2月の海洋政策関係会議等 [2025年03月02日(Sun)]
季節は春へと着実に進行している。ほぼ連日散歩している近くの江古田の森公園ではこの1月余の間に河津桜や沈丁花、フクジュソウ、菜の花などが咲き出して今や春の花盛りである。
 (河津桜 3月2日撮影)
さて、私が関わった2月の海洋政策関係会議等は次の通り。(敬称略)
2月10日(月) ○「海の蕎麦会」 於 江古田の「長寿庵」 大塚万紗子さんの上京に合わせて窪川さん等とともに開催
2月18日(火) ○中国研究所×笹川平和財団共催シンポジウム 「2025年の世界と日中米関係」第2回 戦後80年と歴史言説/歴史戦 笹川平和財団ビル国際会議場、又はオンライン配信
<開会 趣旨説明> 川島 真 東京大学大学院総合文化研究科教授、中国研究所常務理事
<講演> 江藤名保子 学習院大学法学部教授 宮本 悟 聖学院大学政治経済学部教授 河西陽平 中曽根平和研究所研究員
<パネルディスカッション> 江藤名保子 宮本 悟 河西陽平
<質疑応答> <閉会>
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江古田の森の冬から春へ [2025年02月17日(Mon)]
国際機関「ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC-UNESCO)」からの求人メール [2025年02月13日(Thu)]
一昨日夕にユネスコ政府間海洋学委員会(IOC-UNESCO)からIOCにおける仕事とトレーニングに関する案内「The latest employment and engagement opportunities from UNESCO’s International Oceanographic Commission」のメールが届いた。
IOCは、名前の冒頭に「ユネスコ」とついているが、機能的には独立して科学の面から海洋に取り組んでいる国連機関で、海洋観測・調査・地域協力の推進、全球海洋観測システム(GOOS)構築の推進、国際海洋データ・情報交換システムの運用、津波早期警戒システムの構築、教育・研修・能力開発・技術移転の推進等に取り組んでいる。さらに、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年(2021-2030)」の実施計画を策定し、同計画の実施を主導している。 IOCは、海洋ガバナンスの様々な取り組みにも海洋科学の分野から積極的に参画して推進している重要な国際機関である。
現在そのIOC議長を東京大学大気海洋研究所の道田豊教授がつとめていることは本ブログでも紹介したところである。
道田 豊教授がIOC-UNESCO議長に [2023年07月03日(Mon)] https://blog.canpan.info/terashima/archive/2091
さて、このところそのIOCから、仕事の内容はその時々で違うが、冒頭に記した題名で仕事案内メールが頻繁に送られてくる。 今回届いたメールを見て、これは海洋の問題に国際的な場で取り組むことに関心と意欲のある皆さんに海の国際機関として活躍しているIOCでも働く機会があることを知っていただくには良いかなと感じたのでその内容を記すと次の通り。
「EMPLOYMENT OPPORTUNITIES」 Consultant to act as Operations Officer(Ocean Decade) Deadline: 12 February 2025
Web Developer for Ocean Literacy Portal Deadline: 17 February 2025
IWLEARN Communications and Knowledge Management Specialist Deadline: 17 February 2025
