
日本人記者射殺 2[2010年04月13日(Tue)]
前回の「日本人記者射殺(1)」では、犯人は政府軍側とは限らず、タクシン派(赤シャツ隊)のデモ隊や、別の何者かによるテロ、スパイ破壊活動等の可能性もあるとか書いた。その後の報道を見るに、そんな私の疑いを裏付ける?ような情報も届き始めた。
殺害された記者が最期に撮影した映像には、かなり強力な武器で政府側兵士が攻撃される場面があり、デモ隊側が素人的でない武装を持つ事もわかる。デモ隊側が政府軍より銃(M16等)を奪っていたと、映像入りで報じられてもいる。
また、倒れた記者のビデオカメラがデモ隊側に拾われた(押収された)後に返還されたため、映像に記者が銃撃された直近の場面が残っているのか不明との事。単にデモ隊側にいた所を兵士に撃たれたのかもしれないが、消された最後の部分にデモ隊側に不利な映像があった、という可能性すらある。撮影されたくない者が排除した、脅しで撃った弾が当たったといった推測も成り立つ。真偽は別だが。
テロ等の可能性も指摘され始めた。タイのテレビでは、黒服?らしき者たちが、デモ隊排除の混乱の中で射撃する映像が流れている。熱帯で、葬式以外は上半身にクロは着ないタイでは滅多に見ない服の色だから、余計に異様に映り、目立つ。軍でも黒の制服は特殊部隊(レインジャー)等に限られるようだが。その暴徒?が装備する銃は、以前ここでもとりあげた自動小銃「カラシニコフ銃」との報道もある。元は第二次大戦中のドイツ軍の「突撃銃」だが、ソ連がコピーし自分の発明品のように宣伝、大量生産し、共産圏に広まった。米軍が開発したタイ軍装備のM16等とは一般的に出どころが違う。中国やラオス、ベトナム等の共産国がタイの周辺に多く存在する。デモの混乱に付け込むテロや共産スパイの破壊活動の話は現実味を帯びている。逆に、それを狙った偽装や、単なるウソや間違いという可能性もある。政府はそんな疑いを強調しているようだが、それが日本人記者殺害に直接関係するかどうかなども、現時点では分からない。
このような情報が入り始めたため、事件の真相解明が難しくなったと感じる。単純な兵士の銃撃による射殺だった可能性も依然として消えないが・・・。
また、例のごとく日本のマスコミでは、説明不足だったり、いい加減なコメントも出始めている。
テレビ朝日のニュース番組では、現在のタイの政権は選挙で選ばれたものではないので不満がある、とかいう内容のコメントがあったが、私の記憶が正しければ、現在の新憲法発布後に選挙があったはず。選挙で第一党となったタクシン側の政党が不正問題で解散を命じられた為に棚ボタ的に(タイの)民主党中心の現政権となったが、日本の一般人は、例えば軍事クーデター後の元軍人を首班とする暫定政権のままで、それに不満が高まっている、とか思うかもしれない。選挙はあったのだから、反タクシン派まで含めたタイの世論全体が政府に強い不満を持っているのではなく、選挙で勝ったはずなのに解散を命じられたタクシン派が不満を持っている、とか説明してやるべきだろうに。小さな言葉の違いにしか聞こえないかもしれないが、タイを良く知らない者が大半の日本では、受け取られ方がズレかねない。
同じ番組の現地員の報告では「タイ軍は嫌悪されている」といったコメントすらあったが、中国系政治家等の腐敗した政治・行政が嫌われるタイでは「王室と軍隊こそタイのもの」という気分が強く、軍は恐れられても嫌われているかどうか。
かつては政権が行き詰まるごとに、軍のクーデターが密かに待望されてきた国だった。私は、「タイでは優秀な子供は軍人か僧侶になりたがる(行政やビジネス界ではなく)」と表現した事がある。タクシンを追い出したのはタイ軍だし、軍が嫌いとは、軍と対峙するデモ隊(タクシン派・赤シャツ隊)の中での話ではないのか。それを左翼的なテレ朝の記者が「日本でのように、タイでも軍が嫌われている」と、日本的な左翼ヅレした考えでゆがめて報じた可能性もある。反共の王国タイでは、日本では右翼的とされた考えが常識で、日本で常識とされる考えは左翼的な異常なものとされかねない。それを分からないか伝えないかなのだろう。
