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IPCC海洋・雪氷圏特別報告書 [2019年10月18日(Fri)]
10月15日(火)、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)海洋・雪氷圏特別報告書(SROCC)公表記念シンポジウム」が笹川平和財団海洋政策研究所主催、環境省共催で開催された。

去る9月20‐24日にモナコで気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第51回総会が開催され、「海洋・雪氷圏特別報告書(SROCC)」の政策決定者向け要約が承認され、報告書本編が受諾された。海洋に焦点を当てたIPCCの特別報告書はこれが初めてで、その内容に関係者の関心が集まっているところに、いいタイミングでこのSROCC公表記念シンポジウムが開催された。

このシンポジウムは、SROCCの作成を主導したIPCC共同議長をはじめSROCCの執筆に携わった国内外の専門家を招いてSROCCにおいて示された最新の科学的知見をわかり易く解説してもらい、最新の科学を政策にどのように活用しうるかについて議論をしてもらうという大変興味深い内容なので勇んで参加した。

シンポジウムは、笹川平和財団海洋政策研究所の角南篤所長と、外務省の塚田玉樹地球規模課題審議官の開会挨拶で始まった。

これに続いて、IPCC第2作業部会共同議長のHans-Otto Portner氏(アルフレッド・ウェグナー研究所総合生態生理学センター長)が「The Ocean and Cryosphere in a Changing Climate」というタイトルで、北極域における変化、海水面の上昇、海洋の温暖化、酸性化、海洋熱波などの変化、海洋生物の影響、それらへの対応などについて基調講演を行った。

その後、SROCCの執筆に携わった次の5人がそれぞれの分担分野について講演を行った。

榎本浩之 国立極地研究所副所長(第1章主要執筆者)
平林由希子 芝浦工業大学工学部教授(第2章主要執筆者)
蔡榕碩 中華人民共和国自然資源部第三海洋研究所副主任/教授(第4章主要執筆者)
須賀利雄 東北大学大学院理学研究科教授(第5章主要執筆者)
Raden Dwi Susanto メリーランド大学大気海洋科学部主任研究員(第6章主要執筆者)

基調講演を含めてこれらの講演の内容については、ここで取り上げて紹介するのは難しいので省略するが、大変参考になる内容で、その中でも須賀教授が、台風は、海面水温が26〜27℃以上になると発達するが、10月の日本列島の南の海水温が平年より1〜2℃高かく26〜27℃になっていた、そのため先般襲来した超大型台風19号は日本をすっぽりと覆い、大雨を降らせ、大きな被害をもたらした、日本周辺の海域では世界平均の2倍のスピードで昇温しているので、今後もこの傾向が続くと思われる、と述べたのが、特に強く印象に残った。

休憩の後は、海洋研究開発機構の白山義久特任参事がモデレータを務め、基調講演、講演を行った6人と環境省地球環境局総務課の吉川圭子脱炭素イノベーション研究調査室長及び笹川平和財団海洋政策研究所の前川美湖主任研究員がパネリストとなり、パネルディスカッションが行われた。

最初に吉川さん、前川さんが発表を行い、その後パネルディスカッションとなったが、モデレータの白山さんが海洋・雪氷圏特別報告書に関するポイントを押さえてパネリストにそれぞれ質問してディスカッションを巧みにリードしたので、聴いていて参考になった。

海洋・雪氷圏特別報告書(SROCC)で示された最新の科学的知見を今後政策にどのように活用していくかが席上でも課題として取り上げられたが、全く同感である。多くの人々に、この報告書の内容を共有してもらって、それを踏まえていかに政策を推進していくかを考えてもらいたい。

席上、笹川平和財団からこのシンポジウムの後「IPCC海洋・雪氷圏特別報告書を受けた10の提言」を記者発表することが紹介され、新たな動きが既に始まっていることを実感した。

12月にチリのサンティアゴで開催される気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)は海洋・雪氷圏に着目した「ブルーCOP」となるという。そこでの議論や成果にも注目していきたい。

気候変動と海洋に関心のある方は、次の笹川平和財団海洋政策研究所、環境省等の発表資料をご覧ください。

笹川平和財団海洋政策研究所【参加報告】気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「海洋・雪氷圏に関する特別報告書(SROCC)」採択
https://www.spf.org/opri/news/20190926.html


環境省発表
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「海洋・雪氷圏特別報告書」の公表(第51総会の結果)について
https://www.env.go.jp/press/107242.html

政策決定者向け要約(SPM)の概要(ヘッドラインステートメント)
https://www.env.go.jp/press/files/jp/112419.pdf
Posted by 寺島紘士 at 02:28
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