「TRAINING OPPORTUNITIES」 *UNESCO-IOC Tsunami Ready self-paced course (17 January- 15 December 2025) * UNESCO-IOC Tsunami Awareness self-paced course (20 January- 15 December 2025) * UNESCO-IOC Tsunami Ready Recognition Programme: Regional Training Workshop for ASEAN Member States (11-13 February 2025, Indonesia) * Coastal Observing and Modeling for Prediction and Assessment to Support resilient Systems in the Philippines [COMPASS – Philippines] (24 February- 7 March 2025) * Workshop on Tsunami Evacuation Maps, Plans, and Procedures and UNESCO-IOC Tsunami Ready Recognition Programme (9-20 March 2025) * Co-Design for the Ocean Decade (self-paced course)(continuous basis)
これにより海の国際機関であるIOCがこまめに仕事・トレーニング等について情報を提供して人材を募っているのが見えてきた。
そして、海洋ガバナンスの取り組みに海洋科学の分野から積極的に参画して推進している重要な国際機関のIOCがその活動に必要な人材をこのような方法で集めていることに感心した。 そのオープンな求人の方法に敬意を表するとともに、日本からも海洋ガバナンスの取り組みに重要な役割を果たしているIOCの求人に応募して海洋科学の分野で活躍する人が出てくることを期待したい。
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2025年1月の海洋政策関係会議等 [2025年01月31日(Fri)]
年が明けてしばらくは海洋政策関係会議等もなく静かに過ごしていたが、1月下旬になるとまた海洋政策関係の会議等が動き出してきて充実した日々を過ごした。
私が関わった1月の海洋政策関係会議等は次の通り。(敬称略)
1月23日(木) ○「第7回天然循環水とNBS研究会」 一般社団法人生態系総合研究所 オンライン Microsoft Teams
<議題> 1 2024年度第6回会合(「森林の機能と整備・保全について」林野庁小坂善太郎次長)議事録の採択 2 「農業分野におけるEBS/生態系をベースとした解決策」FAO土地・水資源局、土地・水資源担当官、Amani Alfarra博士 3 質疑応答と総合討論
○「虎ノ門会」 北大路新橋茶寮汐留シティセンター店
1月24日(金) ○「ICUS懇談会」 (一社)平和政策研究所 テーマ『異常気象の仕組みと地球温暖化との関係―将来の地球と日本―』 発題者:中村 尚 (東京大学先端科学技術研究センター教授) 於 アルカディア市ヶ谷(私学会館)
2023年夏の記録的猛暑をもたらした要因等を解析して異常気象の仕組みと地球温暖化との関係をを詳しく解き明かした中村教授の発表は大変聞きごたえがあって勉強になった。
1月29日(水)―1月31日(金) ○「Offshore Tech Japan 海洋産業技術展 2025」 『SIP第3期「海洋安全保障プラットホームの構築」海洋鉱物資源開発と海洋環境が調和する社会実装に向けた挑戦』 東京ビッグサイト 東1ホール
関連セミナー(東1ホール ステージB) 1/29 基調講演「わが国の海洋政策について」 内閣府総合海洋政策推進事務局 参事官 金子忠利 1/31 SIPテーマリーダーによる出展者プレゼンテーション ・「高度海洋環境・状況調査に資するAUV開発−SIPでの開発状況−」 海洋技術安全研究所 研究統括監 藤原敏文 ・「海洋の持続的利用に求められる環境モニタリング−生物多様性とネイチャーポジティブ−」 海洋研究開発機構 特任上席研究員 山本啓之
31日に東京ビッグサイトまで出かけて展示を見、セミナーを聴講した。水深6000m対応の自立型無人機(AUV)「しんりゅう6000」、フリーフォール型海底観測装置「江戸っ子1号」、最先端の環境モニタリング装置などの展示を見、AUV開発や環境モニタリングについての発表を聞いて、SIP第3期が2年目まででもう大きな成果を上げていることを実感した。
1月30日(木) ○「令和6年度海洋情報部研究成果発表会/水路新技術発表会」 主催 海上保安庁海洋情報部 共催 (一社)日本水路協会 オンライン参加
