CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« ズミイヌイ島の攻防 ー小島が黒海の要衝に 日本列島南洋島嶼部小型地対艦ミサイル大量装備による対中防衛の重要参考例ー | Main | NATOと旧ソ連軍等の武器の違い ーカラシニコフ銃等の例 弾丸が違えば別の武器ー »
<< 2022年06月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
まいける東山
中国の腐敗と天罰 (05/21)
最新トラックバック
渡河作戦失敗で露軍大損害 ー米国製榴弾(りゅうだん)砲で露軍戦車隊撃退?の説明不足ー[2022年05月16日(Mon)]
東ウクライナの戦いでロシア軍戦車部隊が川を渡ろうとして失敗、5百人規模の兵を失ったと報じられる。これは戦術大隊の半分に相当する人数だ。通る予定の橋が破壊され渡河隊が右往左往して大損害を受け撤退と。破壊された橋や川沿いの多数の露軍車輌の残骸等の映像もあり情報の確度は高いとされる。
 私にはT34関連文章に「ドイツ重戦車タイガーは重量制限で渡れない橋があり渡河用に潜水機能を持った」と書き入れた直後の露軍渡河作戦失敗報道だから余計に印象的だが、関連報道でシロウトTV屋などが「米国供与の155_榴弾砲で露軍戦車隊撃退」とか疑問のある表現を使うので、少々修正したい。「榴弾砲も使った」なら良いと思うが。

●追記(2022/05/26)ー高度情報システムでミサイルと榴弾砲を協同?ー
 やはりウクライナ軍は西側提供の先進情報システムを使っているようだ。「兵器のタクシー配車サービス」とか言われるモノとか。衛星やドローン等で空から観た戦場の情報を総合化し分析、目標の攻撃に周辺のどの兵器が最適か瞬時に判断し伝達し攻撃させると。従来は最低20分要した作業を2分に短縮とか。露軍が最も不得意として苦戦する「戦場での総合調整や統括」を自動的に完璧にやってくれる訳だ。コレを使い、例えば榴弾砲で橋を落とし道路や周辺を叩いた後、逃げる戦車や装甲車等の個々の細かい目標は前線のジャベリン等で攻撃したとか推測する。       ・・・・・追記終わり

 あくまで「榴弾(りゅうだん)砲」は砲弾炸裂の破片等により周囲の敵を制圧する大砲で、戦車の直接攻撃用の「対戦車砲」ではない。前線(戦闘の現場)が見えない後方から遠距離砲撃する役割で、対戦車戦闘は普通はやらない。最近は榴弾砲の砲弾にすらGPS機能が付き、敵の位置情報にも基づき誤差2〜3mの精度で命中させるそうだが、それでも個々の戦車や装甲車を直接に細かく正確に狙うタイプではないのだ。誤差2〜3mでは戦車を外すし、ましてやジャベリンミサイルのように戦車の弱点を正確に狙うのは無理だし。
 榴弾は装甲車両に乗る部隊には効果薄のハズ。そのための装甲板だ。横から飛んでくる砲弾(榴弾)の破片の大半は厚さ1p程度の装甲板でも防げるから、第二次大戦期の装甲兵員輸送車や装甲車には薄い装甲板で兵の周囲を覆うだけで屋根がないものも多く、雨風はシートで防いだ。ドイツ軍の自走砲も同様だったが、最近の自走砲は露軍含め回転式砲塔に大砲を収めるのでシロウト目には戦車に見えるようだ。

●追記(2022/05/29) ー沖縄戦での米軍の近接信管砲弾使用ー
 通常の砲撃では砲弾の破片は横から来るので直撃以外は窪地等に伏せれば助かるが、沖縄戦で米軍は「近接信管(マジックフューズ)」砲弾を使い地面に着弾する前に爆発させ空から破片をばらまき、逃げる民間人を多数虐殺した話が最近ヨウヤク伝わった。日米戦・太平洋戦争前半で米軍の最大の脅威だった日本の飛行機の攻撃から米艦船を守るため開発された信管で、電波を発射し目標(飛行機等)が砲弾に最接近と判断した瞬間に爆発し破片をばらまく。従来型の指定時間で爆発するだけの信管の砲弾より効果がズッと大で、米艦の12.7p(5インチ)砲など飛行機を撃つ高射砲の砲弾として多用された。大戦後半期には日本の神風特攻機の撃退に有効だったが、それを米海軍は艦砲射撃で沖縄の民間人にも大量に使用。従来「狂信的ジャップ兵が手榴弾集団自決を住民に強要」とされた場面の一部が米軍の近接信管砲弾の空中爆発による避難民集団虐殺で、米軍はコレを知りながら手榴弾(手投げ爆弾)自決にスリカエた可能性もある。砲弾が1トン近い戦艦の主砲(16インチ砲等)による無差別砲撃と並び沖縄の米軍の残虐行為の例か。これも榴弾の爆発形態(効果)に関する話だ。    ・・・・・追記終わり

