「福徳岡ノ場」に新島出現 [2021年08月18日(Wed)]
8月17日の読売新聞が小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」が噴火して新島が確認されたと報じているのを見て急いで海上保安庁海洋情報部のプレスリリースを覗いてみた。
すると、8月15日に航空機により観測を実施したところ、「福徳岡ノ場」に新島(直径約1qの馬蹄形)の存在を確認した、噴火は継続しており、付近には噴出した軽石等の浮遊物の存在も確認された、新島の出現は1986年以来35年ぶり、とある。(8月16日発表) 私も太平洋上の火山活動には関心を持ってフォローしてきており、南硫黄島の北北東約5qにある福徳岡ノ場の活動についても本ブログで取り上げているので、新島出現の確認は嬉しいニュースである。 https://blog.canpan.info/terashima/archive/217 参照 さらに、本日(8月17日)は、8月16日の航空機による観測結果として、新島の形状が直径約1qの( )型(かっこ型)に変化したこと、浮遊物は蛇行しながら西北西方向に断続的に約100q(最大幅約13km)まで達していたことを報じている。 福徳岡ノ場では過去3回にわたって噴火により新島が出現したが、残念ながらいずれもしばらくして海没している。航空機観測に同乗している東京工業大学の野上健治教授も「新島の大部分は、軽石や火山灰が堆積したものであると考えられ、波浪で縮小する可能性が高い。」とコメントしているので新島が存続できるかどうか楽観は許されない。 しかし、野上教授は、同時に、「噴気活動のある新島の中心部は海面上に達している可能性がある。」ともコメントしている。この新島が波浪で削られて縮小はしてもその一部が海面上に存続する可能性に期待したい。 海上保安庁の実施する調査の結果は、随時、同庁海洋情報部HPの「海域火山データベース:福徳岡ノ場」で公開されるので、「福徳岡ノ場」の新島の今後の動向に関心のある皆さんには新島のその時々の写真が載る次のWeb をときどき覗いてみることをお奨めします。 https://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/kaiikiDB/kaiyo24-2.htm |
Posted by
寺島紘士
at 00:40