<開会挨拶> 海洋情報部長 藤田雅之 <基調講演> 「学術研究船白鳳丸による能登半島地震緊急調査」 東京大学大気海洋研究所 山口飛鳥 <研究成果発表> ・[業務紹介]海上保安庁による防災・災害対応調査 沿岸調査課長 森下泰成 ・能登半島地震発生直後の緊急調査について 沿岸調査課 橋本崇史 ・能登半島周辺海域の海底地形調査によって明らかになった海底地すべりの痕跡 技術・国際課 南 宏樹 ・能登半島北岸断層帯における海底地形調査 海上保安大学校 石川直史 ・令和6年能登半島地震の津波による海底での津波堆積物の検知 海上保安大学校 川村紀子
<ポスター発表・会場展示>
<閉会挨拶> 技術・国際課長 冨山新一
都合がつかず止むをえずオンラインで参加したが、なかなか良い発表会だった。ポスター発表や会場展示が十分見られなくて残念だったが。
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12月の海洋政策関係会議等 [2025年01月11日(Sat)]
例年のことではあるが年の暮れの12月はいろいろなことがあって結構忙しく過ごした。その中で私が関わった12月の海洋政策関係会議等は次の通り。(敬称略)
12月5日(金) ○「WS海底ケーブルの科学利用と関連技術に関する将来展望 第7回」 主 催:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター 協 賛:東京大学地震研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人防災科学技術研究所、IEEE/OES Japan Chapter、日本船舶海洋工学会、海洋調査技術学会、海洋音響学会、海洋理工学会、東京大学海洋アライアンス、海中海底工学フォーラム・ZERO 会場:東京大学生産技術研究所
<開催のあいさつ> 実行委員長、川口勝義 <KEYNOTE> 1)Observing the oceans and Earth with submarine cables with a look toward the future、University of Hawaii、Bruce HOWE <講演> 2) スマートセンシングケーブル 〜我が国初の大規模な水中音常時監視システム、早稲田大学、赤松友成 3) 国際ケーブル保護委員会(ICPC)のホットトピックについて、KDDI(株)黒田浩之 4) 量子暗号通信の紹介と海底光ファイバー通信への応用、NECアドバンスドネットワーク研究所、前田和佳子 5) 令和6年能登半島地震と海底ケーブル故障、KDDIケーブルシップ(株)、藤原 空 6) 南海トラフ地震の新たな観測の窓〜南海トラフ海底地震津波観測網(Nnet)完成間近〜、1防災科学技術研究所、2東京大学地震研究所、武田哲也1、三好崇之1、青井 真1、功刀 卓1、篠原雅尚1,2、植平賢司1、望月将志1 7) DONET等の観測データを用いた津波監視システム、中部電力技術開発本部原子力安全技術研究所、久住隆夫 8) 海底光ケーブルによる津波観測から見えてきた今後の方向性と課題、海洋研究開発機構、利根川貴志 9) 海底掘削孔内光ファイバーによる南海トラフ巨大地震発生帯のモニタリング、海洋研究開発機構、荒木英一郎 <協賛学会特別行事> IEEE OES Japan Chapter Young Researcher Award2024表彰式等 <閉会のあいさつ> 防災科学技術研究所、高橋成実
12月17日(火) ○第11回海洋安全保障シンポジウム「我が国の海洋安全保障の未来―海洋状況把握(MDA)の課題―」 主催:笹川平和財団海洋政策研究所・水交会
<開会挨拶> 河野克俊 水交会理事長(元統合幕僚長) <基調講演> 江川 宏 海上自衛隊幹部学校長 <パネルディスカッション> (パネリスト) 落合 健 いであ株式会社外洋調査事業本部上席研究員(元海上自衛隊幹部候補生学校副校長) 高屋繁樹 笹川平和財団海洋政策研究所特任部長(元水産庁資源管理部漁業取締課長) 後潟桂太郎 海上自衛隊幹部学校防衛戦略教育研究部主任研究開発官 桜林美佐 防衛問題研究家 (モデレーター) 河上康博 笹川平和財団安全保障研究グループ長兼主任研究員(元防衛大学校国防論教育室長兼教授) <閉会挨拶> 角南 篤 笹川平和財団理事長兼海洋政策研究所長
12月18日(水) ○ 国際シンポジウム「日本・北東アジアにおける持続可能な漁業の将来:日本の制度改革、地域漁業ガバナンス、海洋生物資源の管理の改善のための新たな機会」 組織委員会:阪口功(学習院大学),ネイサン・フェドリッツィ(ピュー・チャリタブル・トラスト),児矢野マリ(北海道大学),石井敦(東北大学),松井隆宏(東京海洋大学),大久保彩子(東海大学) 主催:ピュー・チャリタブル・トラスト ピュー海洋保全フェロー・プログラム 共催:北海道大学 大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター 後援:日本海洋政策学会 会場:東京海洋大学 品川キャンパス 楽水会館 メインホール、日本海洋政策学会員等はオンライン参加も可
