漁業・養殖業生産量の推移を見て思う [2018年04月27日(Fri)]
農林水産省が、4月26日に平成29年の漁業・養殖業生産量を発表した。
それによれば、平成29年の漁業・養殖業の生産量は、430万4,000tで、前年に比べて5万5,000t (1.3%)減少している。 内訳をみると、海面漁業の漁獲量は、325万7,700tで、マイワシ等が増加したものの、他の漁獲で減少したことから、前年比5.900t(0.2%)減少。 海面養殖業の収穫量は、98万4,600tで、前年比4万7,900t (4.6%)減少。内水面漁業・養殖業の生産量は、6万2,081tで、サケ類の漁獲が減少したことから、前年比1,054t (1.7%)減少している。 近年、持続可能な水準を超える過剰な漁獲が問題になっているので、さらに、平成20年までさかのぼって生産量の推移を見てみた。すると海面漁業の生産量は、平成20年 437万3000t、平成25年 371万5,000tと減少し続け、平成29年には 325万8,000tにまで落ち込んでいる。 わが国では、TAC(漁獲可能量)制度を用いて漁業資源を管理しているが、このような状況を見ると、持続可能な漁業資源の管理のためにさらに踏み込んだ管理が必要という声に説得力がある。 |
Posted by
寺島紘士
at 23:02
2016年漁業・養殖業生産量についての感想、同感です。
200㌋漁業規制で遠洋漁業の生産量が落ち込んだり、マイワシの漁獲が落ち込んだ結果、全体の漁獲量が減少した時期がありましたが、それ以降も日本の漁業・養殖生産量は残念ながら「持続的」に減少を続けています。一過性ではなく、構造的な問題があるとしか言えません。残念なことは、当事者が積極的に対応しないことです。病人に例えれば、重篤な状態です。原因がわかっていながら、患部を切除せずに痛み止めの薬を処方するのみで、患者は徐々に衰弱している状況です。一刻も早く手術が必要です。