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秋田県八峰町の海の二ツ森・真瀬川・白神山地訪問(1) [2009年11月01日(Sun)]
海洋政策研究財団が、本年度から3カ年計画で「森川海の一体的管理に関する調査研究」を開始したことは、2009年5月3日の本ブログで紹介した。本年度は、全国20ほどの河川流域を取り上げて、研究員が手分けをして調査に出かけている。

10月25-27日の3日間、その一環として秋田県山本郡八峰町の真瀬川流域に出かけた。一行は、遠藤、小牧両研究員、エノックさんと私の4人である。
そもそも私が真瀬川流域に関心を持ったのは、「持続可能な発展のための日本協議会JCSD」事務局長の黒坂三和子さんから「森川海の一体的管理の調査研究」の話を聞いたバードライフ・インターナショナル副会長の市田則孝さんが旧八森町の工藤英美さん(NPO法人白神ネイチャー協会会長)たちが行っている取組みを紹介してくれたことがきっかけである。

工藤さんたちは、白神山地の周辺部にブナ等の広葉樹を植栽してブナの森づくりを行って、森から良質な水を供給することにより、地域のシンボルであるハタハタ等の魚介類の生息しやすい海の環境づくりに取組んでいる。

今回は、工藤さんのご案内で真瀬川流域と八峰町の日本海沿岸域を見て回るとともに、八峰町役場、秋田県山本地域振興局等を訪問して調査を行なった。

出張計画を立ててみて、白神山地のふもとにある八峰町に陸路でいくのは相当時間がかかることがわかり、空路で羽田空港から大館能代空港に飛んだ。羽田を10月25日16時10分に発って大館能代にスケジュールどおり17時10分に着いた。工藤さんが空港まで出迎えに出てくれていて恐縮した。工藤さんのお話では、飛行機は遅れることが多く、予定通り着いたのはむしろ珍しいとのことであった。

空港から宿のある能代市まで車で小1時間走った。もう暗くなっていてあたりの様子が見えないが、地図を見ると空港は内陸の山側にあり、そこから海に向かって走ってきたようである。
ホテルについて、工藤さんから真瀬川流域や沿岸域の様子を聞き、明日以降のスケジュール・訪問先について打ち合わせを行った。

翌26日は、午前中八峰町役場を訪問した。旧八森町と旧峰浜町が2006年に合併し、両町村の境に新たに二階建ての新庁舎を建設したとのことで、中に入ると木のいい香りがした。通された2階の会議室の窓からの白神山地の眺望はなかなかのものだった。

先ず八峰町の加藤和夫町長にお会いして、当財団の森川海の一体的管理や沿岸域の総合的管理の調査研究について説明し、あわせて八峰町が真瀬川流域や沿岸域における総合的管理の取組みにご関心があるのであれば、当財団も協力していきたいとこちらの考えを表明した。加藤町長もこちらの話に関心を持っていただいたようで、いろいろな点について具体的な質問をされた。

当財団が、森川海の研究および総合的沿岸域管理の研究の双方で、地域と協力してモデル的な取り組みの研究を計画している来年度にむけて、八峰町との協力の可能性を引き続き検討していくことになった。

これまでいくつかの市町村を訪れて地域行政のトップである市町村長にお会いして流域や沿岸域の総合的管理の必要性を説明しているが、今回の加藤さんのように関心を持って話を聞いていただけるケースが多いのは大変心強い。森川海の一体的管理や沿岸域の総合的管理のモデル的取り組みを推進し、それらの良き実践例を橋頭堡にして、総合的管理の制度的取組みを促進していきたいと考えている。

公務でお忙しい加藤町長が退席した後、引き続き、真瀬川漁業協同組合の日沼正清組合長および八峰町建設課の石上義久係長に、漁協の活動や真瀬川の利用・管理の状況、沿岸域の状況、さらにはそれらの問題点や課題などについて詳しく話を聞いた。具体的なことがだんだん判ってきて大いに参考になった。

26日の午後は、工藤さんに案内していただいて、先ず沿岸域を見て回った。工藤さんのお宅のある浜田のあたりは海岸が砂浜であるが、そこから北に向かっていき、泊川を過ぎると磯に変わっていく。途中で立ち寄った下椿漁港は、半分砂に埋もれていた。数年前から砂が港内に溜まりはじめ、今では年2回浚渫しなければならないが、とても経済的に負担できないという。能代で海に出る一級河川の米代川から出る砂の流れが沖合への人工礁の設置により変わったせいではないかと工藤さんは言っていた。

真瀬川の河口は、予想よりこじんまりしていた。その沖に「二ツ森」という呼ばれるハタハタの漁場がある。ハタハタは、なぜか秋田県北部沖の大陸斜面から真瀬川河口を目指して産卵にやってくるという。12月の新月から1週間ハタハタ漁が解禁になるそのときは、この一帯は大変な人出で混みあうとのこと。
河口陸側に架かっている橋の上から下を覗くと、鮭が泳いでいるのが見えた。ここで淡水に体を慣らしてから川を遡上するのだという。

河口にほど近い八森漁港本港の入り口から「二ツ森」の方を覗いた後、今度は真瀬川を遡って「ぶなっこランド」までいった。そこは白神山地の入り口で、インフォメーションセンターがあり、様々な体験施設がある。白神ネイチャー協会の事務所もここにある。工藤さんにきのこを栽培しているところや真瀬川など、その一帯を案内していただいた。真瀬川渓谷周辺一帯は八森岩館県立自然公園に指定されている。ちょうど紅葉の季節で,あたり一面が紅、黄、黄緑などで彩られていてきれいだった。(続く)

Posted by 寺島紘士 at 23:09
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