーディネーターの役割は、会員のつなぎ役(世話役)であり、活動のカナメです。普通、何かの会を発足させると、まず役員を選び、会則を決めて・・・といった旧来の"行政型"組織づくりがよく見られます。会長には、肩書きをたくさん持った人が登場したりします。しかし、タイムダラーでは形式的な役員は不要です。みんなが交代で世話役を務めるのが理想です。上下関係や年齢などは無関係の"仲間"なのですから。



タイムダラーの進め方A

[2008年07月31日(Thu)]
6.名称と表現方法
交換する「通貨」に親しみのある楽しい名前をつけ、サービス交換の表現の方法を考えましょう。紙券にするかチップにするか、コンピュータで記録するかなど話し合いましょう。

 この試行期間中に、活動の単位となる地域にふさわしく親しみの持てる名前を考えましょう。愛媛県の関前村の「だんだん」、松山市の「いまづ」、新居浜市の「わくわく」、津島町の「くじら印のおたすけカード」、玉川町の「バンブー」、徳島・阿波町の「あわあ」、高知県大野見村の「やまびこ」、など地域にふさわしい楽しい名称があります。



 また、交換する時間数(点数)を示すのに、どんな形の「通貨」を採用するかも大事です。紙券(あわあ)、チップ(だんだん)、小石(いまづ)などのほか、米国や英国のように「タイムキーパー」で時間を管理する事もできます。どんな形にするかを話し合うことも、タイムダラーを理解する上で大切な時間です。


7.まず、始めてみよう
理念やシステムを理解して、参加する意思のある仲間が集まれば、とにかくやってみましょう。

 さて、基礎的な準備はできました。だが中核メンバーだけではサービスの交換は十分にできません。そこで、身の回りの友人やいろいろの会、グループで知り合った知人に参加を呼びかけましょう。できるだけタイムダラーの基本的な考えを理解してもらうようにします。参加呼びかけの集会を開くのも効果的です。タイムダラー・ネットワーク・ジャパンは、そのお手伝いも行います。会員は多いほど良いというわけではありません。理念やシステムを理解して、積極的に活動に参加する意志のある人でないと、活発に機能しません。一度に会員を増やそうと、既存の会に呼び掛けて会全体で参加させる方法では、名前だけの会員が多くなります。あくまでも、「この指とまれ方式」で、草の根的に同じ志を持った「同志」を徐々に増やすのが最善です。生活援助が主なサービスですから、年代や性別にこだわらず呼びかけましょう。地域を優しさの絆(きずな)で結びあい、安心して暮らせるコミュニティを作り上げようという人々を集めましょう。とにかく、やってみなければ何も分かってきません。双方向の助け合いには、慣れることが必要です。今までの「助けるだけ」のボランティアに慣れた人たちには、「助けられ上手」になるのには時間が掛かります。しかし、これが第一歩なのです。高齢者も、「サービスの提供者」として参加を呼び掛けましょう。「年寄りだから何もできない」と言う高齢者に「出来ること」を一緒に考え、「あなたたちの経験や知恵が欲しい」と声をかけましょう。

8.運営の仕方
点数の記録方法や、運営にかかる最低限の経費、拠点づくりなどについて、グループで話し合いましょう。

@点数の記録

 記録をするのはコーディネーターにとってかなりの負担になりますが、この記録は、自分達の活動を目で見える形にするだけではなく、行政や企業の支援を得るためにも大切です。この方法には、記録カードを作ったり、コンピューターに記録するなど、色々の方法があります。「ゆうゆうヘルプ・波方」では30分券の裏側に10人の利用者の名前を入れるスペースがあり、簡単に時間の記録ができます。また、「あわあ」ではコンピュータで時間管理をしていますし、TNJでもコンピューターソフトの「タイムキーパー」の日本語化を進めています。 (平成14年8月頃完成予定。ホームページ上でダウンロードできます)。

 ただ、点数は自分のために貯める貯金とは違います。助け合いを行った「証」(あかし)なのです。アメリカのマイアミでは、中高生は点数を受け取らず、事務局に寄付する事を奨励しています。そうすれば、点数は2度役に立つわけです。タイムダラーの展開の仕方は、地域にあった形を取ればいいのです。工夫一つで楽しい活動にできるのです。