(T) 開会挨拶 ネイサン・フェドリッツィ(Natan FEDRIZZI)(ピュー・チャリタブル・トラスト(The Pew Charitable Trusts)) 児矢野マリ(北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター) (II)パネル1 <日本における水産学と持続可能な漁業管理> (パネリスト) 「我が国の沖合底曳網漁業のプール制の経済評価」 阪井裕太郎(東京大学大学院農学生命科学研究科准教授) 石原広恵(東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授/ピュー海洋保全フェロー) 「社会的規範と共同体構造の関係性:日本漁業における実験経済学的アプローチ」 後藤潤(政策研究大学院大学講師) 松井隆宏(東京海洋大学学術研究院准教授) 「日本における資源評価と漁業データの収集システム:日本の漁業管理システムを持続的にするために必要なものは何か?」 岩田繁英(東京海洋大学学術研究院助教) (討論者) 松井隆宏(東京海洋大学学術研究院准教授) 市野川桃子(水産研究・教育機構 水産資源研究所 水産資源研究センター 漁業情報解析部 資源解析グループ グループ長) (モデレーター) 阪口功(学習院大学法学部教授) (III)パネル2 <日本の漁業法の課題と持続可能な漁業を推進するための政策> (パネリスト) 「資源管理の観点から見た日本の漁業法制度」 阪口功(学習院大学法学部教授) 島村健(京都大学大学院法学研究科教授) 「日本の違法漁業対策と法執行上の課題」 田中良弘(一橋大学大学院法学研究科教授;オンライン) 「日本の漁業資源管理における生態系アプローチと海洋保護区」 大久保彩子(東海大学人文学部准教授) (討論者) 猪又秀夫(東京海洋大学学術研究院教授) リュ・ジョンゴン(RYU Jeong Gon)(韓国水産会水産政策研究所(Policy Research Institute of Korea Fisheries Association)所長) (モデレーター) 石井敦(東北大学東北アジア研究センター准教授) (IV)パネル3 <北東アジアの地域漁業ガバナンス> (パネリスト) 「日韓における漁業資源の持続的管理に対する挑戦」 パク・ヨンキル(PARK Young Kil)(韓国海洋水産開発院(Korean Maritime Institute:KMI)) クォン・ナミ(権南希)(KWON Namee)(関西大学政策創造学部教授) 「北西太平洋における国際水産資源管理の諸課題と日本」 真田康弘(オーシャン・ガバナンス研究所研究員/学習院大学法学部客員研究員) (討論者) 濱田武士(北海学園大学経済学部教授;オンライン) クエンティン・ハニック(Quentin HANICH)(ウーロンゴン大学(University of Wollongong)オーストラリア国立海洋資源・安全保障センター(ANCORS)教授;オンライン) (モデレーター) 児矢野マリ(北海道大学大学院法学研究科教授) (V)閉会挨拶 阪口功(学習院大学法学部) ネイサン・フェドリッツィ(ピュー・チャリタブル・トラスト)
充実した国際シンポジウムなので期待していたが、あいにく当日はかかりつけ医の診察と重なってしまい、残念ながらきちんとした聴講ができなかった。
12月21日(土) ○「日本海洋政策学会第16回年次大会」 東京大学小柴ホール、オンライン(ウェビナー)併用 統一テーマ:『資源の利活用と海洋保全』 [司会]大会実行委員長 牧野光琢
<開会挨拶> 日本海洋政策学会 会長 坂元茂樹 <基調講演> 「最近の海洋政策の動き」高杉典弘 内閣府総合海洋政策推進事務局長 「EEZにおける洋上風力発電に関する沿岸国の立法と占用許可」来生 新 神奈川大学海とみなと研究所 上席研究員 <研究発表(その1)> 座長 加々美康彦(中部大学教授) (1)日本の多魚種漁獲漁業に対するUNCLOSに基づく魚種ごとの漁獲枠管理の適用可能性と課題:石川県漁業協同組合加賀支所を事例に 中村洸介(岩手大学) (2)水産業におけるジェンダー主流化:持続可能性への貢献と今後の水産政策への提言 松原 花(東京大学) (3)ニホンウナギの国際的な資源管理の現状と展望 武井良修(慶應義塾大学)
