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限界の先には。[2008年10月11日(Sat)]



彼の家で準備を済ませ、
ランニングシューズを履いて外に出ると、
空では、細切れになったいくつかの雲に、
真っ赤な夕焼けが鮮やかに映し出されていた。




ふたりでしばし感動した後、
ストレッチをしながらこれからの計画について話し、
“ Y君 ” の心の準備ができたところで、
長距離走の練習を開始した。


 ( Y君の球蹴り教室 → こちら ) 




12月の中旬に行われる、
ロードレース大会に向けての練習をこの日からスタート。
ランニングなどの運動を何ヶ月もしていない “ Y君 ” は、
まだ身体が長距離を走れる状態になっていないところ。
気持ちは前に走っても、身体が前に走れない感じ。




ということでこの日は、
オレが “ Y君 ” の前を走り、
そのスピードについてきて、という内容に。
目的は、「身体の限界」の壁を壊すことと、
彼が設定してしまってる「心の限界」の壁を壊すこと。




スタート直後は、
昨年のロードレースの話などをしていた “ Y君 ” も、
あっという間に無口になり、聞こえてくるのは激しい呼吸のみ。
とにかく足を前に出すこと、それを続け、
結局、「21分59秒」のタイムでゴールイン。
昨年のベストよりは、まだ50秒も遅いタイム。




でも、動く歩道を降りたときのように、
ゴール直後、止まれないで、
かなりの時間、自動的に歩いてしまってたので、
ひとまず最初の壁を “ Y君 ” は壊したんじゃないかな、と。








 「 もうね、ほんーーーっとに疲れた!!! 」








5分ほどして、
ようやく言葉を発することができた “ Y君 ” 、
おそろしく実感のこもったその感想の後に、
一瞬、穏やかな表情になって、こんな言葉を。








 「 でもさ、人間ってそうやって感じられるからいいね。 」








雲は雲でもちろん綺麗なんだけど、
真っ赤な夕焼けがそこに映し出されたりすると、
思わず誰かに話したいほど感動しちゃうんだよねぇ。












 『 人間というのは、

   動けば動くほど生き生きしてくるものです。

   動くということは、まさに生命の証です。 』



            プロ麻雀師(20年間無敗)・桜井章一






ホームグランドには。[2008年09月20日(Sat)]



都営団地と小さな公園を結ぶ「通路」。
幅はわずか3〜4メートルくらい、片側に集会所、
逆側には背丈の低い木が植えられてるその「通路」が、
僕と“ Y君 ”のホームグランド。

 ( Y君の球蹴り教室 → こちら )








目標回数を決めた縄跳びとボールタッチを終え、
うちらはその通路で向かい合ってボールを蹴っていました。
空では、太陽が夜に向かう合図を出していました。




こうしてボールを蹴り合うようになって、はや5年近く。
最初の頃はボールに足が当たらないなんてこともあったのに、
今じゃいろんな強さのキックをしてくるようになった。
足の裏でボールを止めるようにもなった。変化していった。
でも変わらないのは、サッカーボール。古びた4号球のまま。
お母さんが綺麗な5号球を買っても、使うのは毎回この古びたボール。




あと半年で高校生になる“ Y君 ”、
家族と相談して2つの養護学校まで候補を絞ったそう。
きっと、初めて大きな「選択」をする場面なんだと思います。






 「 友達が欲しいんだぁ・・・・・ 」






その“ Y君 ”の言葉に、
僕は彼にとってどんな存在なんだろうと考えました。
そして、彼は僕にとってどんな存在なんだろう、とも。




友達じゃないのは確かだと思う。
それは彼も思ってるはず。そう思った瞬間、
ひどく切ない感情が襲ってきたけど、すぐに思い直しました。
友達という言葉が当てはまらなくたって、
大事な存在であることは確かだよねって思えたから。