 戦車部隊が味方の陣地に近づく場合は「阻止砲撃」として榴弾砲でも迎え撃つが、戦車随伴の徒歩の歩兵や後続の普通のトラック等の装甲板を持たない目標の制圧を主に狙う。あくまで戦車を直接に攻撃するのは専用の対戦車兵器だ。アニメ「エヴァンゲリオン」映画版では敵(シト)に乗っ取られたエヴァンゲリオン(巨大な人間型兵器)に対し自衛隊?が阻止砲撃する話になっており、笑った。「怪物相手でも既存の戦い方を踏襲する人間の愚かさ」を表現し、同時に、既述の対戦車ライフルを模した「対巨人ライフル」と似て現実の戦いの言葉に似せてリアル感を得るためか。
 このように、榴弾砲は効果薄なのだ、装甲板を持つ敵には。だが、戦車を守る戦車随伴歩兵が身を露呈すれば榴弾砲や機関銃でやられるから、敵陣ギリギリまで随伴歩兵を守り運ぶ「装甲兵員輸送車」が必要になる。第二次大戦期のソ連軍にはホトンドそれが無くタンクデサントの悲惨や暴虐も生まれた。現在のロシア軍は装甲兵員輸送車も、戦車と装甲兵員輸送車の両方の要素を持つ進化型の「歩兵戦闘車」も多数保有し、榴弾砲の破片だけで戦車を先頭とする戦術大隊等を壊滅させるのは通常は難しい。
 確かに榴弾砲は今回の露軍渡河部隊全体の動きを大きく鈍らせ得たろうし、予め橋に狙いを付けた榴弾砲が渡河直前に橋を破壊したと推測も出来る、仕掛け爆薬でなく。橋の破壊で川に落下したり周辺で泥に足を取られた露軍車輌もあったろう。だが、やはり周辺で動きが取れなくなった個々のロシア軍車輌を直接攻撃で破壊したのはジャベリンや攻撃用ドローンや対戦車砲など、前線まで進出した対戦車兵器が主ではと思うのだ。

 ウクライナ軍に供与される米軍の「155_榴弾砲」の「M777」は戦車と共通の車台に乗せる戦車のような「自走砲」ではなく、戦場での機動力は劣るが、砲の単体?だから自走砲より軽量で海外にも輸送しやすいと。大量(戦場で打ち続ければスグ切れる量だが)の砲弾も共に送る。155_(6インチ)砲は昔の陸軍の分類なら「重砲」で威力が大きく、最近は更に改良され30`以上の射程距離と。これが正しいなら第二次大戦当時の大艦巨砲の海軍の最大級の船、国家の命運をかけると言われたゴク一部の主力艦・戦艦の主砲(口径14インチ〜18インチ)に匹敵する射程だ。しかもGPS機能付き砲弾では「鬼に金棒」だろう。

 だが、それでも、榴弾砲と対戦車砲は異なる。貴重な榴弾砲は地上の敵に直接に襲われる恐れの低い戦場の後方にあって、敵の位置情報に基づき砲の向きや角度を調整し、攻撃目標地域全体を弾丸の破片や爆風で「面」として制圧する。「点」である個々の戦車等の車輌は後方からは直接には狙わない、狙えない。タマタマ戦車にも榴弾(炸裂弾)が当たって炎上させたり、軽量の装甲車程度ならタマタマ横転等させるかも知れないが、隊列の道路の通過中等を直接照準で集中的に狙わなければ確率は低く、通常ならソンな結果は期待しない方が良い。今回の渡河作戦では、例えば橋を落とされ道路上で渋滞したロシア車輌隊列を道路の位置情報に基づきホボ正確に榴弾で打つ事も出来たかも知れない、露軍車輌が道からそれて逃げるまでの短時間でも。だがヤハリ、榴弾砲の狙いの付け方はあくまで「間接照準(しょうじゅん)」で、昔は観測者が空(着弾観測機、気球等)や高台(偵察隊等)から見ていないとドコに弾が飛んでいるか直接には確認できなかった。今は砲弾のGPSで着弾位置が分かるが、そこに本当に敵が居るか等は衛星や偵察ドローンの映像でも見ないと分からない。ウクライナ戦の特徴で、今回もそんな情報が利用できた可能性はあるが、やはり榴弾砲の使用法は目標を直接見て狙いを付ける「直接照準」の対戦車砲とは大きく違うのだ。
 前線の陣地(対戦車陣地)等で戦車を待ち伏せ攻撃などで破壊する兵器である「対戦車砲」は直接に戦車を狙うから文字通りの「直接照準」。榴弾砲とは用途からして違うのだ。155_榴弾砲を川の周囲に配備し露軍渡河部隊を待ち伏せしていれば対戦車砲的に使った可能性はあるが、そんな前線にまで出ればセッカク供与された貴重な155_砲を破壊される危険も増すし、元からソンナ使い方をする兵器ではない。だから「米国供与の榴弾砲が渡河作戦の露軍戦車隊を破壊」とは疑問のある表現だ。露軍渡河部隊全体の動きを強く抑え、渡河直前に重要目標である橋を破壊して露軍の侵攻の意図をくじいたという橋の砲撃を榴弾砲が行い、続いて道路上で渋滞して森林などに退避前のロシア戦車部隊の隊列を破壊した可能性はあるが。