第16回定例総会 第33回定例理事会
<ポスターセッション> [1]重要海域における保護区及びその他の海域区分の設置状況の評価と有効な保全政策の検討 天野翔次郎(東京大学) [2]大型船舶を用いたマイクロプラスチックの定量的実態把握と政策形成への応用 岩部優斗(神戸大学) [3]新たなIUU漁業政策及び水産流通適正化法に関する期待と今後の課題 廣川登也(東京大学) [4]再エネ海域利用法に基づく洋上風力発電事業の地域性の検討 梶脇利彦(農林水産政策研究所) [5]わが国の海洋実質GDPの変遷:2000年から2020年までを対象に 田中 元(一般社団法人海洋産業研究・振興協会) [6]鳥羽市における「海のシリコンバレー構想」に基づく資源の利活用と保全について 佐藤達也(ざっこCLUB 代表) [7]オットセイ保護国際条約の再検討―1911〜1941― 高橋亮一(國學院大學) [8]省庁間連携に向けた海洋関連基本計画の分析(最終報告) 田島英知(水産研究・教育機構) [9]離島の排他的経済水域の漁獲活動からの経済価値の予備的推定:南鳥島を例として 吉野優輝(武蔵大学) [10]「Blue Policy Washing」という新概念の提唱と科学的評価枠組みの検討 朱 夢瑤(笹川平和財団海洋政策研究所) [11]Evidenced-based Policy Makingのための海洋経済活動推定の妥当性検討 石村学志(岩手大学)
<研究発表(その2)> 座長 河野真理子(早稲田大学教授) (4)What is the ocean we want? ―海に対する意識調査の国際比較分析― 法理樹里(農林水産省) (5)日本の北極政策の特徴と展望 木村 元(海洋研究開発機構) (6)領海における沿岸国保護権の法的性質 ―軍艦等に対する起草上の理解― 平野和男(防衛省海上幕僚監部) (7)世界遺産知床の自然保護と沿岸漁業者の携帯電話不感地帯解消の兼ね合い 松田裕之(横浜国立大学) <パネル・ディスカッション> テーマ『洋上風力発電の振興をめぐる論点と政策的課題』 モデレータ:高木 健(東京大学) パネリスト:来生 新(神奈川大学) 森田孝明(長崎県) 井上登紀子(東京海上日動火災保険) 山口健介(東京大学) <学生小論文 表彰式> <閉会挨拶> 日本海洋政策学会 副会長 道田 豊
今回の日本海洋政策学会の年次大会に出席して日本海洋政策学会の活動が若手研究者の参加を含めて実に充実してきているのを実感して、16年前の学会(設立当時は研究会)設立の時から今日までの歩みとその発展を強く感じて感激した。日本海洋政策学会については本ブログでもその設立当時からの歩みをカテゴリーアーカイブ「日本海洋政策学会」で取り上げているので覗いてみてください。 「日本海洋政策研究会」設立 [2008年12月09日(Tue)] https://blog.canpan.info/terashima/archive/35 等参照
12月27日(金) ○第6回天然循環水とNBS研究会 一般社団法人生態系総合研究所 オンライン Microsoft Teams <議題> ・2024年度第5回会合議事録の採択 ・「森林の機能と整備・保全について」林野庁小坂善太郎次長 ・質疑応答と総合討論
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信州で新しい年を迎える [2025年01月07日(Tue)]
江古田の森の秋から冬へ
[2024年12月24日(Tue)]
11月の海洋政策関係会議等 [2024年12月07日(Sat)]
季節の進行は速く、もう師走である。朝の最低気温は5℃以下となり冬の到来を体感している。 江古田の森の散歩も服装を冬ものに替えて季節の変化を楽しんでいる。
 <メタセコイア等の紅葉・黄葉 12月4日撮影>
11月、特に後半は、海洋に関する会議がいろいろあって充実した日々だった。 私が関わった11月の海洋政策関係会議等は次の通り。(敬称略)
11月4日(月) ○「シーガル会」 於 ホテル ルポール麹町 この会は今から50年近く前に旧運輸省海運局定期船課で共に働いた仲間の集まりである。10名ほど参加し、当時に戻って海のはなしを中心に和気あいあいで懇談した。
11月12日(火) ○「IPP政策研究会」 (一社)平和政策研究所 オンライン テーマ「地域経済を活性化するには ―地域経済循環に着目してー」 発題者:中村 良平(岡山大学特命教授)
11月16日(土) ○MOT40同期会 於 新橋 新橋亭