「通路」でサッカーボールを蹴ってると、
背丈の低い木の陰から何かが飛び出してきました。
そして慌てるようにして、再び猛ダッシュで木の陰へ。
ボールを蹴るたびに続く、登場→退散→登場→退散の光景。




その正体は、モノトーン色した仔猫。




うちらのホームグランドには、仲間がいました。












 『 真昼のふくろう 

   目をむいて 何も見られない

   待ちなさい 君の夜が来る 必ず 』


                     詩人・高銀






募る想い。[2007年12月14日(Fri)]



凍てつく寒さの夜、
ジャージ姿で体操をする32歳男子&14歳男子。
気づけば4年近くやっているY君の球蹴り教室です。




前回の日記でも書いたように、
ここ最近はふたりで球を蹴っぽっることはなく、
もっぱら、RUN!RUN!RUN!
12月20日に中学校内で行われる、
ロードレース大会に向けての練習をしています。




約2ヶ月前から始めた、
俺との練習と学校での練習のタイムを書いてきた
その記録用紙(スーパーの広告の裏)は、
もうスペースがないほどにびっしりと埋められ。




それを眺めるY君の目は、
これまでの思い出と大会への想像から
そりゃもう、キラキラ王子です。








 「ねえ、有坂さん、
  ここまで本当にいっぱい練習してきたよね。」






 「だからね、
  ロードレース本番がすっごく楽しみなんだ。
  でもいくら待ち遠しいと思ってても、
  その日が早く来ることはないんだよね。
  ああ、本当に早く走りたいなー。」








運動が苦手で嫌いだったY君から、
そんなポジティブな言葉が聴けてマジで感動・・・・・。




もしかしたら、
ロードレース本番は彼が生まれて初めて
「本気で結果を望んでる」舞台なのかもしれません。
そのために、計画を立てて、ツライ練習をしてきて。




だからこそ、
どっちの結果になったとしても
「喜び」や「悲しみ」の感情が大きくやってくるはず。




楽しみだ〜。




心を動かされるそんな「経験」こそが、
Y君を本当の意味での大人にしていくんだろうから。




始まりはいつでも、こんな小さな舞台から。












 『人生はあえて挑戦するほうが充実する。』


              サッカー元日本代表監督・オシム







現在地。[2007年11月02日(Fri)]



中学生の時期というのは、
些細で些細じゃない問題が多々巻き起こる、
ドラマチックな時期であるような気がします。




俺のその時期はというと、
ひたすらサッカーをやってたマルコメ純朴少年、
という非常によろしいイメージでだったのですが、
十数年後、母親に当時のことを聞いてみると
「反抗期サイコー!」な感じだったそう。
見事にイメージ先行型となっていました。




なんて恥ずかしい自己分析だったんだ。
己を知ることはいつだって難しく、ショックを伴う。
自分に高評価を下しては、冷や水を浴びせられる。
そして、そこから自分の現在地を思い知っては再び歩き出す。
「クルリンパ」のみで歩き続ける“竜ちゃん”はただ素晴らしい。




水曜日の夕刻から行われたY君の球蹴り教室
そのネーミングに反して今は長距離走の特訓中。
12月に行われるロードレースに向けてです。




家から中学校までの往復走。
ちょうど1ヶ月前に走ったタイムは「22分50秒」。
それからの俺との週1回、学校での週3回の
トレーニングの成果がどれくらいでてるのか。
この日は往復走のタイムを計ってみることにしました。




ストレッチを終えた、スタート直前のY君。






 「うわ、緊張するな・・・」






久しぶりに引き締まった顔を見ました。










というのは夏休みのY君、
プレイステーションだけでなく、
テレビ埼玉の「キテレツ大百科」にも夢中。
見事なまでの運動不足と共に、
顔から精悍さが失われていたからです。
表情は静かに物語っているのであーる。