 グループがスタートしても、なるべく頻繁に会員同士が集まって、食事会やお茶会をし、話し合うことが必要です。顔の見える信頼関係を築くために、できるだけ多くの集いを持ちましょう。タイムダラーの精神を理解し、親睦を図ることが大切なのです。

A運営の経費
 
 会を運営するためには、最低限の経費が必要になります。電話代、通信費、会議費やサービスを提供する側の交通費、ガソリン代などです。寄付金や助成金などによって資金があれば問題はないのですが、普通は資金なしで始めることになります。

 会の活動が社会に認められ、また法人格を持って活動を始めるようになれば、色々な資金集めも可能になります。小グループでの活動では、まずは、会費で運営を始めましょう。組織が大きくなれば、積極的な資金集めが必要になってきます。また、そうしないとサービスの拡大は図れません。

 小さなグループから始める場合、事務所を構えたり、専用の電話を設けたりする必要はありません。中心の世話役が自宅でコーディネーターをつとめ、自宅の電話を使って役目を果たします。人数が多くなれば、地区ごとにグループ分けをしてそれぞれにリーダーをおいて活動を進める方法もあります。会員には、タイムダラーの考え方をよく理解してもらうことが必要です。そのためには、小さなグループでいつも話し合いができることが大切です。名簿上だけの会員が多くならないためです。

 運営を担当する拠点、つまり事務局は、連絡やコーディネーターのために電話代、郵便代などの経費が必要です。会報をつくったり、会員研修の資料づくりなどの費用も必要です。最初は、最低限の必要経費は個人の負担でやって行けますが、会の運営を特定の個人負担だけで済ましていては、長続きしません。継続的に活動を行い、誰がやっても続けられる会にするには、経済的に自立する仕組みが必要です。費用づくりのためには、会費、企業や個人の賛助会費、寄付、助成金や、自主事業などがあります。話し合いの中で、必要な経費を検討し、まず会費で自主的活動を支え、活動が拡大するのに沿って財政的にも拡大させましょう。

B自立した組織にしましょう

 最初に理念をしっかり持ち、安心して楽しく暮らせる地域づくりという未来像を実現するためのきっかけづくりがタイムダラーです。そのためには、行政や企業の支援も必要ですが、自立した組織でなくてはなりません。安易に助成金や補助金を当てにすると、行政や企業の下請け団体になる危険性もあります。

 また、補助金や助成金が無くなったので活動が停止するというのでは、理念を実現することはできません。行政や企業とは、それぞれの役割を認めながら、理念の違いをはっきりさせ、お互いに対等なパートナーシップ(協働)を組みましょう。そして、活動を始めて半年後、1年後といった時期にそれまでの活動の自己評価をしましょう。うまくいった点、反省点をはっきりさせ、それ以後の活動を勇気を持って修正していきましょう。

タイムダラーの進め方B

[2008年07月29日(Tue)]
8.運営の仕方
点数の記録方法や、運営にかかる最低限の経費、拠点づくりなどについて、グループで話し合いましょう。

@点数の記録

 記録をするのはコーディネーターにとってかなりの負担になりますが、この記録は、自分達の活動を目で見える形にするだけではなく、行政や企業の支援を得るためにも大切です。この方法には、記録カードを作ったり、コンピューターに記録するなど、色々の方法があります。「ゆうゆうヘルプ・波方」では30分券の裏側に10人の利用者の名前を入れるスペースがあり、簡単に時間の記録ができます。また、「あわあ」ではコンピュータで時間管理をしていますし、TNJでもコンピューターソフトの「タイムキーパー」の日本語化を進めています。 (平成14年8月頃完成予定。ホームページ上でダウンロードできます)。

 ただ、点数は自分のために貯める貯金とは違います。助け合いを行った「証」(あかし)なのです。アメリカのマイアミでは、中高生は点数を受け取らず、事務局に寄付する事を奨励しています。そうすれば、点数は2度役に立つわけです。タイムダラーの展開の仕方は、地域にあった形を取ればいいのです。工夫一つで楽しい活動にできるのです。

 グループがスタートしても、なるべく頻繁に会員同士が集まって、食事会やお茶会をし、話し合うことが必要です。顔の見える信頼関係を築くために、できるだけ多くの集いを持ちましょう。タイムダラーの精神を理解し、親睦を図ることが大切なのです。