11月21日(木) ○海洋アライアンスシンポジウム「第19回 東京大学の海研究『辺境を行く』」 於 東京大学 農学部・弥生講堂一条ホール
[開会] ・開会挨拶 木村伸吾 (東京大学海洋アライアンス連携研究機構 機構長 大気海洋研究所 海洋生物資源部門 教授) ・趣旨説明 沖野郷子 (東京大学海洋アライアンス連携研究機構 副機構長 大気海洋研究所 海洋底科学部門 教授)
[第一部] 研究者辺境に行く ・「深海と超深海の境目はどこ」狩野泰則(東京大学 大気海洋研究所 准教授) ・「海底下の岩石圏生命の発見とそこから広がる可能性」鈴木庸平(東京大学 大学院理学系研究科 准教授) ・「深海でも生分解性プラスチックは微生物により分解されることを実証」岩田忠久(東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授) ・「変わりゆく北極海、海氷と海洋のダイナミズム」川口悠介(東京大学 大気海洋研究所 助教) ・「作ったロボットとともに南極海へ挑む」山縣広和(東京大学 生産技術研究所 特任研究員)
[第二部] 辺境に挑んだ先達の物語 ・「海を越えた最初の日本列島人 ―実験航海で探った3万年前の挑戦―」海部陽介(東京大学 総合研究博物館 教授) ・「世界史を拓くヴァイキングの船舶」小澤 実(立教大学 文学部 教授) ・「ポルトガル海上帝国とカフル人 ―「弥助」を端緒に−」岡美穂子(東京大学 史料編纂所 准教授) ・「オランダ東インド会社とモンスーンアジア:シナ海とインド洋を結んだアジア域内貿易」島田竜登(東京大学 大学院人文科学系研究科 准教授) [第三部] アライアンス学生海外インターンシップ報告 ・2023年度 国際海事機関(IMO)派遣 高畑彩(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 修士課程2年) ・2024年度 国連食糧農業機関(FAO)派遣 小川翔太郎(東京大学 大学院農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 博士課程1年)
[閉会] ・閉会挨拶 茅根 創(東京大学 大学院理学系研究科 教授)
今年の「東京大学の海研究」シンポジウムは、海洋におけるフロンティア精神を念頭に「辺境を行く」と題して実施され、深海、極地、海底、大航海といったキーワードが散りばめられ、研究成果の社会実装が求められる今日では薄れがちになった海洋の神秘性やロマン、そして冒険が感じられる内容だった。
11月22日(金) ○「天然循環水とNBS研究会」第5回会合 一般社団法人生態系総合研究所 オンライン Microsoft Teams <議題> ・2024年度第4回会合議事録の採択 ・「流域治水と生態系ネットワークについて」国土交通省水管理・国土保全局 河川環境課 小島優課長 ・質疑応答と総合討論 ・その他、2024年度会合の予定
○「海洋政策ブログ、400万pv突破のお祝い会」 https://blog.canpan.info/terashima/archive/2137 参照
11月25日(月) ○「(一社)MEL協議会第38回理事会」 於 大日本水産会大会議室 ・令和6年度上期事業報告及び財務状況について ・規程の改正について 等
11月27日(水) ○「第3回地球温暖化対策としてのメタン排出削減対策に関するセミナー」 (一社)フロン等温室効果ガスグローバル削減推進協議会(FRGA) TEAMS
・「開会挨拶」 及び 「メタン、フロン削減の重要性について セミナー第1部のまとめと今後の課題」 フロン等温室効果ガスグローバル削減推進協議会(FRGA)会長 笠井俊彦 ・「GWP20年値で見た世界の排出量」 フロン等温室効果ガスグローバル削減推進協議会(FRGA)個人会員 黒沢厚志 (一財)エネルギー総合工学研究所) ・「農林水産分野における地球温暖化対策」 ・特に「アジア諸国へのメタン対策指導がどのように進展しているか」 「国内メタン対策に向けたJ-クレジットの動向」 農林水産省大臣官房みどりの食料システム戦略グループ地球環境対策室 課長補佐 大島立大、課長補佐 宮田英明 ・質疑 ・「サステナビリティ情報開示におけるメタン排出量の扱いについて(Oil&Gasセクターを中心に)」 フロン等温室効果ガスグローバル削減推進協議会(FRGA)役員 巣山廣美 石油会社 サステナビリティ戦略室アドバイザー ・質疑等 モデレーター 笠井俊彦