そして、1ヶ月ちょっと前。




学校のマラソン大会で、
今まで負けたことのない同じクラスの子に
大差をつけられて負けてしまったのです。
その子は毎日毎日走っていたそう。
走る動機がひとつでき、こうして練習を始めたのです。










走り始めたY君。
ここ最近にない体の動きのスムーズさ。
体を前に出してるのではなく、体から出てる感じ。
そしてもうひとつの大きな変化。
それは、無駄話をしないで走ってること。
集中してるのでリズム感が出てきてます。




そのスピードに乗った走りに、
併走してる俺の心は喜び、体は悲しみ。
「逆よりはいいんだ」と言い聞かせること、
それ以外の自分自身を納得させる術を
持ち合わせていない、残念な俺。




ラストスパートで煽って、トップスピードでゴール。




タイムは、「22分4秒」。




46秒の更新!
やってくれました。
本人はそのタイムを見てびっくり。






 「1か月前と違って、
  今日は走ってて楽だったんだあ。
  やっぱり練習の成果って出るんだね。」






家に帰ったY君、
手洗いとこの日の記録を記入を済ませ、夕食。






 「おばあちゃんが作る
  カツカレーってやっぱ美味しいね!」
  





久しぶりに反抗期モードじゃない、
あまりに可愛すぎる素直なY君が見れました。














 『逆境こそ、成長のチャンス。』


         カーデザイナー・奥山清行









挑戦のお返し。[2007年06月05日(Tue)]


親に対して「なんっだよ!」が口ぐせ、
ただ今、反抗期真っ只中の中学2年生、
Y君の球蹴り教室がありました。


運動自体が苦手だった数年前と違い、
水泳やマラソンなども少しずつ出来るようになり、
運動へのコンプレックスもなくなってきた最近。


こりゃ、そろそろだ。
ある一つの提案をしました。




  「Yさ、今日はまず、
   なわとびの最高記録つくってみようよ。」




これまでは
最初にサッカーをやって、
最後に自分で目標設定をしてなわとび、
というのが基本的な流れ。
そして、前跳びの最高記録は137回。




  「うん、そうしようか。
   じゃあ、140回いけばいいんだね。」




さらっと口にした、この言葉。
しかし・・・・・Y君の悪夢の始まり始まり。






目標の140回どころか、
80回にも到達せず、
失敗、失敗、ありゃまた失敗。


次第に苛立ち、雄叫びを上げ、
場所のせいにして、ふらふらと。
回数も30回すらいかなくなってしまいました。




  「今日このまま、
   なわとびだけで終わっちゃったりしてね。」




再チャレンジするも、結果は同じ。
失敗、失敗、失敗、失敗。
Y君の体全体からエネルギーが消えてしまいました。




  「なんだか、クリアする自信がないや。」




ベンチに座って、
今までのサッカーのことや走りの話をしました。
するとY君は何かを思い出したかのように立ち上がり、




  「もうちょっとやってみていい?」




と言い、再びチャレンジを始めました。
53回、78回と依然失敗が続き、
そして、3回目のチャレンジ。


体力のないY君。
いつもは100回を越えてくると
体がいっぱいいっぱいになって終わるのですが、
この時は限界が近づいた瞬間に、
ポジティブな雄叫びを上げ気持ちが復活。


ついにクリア。
回数は、なんと196回。




  「やった〜〜〜!!!」




終了5分前。55分間で挑戦結実。




  「じつはあの話の後、
   心の中で200回跳ぼうって決めたんだ。」




最高記録というY君にとっては、遠いゴール。
それを200回というもっと遠いゴールを設定して、
137回を意識の中で通過点へと変えていたのです。


俺はあの時、
ちっともそんな話はしていませんでした。
Y君が今までのいろんな経験から、
その発想法を引っ張り出してきたのです。


50回以上続いた失敗。
そのぶん大きかった彼の笑顔。
これだから人の成長はたまんない。


どーもありがとう。






 『戦っていれば、負けないのです。』


                 作家・坂口安吾