この件でも、左翼思想が常識であるかのように言う日本のマスコミの言の偏った部分には振り回されないよう注意したいものだ。
殺害された記者が最期に撮影した映像には、かなり強力な武器で政府側兵士が攻撃される場面があり、デモ隊側が素人的でない武装を持つ事もわかる。デモ隊側が政府軍より銃(M16等)を奪っていたと、映像入りで報じられてもいる。
また、倒れた記者のビデオカメラがデモ隊側に拾われた(押収された)後に返還されたため、映像に記者が銃撃された直近の場面が残っているのか不明との事。単にデモ隊側にいた所を兵士に撃たれたのかもしれないが、消された最後の部分にデモ隊側に不利な映像があった、という可能性すらある。撮影されたくない者が排除した、脅しで撃った弾が当たったといった推測も成り立つ。真偽は別だが。
テロ等の可能性も指摘され始めた。タイのテレビでは、黒服?らしき者たちが、デモ隊排除の混乱の中で射撃する映像が流れている。熱帯で、葬式以外は上半身にクロは着ないタイでは滅多に見ない服の色だから、余計に異様に映り、目立つ。軍でも黒の制服は特殊部隊(レインジャー)等に限られるようだが。その暴徒?が装備する銃は、以前ここでもとりあげた自動小銃「カラシニコフ銃」との報道もある。元は第二次大戦中のドイツ軍の「突撃銃」だが、ソ連がコピーし自分の発明品のように宣伝、大量生産し、共産圏に広まった。米軍が開発したタイ軍装備のM16等とは一般的に出どころが違う。中国やラオス、ベトナム等の共産国がタイの周辺に多く存在する。デモの混乱に付け込むテロや共産スパイの破壊活動の話は現実味を帯びている。逆に、それを狙った偽装や、単なるウソや間違いという可能性もある。政府はそんな疑いを強調しているようだが、それが日本人記者殺害に直接関係するかどうかなども、現時点では分からない。
このような情報が入り始めたため、事件の真相解明が難しくなったと感じる。単純な兵士の銃撃による射殺だった可能性も依然として消えないが・・・。
また、例のごとく日本のマスコミでは、説明不足だったり、いい加減なコメントも出始めている。
テレビ朝日のニュース番組では、現在のタイの政権は選挙で選ばれたものではないので不満がある、とかいう内容のコメントがあったが、私の記憶が正しければ、現在の新憲法発布後に選挙があったはず。選挙で第一党となったタクシン側の政党が不正問題で解散を命じられた為に棚ボタ的に(タイの)民主党中心の現政権となったが、日本の一般人は、例えば軍事クーデター後の元軍人を首班とする暫定政権のままで、それに不満が高まっている、とか思うかもしれない。選挙はあったのだから、反タクシン派まで含めたタイの世論全体が政府に強い不満を持っているのではなく、選挙で勝ったはずなのに解散を命じられたタクシン派が不満を持っている、とか説明してやるべきだろうに。小さな言葉の違いにしか聞こえないかもしれないが、タイを良く知らない者が大半の日本では、受け取られ方がズレかねない。
同じ番組の現地員の報告では「タイ軍は嫌悪されている」といったコメントすらあったが、中国系政治家等の腐敗した政治・行政が嫌われるタイでは「王室と軍隊こそタイのもの」という気分が強く、軍は恐れられても嫌われているかどうか。
かつては政権が行き詰まるごとに、軍のクーデターが密かに待望されてきた国だった。私は、「タイでは優秀な子供は軍人か僧侶になりたがる(行政やビジネス界ではなく)」と表現した事がある。タクシンを追い出したのはタイ軍だし、軍が嫌いとは、軍と対峙するデモ隊(タクシン派・赤シャツ隊)の中での話ではないのか。それを左翼的なテレ朝の記者が「日本でのように、タイでも軍が嫌われている」と、日本的な左翼ヅレした考えでゆがめて報じた可能性もある。反共の王国タイでは、日本では右翼的とされた考えが常識で、日本で常識とされる考えは左翼的な異常なものとされかねない。それを分からないか伝えないかなのだろう。
この件でも、左翼思想が常識であるかのように言う日本のマスコミの言の偏った部分には振り回されないよう注意したいものだ。