11月29日(金) ○「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期『海洋安全保障プラットフォームの構築』2024年度報告会 〜海洋プログラムの進捗と社会実装に向けての挑戦〜」 於 飯野ビル
[オープニングセッション] 開会の辞 1.城内 実 衆議院議員 経済安全保障担当大臣 内閣府特命担当大臣 2.新藤義孝 衆議院議員 前経済再生担当大臣 3.黄川田仁志 衆議院議員 自由民主党 宇宙・海洋開発特別委員会 海洋総合戦略小委員会 事務局長 4.南部智一 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 政策参与・SIPプログラム統括 5.赤池誠章 衆議院議員 自由民主党 政務調査会 副会長 6.満岡次郎 (一社)日本経済団体連合会 海洋開発推進委員会 委員長 7.高杉典弘 総合海洋政策推進事務局 局長 8.大和裕幸 国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)理事長
[第1部 2024年度進捗状況及び今後の事業計画] ・「プログラム進捗概要」 プログラムディレクター 石井正一 ・テーマ1「レアアース生産技術の開発」 テーマリーダー 川村善久 ・テーマ2「海洋環境影響評価システムの開発」 テーマリーダー 山本啓之 ・テーマ3「海洋ロボティクス調査技術開発」 テーマリーダー 藤原敏文 ・テーマ4「海洋玄武岩CCS基礎調査研究」 テーマリーダー 稲垣史生 [休憩・ポスターセッション]
[第2部 社会実装に向けての挑戦] 1.「しんりゅう6000」が切り拓く沿岸域の海洋調査」 テーマ1−1レアアース探査ユニット 吉梅 剛 2.実海域水深1000mでのAUV・江戸っ子1号光通信データ転送 テーマ3テーマリーダー 藤原敏文 3.AUVと江戸っ子1号による環境モニタリング テーマ2テーマリーダー 山本啓之 4.拓洋第5海山の弾性波探査と海洋玄武岩CCSの展望 テーマ4テーマリーダー 稲垣史生 5.海洋プログラムの社会実装モデルについて プログラムディレクター 石井正一 6.質疑応答
[閉会挨拶] SIP「海洋安全保障プラットフォームの構築」サブプログラムディレクター 東 垣
[意見交換会]
私は、SIP第2期「革新的深海資源調査技術」のピアレビュー会議の主査を務めたので、社会実装に向けたこのSIP第3期『海洋安全保障プラットフォームの構築』の進展に期待をもってこの2024年度報告会に参加したが、取り組みが着実に進展している状況がわかって嬉しかった。
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海洋政策ブログ、400万pv突破のお祝い会 [2024年12月02日(Mon)]
内外の海洋に関する動きと取組みを追いかけて海洋に関心を持つ皆さんと共有することによりわが国の海洋政策の発展を目指して執筆掲載を始めた『海洋政策は今 寺島紘士ブログ』は、多くの皆さんに愛読されて、その累積アクセス数(=ページビュー(pv))がこの10月20日についに400万pvを突破したことは先日ブログでお知らせした。 そして、海洋の様々な動きや取り組みに関心を寄せて海洋政策ブログにアクセスして活用していただいている読者の皆さんに感謝し御礼申し上げた。
「海洋政策ブログのアクセス数、400万pvを突破」(2024.10.30)https://blog.canpan.info/terashima/archive/2134 参照
海洋政策ブログの執筆掲載をこの17年間続けてくることができたのは、皆さんが、新しく掲載したブログだけでなく、以前に掲載したブログにも関心をもって頻繁にアクセスしてくれたおかげでもある。それらの皆さんからのアクセス数が多いブログページなどを思い浮かべながら幸せな気分に浸っているとき、さらに嬉しい知らせが飛び込んできた。
海洋政策研究等の活動の中で知り合いブログの読者でもある識者の知人からのブログの400万pv突破のお祝い会をしようという嬉しい提案である。
喜んでお受けすると、その人がブログを愛読していて私もお馴染みの人たち10人ほどに声をかけて先日お祝い会を開いてくれたのである。 この集まりは、単に400万pv突破というだけでなく、ブログが果たしてきた海洋政策への貢献を祝い、海洋政策の過去と現在と未来を語り合う場として企画された。お祝い会は会費制だったので、私も400万pvは執筆者と読者の双方がいないと成立しないとへ理屈をこねて会費を受け取ってもらってお蕎麦屋で開催されたこの会に参加した。
