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タイムダラー

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埋もれているパワーを地域づくりの資源に

[2007年10月02日(Tue)]
 「タイムダラー」の思想が日本に上陸して6年、愛媛県の離島、関前村でパイロット・プログラムが始まって早いもので4年がたちました。そんな中、私たちタイムダラー・ネットワーク・ジャパンも今年の7月、特定非営利活動法人への設立認証の申請を受理され、新たな気持ちでスタートラインに立っています。
 
 「地域で埋もれているパワーを、地域づくりの資源として活用する、オルタナティブな社会を創れないものだろうか」こんな考えのもと、米国ワシントンDC在住の弁護士であり、市民活動家のエドガー・カーン博士が1980年の初めに考案した「タイムダラー」は米国、日本、英国と世界の各地で育ってきています。
 
 タイムダラーは、助け合いのサービス1時間を1点と定め、お互いの能力と時間を会員の間で交換する新しい形の互助システムですが、「地域だけで使える通貨(LOCAL CURRENCY)と呼んだ方がいいね」と、カーン博士はいいます。「相互扶助の活動によって、地域にあるヒト、モノ資源を再認識する事ができる。そして、お互いが助け合うことによって生まれるエネルギーが地域の活性化につながる。点数を貯めるだけでは市場は活性化しない。会員間で使える楽しいメニューをお互いに考え出し、活発に交換する事で、将来のために貯めなくても、安心して暮らす事のできる地域づくりにつながるんだよ」と、カーン博士は、アドバイスをしてくれます。

 「NPO(非営利活動団体)のリーダーは起業家と同じよ。常にアンテナを張りめぐらし、革新的な事業を起こしていかないと」と、タイムダラーの相談役として、全米を駆けめぐっているアナ・ミヤレスさんは言います。最近ではタイムダラーのシステムを取り入れながら、さまざまな事業を行政に提案し、企画・運営をしています。その1つに、低所得者の人たちが、生活保護に頼らないで、自立できるための養成プログラムがあります。公営住宅の住民のためのレジデント・カレッジと呼ばれ、コンピュータの技能訓練、小さなお店を経営するためのクラス、スクールバス運転免許獲得講座など、住民の埋もれている能力を引き出しながら、再就職のためのプログラムを提供しています。参加者は、授業1時間につき、タイムダラー・通貨を1点もらえます。この通貨で、フード・スタンプなど生活に必要なものを"買う"事ができるのです。自立への第一歩です。このプログラムを企画・運営するタイムダラー事務局には、行政から補助金が出、クラスで使用するコンピュータは、IBMから提供されています。産・官・民がネットワークを組み、タイムダラー手法でマネジメントしている革新的な事業なのです。
 
 ところで、関前村で死ぬまで豊かな"いま"を重ねて生きていきたい、そして、「安心して楽しく老いる村づくり」のお手伝いをしたいという「だんだん」の会長・美藤美智子さんは、「4年かかってお互いの信頼が深まり、土壌づくりができました。そろそろ在宅介護のお手伝いなどもしていこうと計画しています」と語っています。
 
 このテキストには、タイムダラーの仕組み、進め方などステップ・バイ・ステップで載せてあります。今後、タイムダラーをそれぞれの地域で始めたい方々の一助となり、地域にふさわしいさまざまな事業が創造されることを願っております。

タイムダラー・ネットワーク・ジャパン  ヘロン久保田雅子


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