本日は、
第17回産業用バーチャルリアリティ(IVR)展(
リード エグジビジョン ジャパン(株)主催)に参加しました。
「
基調講演 キヤノンの最新事例やVRの今がわかる!」について、感じたことを記したいと思います。
先進的なIT革新手法を活用したものづくり戦略〜VRと3DCADを融合した次世代最新技術の実現〜
■講師: キヤノン(株) 情報通信システム本部 技術システムセンター センター所長 浜谷 雅秀
キヤノンでは、技術情報を多角的に活用すべくBOMを中心に管理・運用の仕組み作りを行う中、更に先進的な立体映像を駆使した新たな取組みが進んでいる。VR技術によって、開発・設計を劇的に革新していく手法について紹介する。
■講演者プロフィール:
1971年キヤノン(株)入社。'98年より、イメージコミュニケーション事業本部の事業/開発/生産にわたる事業IT革新を推進・総括。'07年本社IT部門に異動し現職。全社におけるCAD/PDMを中心とした技術系システムを統括し、合わせて革新プロジェクトを担う。特にIT情報の有効活用に注力推進している。'08年より、MR開発推進プロジェクトも兼任し、MRの事業化に向けた取組みを行っている。
|
キャノン株式会社は、1937年設立、17万人、4兆円の大企業です。
歴史がある故に、社内には様々なシステムがあり、いかにシームレスに情報流通をするかが鍵。電子カメラは6か月で開発して売り切るようになってきており、品種ごとにワークフロー、品種数が異なっています。クリアすべきテーマは、
システムの一元化、情報を一気通貫化すること。さらに、業務革新に如何に対応するかです。
開発図面と工場の図面は一般に体系が異なりますが、これを1体系にすると効率化が大幅に向上します。シミュレーションによる試作をすることで、製品の品質を落さず、開発期間と開発費を削減しました。2007年は、2000年に比べ、開発期間は6割となり、設計変更回数は大幅に減少しました。
2000年には、CAMERA事業部と事務事業部の3DCADが2種類入っていました。
2007年に、3DCADの統一を決定。統一された企業は少ないと思います。日本の企業は3つ以上の3DCAD、多いところでは10種類ほど入っている。CADが多いほど、リソースを分散しています。
一方、3DCADはインターフェースが使いにくい。そこで、
CADベンダーと一緒に改善しました。一緒に開発しないと使い勝手がよくなりません。
昔は、製品を部分に分けてシミュレーションをしていましたが、
現在は全体を捉えてシミュレーションしている。例えば、落下衝撃、電磁波影響など。メカは3Dで設計するが、電気回路は別のシステムで設計します。しかし、今では全体でシミュレーションするようになったので、組み立て作業者用教育用アニメーションをシミュレーションで作成することができるようになりました。外国人の作業者にはわかりやすい説明映像になっています。
MR(Mixed Reality:複合現実感)技術とは、VR(Virtual Reality:仮想現実)技術を違和感なく融合させる映像技術で、特に、自分の視点に応じた映像が見えることが重要です。つまり、目の前の空間に、バーチャルな3Dデータがあたかもそこにあるかのごとく見えるということです。
<感想>
もうまるで、マトリックスの世界が、すぐそこまできています。現実と設計が一体となった将来技術があります。ヴァーチャルで見える目の前の粘土を、手でこねて形を作っていくと、それが設計データとなっていくのです。ゴーグルを付けて恐竜の化石をみると、化石が恐竜になって、動いて見えるのです。
産業会では、3Dの立体に移行しています。人間能力を拡張するバーチャル リアリティの最近の進歩
■講師: 慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科 教授 舘 ワ
近年、テレイグジスタンスやオーグメンティドリアリティあるいは超臨場感といった実世界をバーチャル リアリティによって豊かにし、人間の機能や能力を高めてゆく研究が盛んになってきている。最近のこうしたVRの進展を紹介する。
■講演者プロフィール:
国内におけるVRの権威。日本VR学会初代会長、 国際計測連合学会(IMEKO)ロボティクス会議議長などを務める。 世界で初めてテレイグジスタンスの概念を提唱、その独創的研究で世界的に有名。専門分野はロボット工学、バーチャル リアリティ、システム情報学。各賞受賞、著書多数。 |
Virtualとは、そのものではないが、その本質や効果を有しており、そのもののエッセンス。
Virtual Reality(VR)とは、現実そのものではないが、現実の本質や効果を有しており、現実のエッセンス。つまり、偽者ではないということ。
VRには、次の4点について人間能力を拡張する機能があります。
1.
感覚:たとえば、盲導犬ロボット
2.
知:たとえば、Augmented Reality(拡張現実)。現実空間をVRで増強する。つまり、現実空間に情報を自然に投影する。
GE Smart Grid Augmented Realityに動画があります。
3.
運動:たとえば、失われた機能の回復
4.
時空(時間、空間):たとえば、Twister(Telexistence Wide-angle Immersive Stereoscope)。全周囲360度が特殊なメガネなどを使わず裸眼で立体的に見ることができる仕組み。電話ブース、パソコン操作スペースなど、全周囲に立体映像を投影する手法が開発されている。
テレイグジスタンス(telexistence)という概念があります。人間は遠くにいるが、目の前の物体に入り込んでいるのと同じ状態でアクションすることができる。つまり、自動化は難しい。この場合
、「非匿名性」と「存在感」が大切になる。
現在は、岐路の一段階。VRは1993年から始まったが、これからの10年でさらに進んでいくだろう。
<感想>
テレイグジスタンスが進むと、誰かということが問われる時代となります。誰かを問うことは、体ではなく、知識を問うことなのでしょうか。知識は代替できるとすると、誰であるということは、心なのでしょうか。VRが進むほど、個人を特定するということが問われ、それは科学では測定することが難しい心と向きあうことなるのでしょうか。面白いです。