A運営の経費
 
 会を運営するためには、最低限の経費が必要になります。電話代、通信費、会議費やサービスを提供する側の交通費、ガソリン代などです。寄付金や助成金などによって資金があれば問題はないのですが、普通は資金なしで始めることになります。

 会の活動が社会に認められ、また法人格を持って活動を始めるようになれば、色々な資金集めも可能になります。小グループでの活動では、まずは、会費で運営を始めましょう。組織が大きくなれば、積極的な資金集めが必要になってきます。また、そうしないとサービスの拡大は図れません。

 小さなグループから始める場合、事務所を構えたり、専用の電話を設けたりする必要はありません。中心の世話役が自宅でコーディネーターをつとめ、自宅の電話を使って役目を果たします。人数が多くなれば、地区ごとにグループ分けをしてそれぞれにリーダーをおいて活動を進める方法もあります。会員には、タイムダラーの考え方をよく理解してもらうことが必要です。そのためには、小さなグループでいつも話し合いができることが大切です。名簿上だけの会員が多くならないためです。

 運営を担当する拠点、つまり事務局は、連絡やコーディネーターのために電話代、郵便代などの経費が必要です。会報をつくったり、会員研修の資料づくりなどの費用も必要です。最初は、最低限の必要経費は個人の負担でやって行けますが、会の運営を特定の個人負担だけで済ましていては、長続きしません。継続的に活動を行い、誰がやっても続けられる会にするには、経済的に自立する仕組みが必要です。費用づくりのためには、会費、企業や個人の賛助会費、寄付、助成金や、自主事業などがあります。話し合いの中で、必要な経費を検討し、まず会費で自主的活動を支え、活動が拡大するのに沿って財政的にも拡大させましょう。

B自立した組織にしましょう

 最初に理念をしっかり持ち、安心して楽しく暮らせる地域づくりという未来像を実現するためのきっかけづくりがタイムダラーです。そのためには、行政や企業の支援も必要ですが、自立した組織でなくてはなりません。安易に助成金や補助金を当てにすると、行政や企業の下請け団体になる危険性もあります。

 また、補助金や助成金が無くなったので活動が停止するというのでは、理念を実現することはできません。行政や企業とは、それぞれの役割を認めながら、理念の違いをはっきりさせ、お互いに対等なパートナーシップ(協働)を組みましょう。そして、活動を始めて半年後、1年後といった時期にそれまでの活動の自己評価をしましょう。うまくいった点、反省点をはっきりさせ、それ以後の活動を勇気を持って修正していきましょう。

9.活動を評価しましょう。
サービスのメニューの見直し、貯まった点数の使い方、活発な交換を促すための方法など、定期的に集まって自分達の活動を評価し合いましょう。

 サービスのメニューの見直し、貯まった点数の使い方、活発な交換を促すための方法など、定期的に集まって、自分達の活動を評価しましょう。
「ゆうゆうヘルプ・波方」では、開始後、1年間会員の間で交換されたメニューを元に、サービスメニューの見直しをしています。貯まった点数の使い方は、自分達の地域にふさわしい方法を考えてみてください。

 活動の評価をする際、会員間でのサービスの交換時間を基準にすることもできますが、それよりも、時間はかかりますが、会員間で聞き取り調査をしてみましょう。数値で表すよりも、「タイムダラーを始めて、嬉しかった経験」「自分が変わった点、地域が変わった点」など話し合うことが大切です。

 イギリスのタイムダラー「フェア・シェアーズ」では、会員間の聞き取り調査で1年後の感想として、次の事柄を挙げています。

○お隣同士の助け合いが復活した 
○地域が安心して住める場所になった 
○健康増進につながった 
○異世代間での相互扶助が生まれた 
○高齢者が活動的になった 
○身体・知的障害者との連携が生まれた 
○介護者の休息につながった 
○世代間の理解が深まった 
○地域の大学や企業の理解や参加が始った 
○環境浄化につながった 
○麻薬中毒者のリハビリになった

 会員間の信頼を高めるためにも、定期的に懇親会を持ち、さまざまな意見を交し合うことが大切です。きっと、新しい展開、次の可能性につなげる事ができます。

10.基本ステップに関するQ&A


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