お祝い会は、参加者が2つのテービルを囲んで座り、最初に挨拶、祝辞、乾杯があって食事となり、食事をしながら参加者が一言ずつ発言をし、それが済むと皆さんも次第にリラックスしてきて会話が弾み、少しお酒が入ると近くの人たちとだけでなく遠くの人たちとの会話も飛び交い、ついにはグラス片手に席を離れて立ったままの会話も弾んだ。
私も400万pvをお祝いしてくれる皆さんを回って海洋政策ブログのことだけでなく内外の海に関すること、その他さまざまなことをもワイワイと語りあいながら過ごしてとても楽しかった。
話していくうちに、この会に参加している人たちも私と同じように、海洋白書やOcean Newsletterあるいは私のブログなどを通じて、それまで自らが有していた社会的知見や専門分野を越えて、海洋に関する知見や海と社会を結ぶ知見が広がってきたことが面白いと感じていることなどが伝わってきてお互いの親しみがまた深まってきたのを感じた。参加者の皆さんの中にもおなじ思いをした人が多かったようでこの集まりを継続していこうというはなしが出ているのは私も嬉しい。
最後に、これまで述べてきたことを踏まえて、一つ皆さんに提案してみたいことが頭に浮かんできたのでそれを述べてみたい。
この海洋政策ブログの400万pv達成の機会に、上で述べてきたのと同じように、400万pv達成を祝って海のことを話題にワイワイと話しをする集まり(会費制)をやってみたいなあと思う方がいれば私も参加して海のことその他をワイワイと話し合ってみたいと思っています。 海洋政策の過去と現在と未来を語り合う機会としてブログの愛読者が集まる場ができることはとても嬉しいことなので、そのようなアイデアをお持ちの方はどうぞ遠慮せずにお知らせください。
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「PEMSEA東アジア海洋会議」で大塚万紗子さん顕彰される [2024年11月17日(Sun)]
11月13日に嬉しいニュースが飛び込んできた。皆さんと共有したい。
この日国土交通省が「第8回東アジア海域環境管理パートナーシップ(PEMSEA)東アジア海洋会議が開催されました」というプレスリリースを発表した。それによると、
11月6日〜8日にこの会議が中国・アモイ市で開催され、
@ 東アジア海域での海洋環境保全と持続可能な開発の両立に向けた、連携強化のための参加国等の取組を一層推進することを確認した。
A アジアにおける持続可能な沿岸域管理の推進に顕著な貢献をした「アジア海洋の30 人」のトップ3の一人として、海洋政策研究財団(現笹川平和財団海洋政策研究所)元特任研究員の大塚万紗子氏が顕彰された。大塚氏は、日本において ICM(沿岸域の総合的管理)の理念の普及と実践の拡大に長年にわたり尽力し、得られた知見について PEMSEA 参加国を含む国内外へ発信した功績が評価された。
とある。 詳しくは国土交通省の11月13日付けプレスリリースに掲載された添付報道発表資料 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001842256.pdf 参照
大塚万紗子さんとは、私が地球表面の7割を占める海洋の開発利用・保全・管理に総合的に取り組む海洋ガバナンスに取り組み始めたころに「海洋の母」と言われたIOI(国際海洋研究所)のエリザベス・マン・ボルゲーゼさんとの交流がきっかけとなって知り合い、海洋・沿岸域の総合的管理に協力して取り組むようになった。
そして、2009年9月からは、大塚さんに海洋政策研究財団の特別研究員として「沿岸域の総合的管理―海を活かしたまちづくり」に取り組んでもらい、志摩市をはじめわが国各地の海を活かしたまちづくりの取り組みで活躍していただき、その延長でPEMSEAの活動にも参加して貢献していただいたので、このたびの第8回PEMSEA東アジア海洋会議でそれらの功績が顕彰されたことは大変嬉しい。 本ブログ『特別研究員に大塚万紗子さん』2009.9.26等参照
大塚さん、このたびはPEMSEA 設立 30 周年を記念してアジアにおける持続可能な沿岸域管理の推進に顕著な貢献をした方々を表彰する「アジア海洋の 30 人」のトップ3として顕彰されたこと、大変嬉しいです。本当におめでとうございます。
また、この大塚さんの本表彰受賞には望月さんをはじめ国土交通省の皆さんにいろいろとご尽力いただいたようなのでここに厚く御礼申し上げます。
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