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ヘリ空母の増強は? ーF35B運用の必須条件ー[2019年06月07日(Fri)]
私が望んできた垂直離着陸型F35・Bタイプの導入と搭載に対応するヘリ空母の改造の話が実現と聞いて、私は素直に喜べない旨を書いたが、本当にそうだった。あの小さな官邸に籠もる軽率幼稚な安倍政権の決定では、ということだったが、具体的には、必要な措置を何も執らずにタダ単にヘリ空母にF35・Bタイプを乗せるという乱暴な話だからだ。

 私はF35Bの導入のみならず、関連する話を「中国オカラ空母」や「北朝鮮核ミサイル危機」等に関しても書いてきた。
 あくまでF35Bの空母搭載化は南洋諸島防衛の選択肢拡大のためで、それでもウソだらけの中国オカラ空母などよりはズッと優れていようし、南洋諸島防衛の強い意思を示すことも出来る。だが、決して米国のような本格的な空母機動部隊を目指すのではないし、本格的空母機動部隊ではカネがかかるし巡航ミサイル等の時代には時代遅れとも書いた。
 やや具体的には、F35を本格的に運用するには、最初からF35Bを搭載するための更に大型の空母2隻程度の建造や、簡便な双胴船形式等のヘリを乗せるため(だけ)の空母を別に造るなどの内容を書いたはずだ。何らかの形で、それらが必要だからだが、現時点ではそのような話は聞かない。
 F35に限らず、ジャット機はヘリよりズッと燃料を食う。しかも垂直離着陸型は高度の機能のために更に燃料を使う。例えば、斜めのジャンプ台からでなく本当に垂直に離陸すれば、それでだけで燃料の相当部分を使ってしまう。そんなF35をのせて長期に渡り満足に運用するには空母の燃料タンクや武器庫等も巨大になり、ヘリの分のキャパシティーを大きく喰ってしまうそうだ。しかもオイルタンクを守る重たい装甲等も空母には必要だ。
 そのような理由もあってだろう。同じくF35Bタイプやオスプレー等を載せる米国の海兵隊の強襲揚陸艦(ワスプ等、形は空母)は外見の形や大きさは近いが基準排水量が「かが」「いずも」の2倍以上の4万トンだ。半分の重さしかない日本のヘリ空母に類似の装備をすると、ヘリは何処に行けば良いのか。

 国際情勢の変化で南洋諸島防衛(奪回)作戦の必要が生じたとは言え、いまだに日本の自衛隊(この場合は海上自衛隊)の任務ではシーレーン(海上交通路)防衛等での対潜水艦作戦が極めて大きな比重を占める。第一の任務と言っても良いかもしれない。旧ソ連の潜水艦だけでなく、中国の潜水艦に対しても。当然、そこでは護衛艦に積む対潜ヘリが決定的に重要で、ヘリは減らせない。
 最近の4隻の自衛隊のヘリ空母の建造は多くの護衛艦に分散搭載して広い海域をカバーしていた多くのヘリを集約し合理化するものでもあり、決して中国的に政治的デモンストレーションの弱者(東南アジア諸国等)へのカライバリに使う大型艦を持つことが目的ではなく、ましてやF35のためでもなかった。背景にはソ連崩壊による防衛予算削減圧力だけでなく、極めて高価な最新電子装備のイージス艦を限られた予算の中で保有するためもあったようだ。
 そんな予算節約の努力の結果でもあろうヘリ空母を改造してヘリ搭載用の能力を減らすだけで代わりのヘリ搭載艦を造らないのは大問題。だが、そんな対策は全く聞かないのだ、海自の予算増額まで含めた。


 さて、どうするのか。あべの坊やに出来るのかね、あんなちっぽけな官邸で。しかも、国際的な神の加護の望める6月30日までにとくれば・・・。
 
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