 ソ連軍戦車のT34に関して「T34等の露軍戦車への対抗で独軍は戦車砲を強化」と書いたが、実例として既存の戦車の短砲身の75_砲を長砲身の75_砲に換えた話を挙げた。当該のW(4)号戦車は、戦前のドイツ戦車部隊の計画段階では大型の支援戦車で、155_砲と同じ榴弾(りゅうだん)の破片で敵陣地や敵部隊を制圧し、小口径の対戦車砲を装備する主力のV(3)号戦車を助ける脇役になるはずだった。V号戦車の大砲は当時の対戦車砲の37_砲や50_砲なのに対し、短砲身だが大口径の75_砲でなら発射速度が遅くとも大きな炸裂弾(榴弾)を発射できたから。だが、T34と戦うなら砲身が長くて弾丸の発射速度が高い威力のある対戦車砲が必要となり、大型支援戦車の予定のW号戦車がドイツの主力戦車になったのだ。
 逆に、主力戦車になるはずだったV号戦車はモハヤ車体が小さくて十分な大きさの大砲の砲塔は搭載できなくなったが、V号戦車とホボ共通の車体に直接に砲塔無しで長砲身75_砲を搭載したV号突撃砲が同じくドイツ戦車隊の主力の一つとなった。砲塔無しなら1ランク大型の大砲が無理なく装備できたのだが、元はV号突撃砲も歩兵に随伴し元のW号戦車と同じく短砲身の75_砲で榴弾を発射し歩兵を支援する役で、歩兵隊の装備(突撃兵とは歩兵の美化した呼び方とか)。突撃砲とは「歩兵部隊支援砲車」程度の意味か。しかし武装強化したV号突撃砲は戦車隊の一翼を担った。W号戦車と似て開発当初の目的とは違って。代用品の無砲塔戦車とか評する向きもあろうが、砲塔が無い分、製造は容易で姿勢も低く防御上も有利で待ち伏せ攻撃に適し、守勢に回った大戦後半のドイツ軍には合っており、古い設計思想のママだがコりすぎて生産性が悪いドイツ戦車の決定的欠陥も幾分かは緩和できた。
 そんな対戦車兵器の極端な例が、重力に逆らって高空を狙う88_高射砲を対戦車砲に転用し切り札として使った事だろう。それを装備したからタイガー重戦車はソ連の戦車隊から怖れられたのだ、ドイツ戦車らしく生産性は最悪だったが。

●追記(2022/05/29) ー戦後の北欧の無砲塔戦車ー
 最近NATO加盟で騒がれる北欧の二つの元・中立国の一つスウェーデンは戦後1960年代に無砲塔戦車「Strv.103」を主力として大量導入。しかも大砲を直接車体に固定し砲の動きは車体全体で調整する完全な無砲塔型で、砲が上下左右に少しは動かせたドイツのV号突撃砲や類似のソ連軍の戦車より構造簡素化や低姿勢化を徹底、「起伏に富むスウェーデンの防衛用、待ち伏せ攻撃等に適した形態」とされた。第二次大戦後半の守勢に回ったドイツ軍にスウェーデンの状況が似るのは確かだ。この戦車は田宮模型の最安プラモデルシリーズに入っており大昔に私も買ったので触れておく。
 だが、いくら祖国の地形に適した国内専守防衛用の待ち伏せ型の戦車でも、通常なら補助役的な個性的すぎる戦車を主力にし続けるには無理があり、後継主力戦車にはドイツの砲塔のある戦車を導入した。しかし今回のウクライナ戦争だ。スウェーデンNATO加盟による負担を伴う本格的軍備増強に際し再び類似形態戦車採用の可能性はあろう、「凝り過ぎ病」のドイツ軍すら生産容易な無砲塔のV号突撃砲も主力の一部としたように。これは完成度が低くても状況に合う兵器が多数必要なのが有事・戦争という私の持論にも沿う。この無砲塔戦車に関する話は、日本も大いに参考にすべきだ。   ・・・・・追記終わり


 このように、「米軍供与の榴弾砲で露軍撃退」とかのTV屋の一言の中にも裏や誤りが含まれる。日本のTVは反日国の手先だらけだから如何なる危険な大ウソを紛れ込ますか分からない。そうでなくともTV屋が卒業する日本の大学の文科系、特に大人数手抜き教育の象徴の社会科学系学部には問題が多い。私もタマタマ戦車等の知識があったから良いが、本来は私も海軍系のはず。とにかくチマタの情報には気をつけるべき。TVは情報源としては便利でも絶対にソレ以上に真に受けてはならない。それに、この文章も上記の追記の後の結論部の文書が消えてしまった。私のミスか意図的妨害か。イヤだ、イヤだ・・・。
この記事のURL
https://blog.canpan.info/thaikingdom/archive/4243
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
プロフィール

高橋洋一さんの画像
リンク集
https://blog.canpan.info/thaikingdom/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/thaikingdom/index2_0.xml