これまでですと、カミさんが買ってくる本は、婦人公論・ゆうゆうといったシニア女性向けの雜誌、趣味の手芸雑誌、或いは「垣谷美雨」の文庫本なのですが、手にしていたのは、あの「週刊現代」なのです。
「あれ、「週刊現代」は新聞の広告見出しを見れば、内容は想像できるでしょうに」と私
「そう、解ってるけど、A子ちゃんに読むようにと渡す為に買ってきたの、520円もするのね」
「お友達のA子ちゃんに、どうして、何の記事」と私
「だってあの人、何にも考えていないんだもん、他人事だけど、心配になるわ」
「本当は今、評判の林真理子の小説8050を読みたいんだけど2000円するし・・・」
「林真理子の旦那って、元同じ業界の人間で一度すれ違ったことがあるよ」
「すれ違った程度じゃ、本は貰えないわよね」
「8050って80代の親の元で暮らす、50代の未婚、非正規男子の親の終末介護の話でしょ」
「うーん、近いけど違う、まだ8050には遠く現実的ではないけど、近い将来そうなりうる50代の親と、ひきこもる30代の子どもの話のよう」
「ふーん、買ったら。旅行へも行けないでお小遣いが余っているのだろうから」

ブログのテーマは、70代・80代のA子ちゃんご夫婦のお話
A子ちゃんは私も会ったことがあり、かなり良く知っています。
カミさんが料理が苦手、嫌いなことを知っているA子ちゃんは、大量に造った「おでん」や「稲荷ずし」や「ロールキャベツ」をわざわざ車で我が家まで持ってきてくれる、元学校給食のおばさんをしていた人なんです。
ご主人は元一部上場企業にお勤めの方で、私たちが「それって二ヶ月分の年金額」と聞き直すほどの額を毎月分として受け取っている恵まれた環境の方なのですが、貧乏年金世帯の我が家のカミさんが心配するほど、先のことは全く考えないで、バンバンとお金を使い、「貯金なんてほとんどないわよ」と云っているという豪快なおばさんなのです。
「そのA子ちゃんに、何を云いたいの、何の記事を見せると云うの」
カミさんの話によると・・・
「A子ちゃんのご主人は今、80才ぐらい、5年前に人身事故をおこしたことがキッカケで、痴呆症を発症したみたいで、週に3日はデーケアセンター、週一程度でお泊りサービスを利用しているみたい。
今はご主人の年金とA子ちゃんが給食のおばさんとして働いていた時の年金があるから、相当余裕のある生活が出来ているけど、ご主人が亡くなったら大変よ、あのA子ちゃんの今のやり方だと破綻するのが目に見えているわ」
A子ちゃんの家庭の様子は、少しは漏れ聞いています。
二人のお嬢さんがいて、長女は数年前嫁いて外にでていますが、次女は若くして結婚し、数年前にA子ちゃんの手で離婚させられ、戻って来ています。
次女の結婚相手は稼ぎが少なく、これまで家を建てる時や、子供の教育費などかなり金額をつぎ込んで来たのですが、次女の旦那の失業とか、働く意欲、ローンの返済能力などを考え、まだローンの残っている家を売払って離婚させて、次女と二人の子供をA子ちゃんは引き取ったのです。
次女と子供二人を受け入れるために、A子ちゃんはかなり金額を費やして家のリフォームをしたようで、すっからかんと云ってました。
それでも、ご主人との年金を合わせると、後期高齢者でも健康保険負担は二割といいますから、かなり裕福な年金かあるので、別に焦る必要ないようです。
さて、その次女は母親に強引に離婚させられたという思いもあってか、安いパートにでて家事・育児は全くせず、今年後期高齢者になるA子ちゃんが、子供面倒を見て、子供の教育費・習い事・塾の月謝など全て、朝から晩まで外と家のなかを切り盛りしているそうです。
カミさんがA子ちゃんに伝えたいことは、
全て今回の週間現代の特集記事の内容からです。

「ご主人が亡くなった後の年金金額が幾らぐらいになるか知っている」と聞くと
「そんなこと、考えたことない、今の2/3ぐらいにはなるでしょ」
「2/3にはならないのよ、ご主人の基礎年金を引いた額の2/3と思ったほうがいいわ」
「具体的に幾らになるか年金事務所に聞きにいけば教えてくれるの」
「A子ちゃんが行ったって教えてくれない、ご主人本人でないと」
「それじゃ無理だ」
2,銀行口座について
「お金の出し入れ、銀行はどうしてるの」
「出しはあるけど、入れはないは」
「もし、ご主人が亡くなっら、ご主人の銀行通帳からA子ちゃんは下ろせなくなるのよ」
「よく聞く話だけど、今のうちに下ろしておけってこと?」
「ご主人が認知症だということ、銀行は知っているの」
「知らないとおもうわ」
「銀行は口座名義人が認知症としると、口座凍結できるのよ」
「どうしたらいいの」
「いまのうちに、銀行へ行って「代理人指名手続き」をすること」
「そして法定後見人制度はあるけど、注意して、ほんの少しでも必要なお金を引き出すには認証が必要だし、お金もかかるらしいわ」
3,遺言状について
「万が一でまだ早いかも知れないけど、ご主人遺言書書いてあるの」
「ないでしょ、だって財産なんて、この家くらいしかないから、別に相続問題なんてないわ」
「でも、遺言がないと妻が50%、二人の子供が25、25って知ってるわよね」
「二人の娘が、そんな要求することはないわよ、特に下の娘には家を建てる時にかなり援助したし、別れる時だって相当使っているわ」
「それと、遺産相続は別、あくまでも法的な権利を要求する子だっているのょ」
「長女はいいところに嫁いでいるから、いらないと云うとおもうけど」
「お父さん、認知症だと知られているから、自筆遺言書は無理ね、どこかちゃんとした弁護士事務所に相談しておいたほうが良いわよ」
「A子ちゃんはどうしているの、あなたの遺言書は」
「そんなの心配してないわ、家って財産ないし」
「今はそうかも知れないけど、貴方が死んだら今の家、長女と次女で相続するのよ」
「長女のとこは、お金持ちだからきつといらないと云うとおもうけど」
「でも、それは分からないわよ、人間その時になってみないと」
「私、そんな面倒くさいの嫌いだから、いいの」
「とにかく、自筆遺言状って結構シビアで、例えば自宅を相続と書いても無効なんだって、具体的に不動産登記簿に記載されている住所・番地までかかないと有効とみなされないだって、そして名前にしても、ご主人の戸籍上にある難しい漢字のみのるさんの實(みのる)を通常使っている実(みのる)と書いても無効なんだって。
そしてその遺言書を相続人がかってに開けはいけなくて、裁判所で開けないと無効になることもあるんだって」
「そんな面倒くさいの、銀行のサービスでやってもらうは」
「手数料として、相続財産の何%かは覚悟してね」

4,ケアマネージャーについて
「今のケアマネージャーさん、どう、よくやってくれる」
「うん、まーよくやってくれているとおもうけど」
「ケアマネさん、どこの人、何処の紹介?」
「知らない、お世話になっているデーサービスホームの人なんでしょ」
「この雑誌や、私の友人のケアマネによると、介護サービスはケアマネージャーによって大きく変わるから、不満や不安があったらどんどんと要求し、変わってもらっても結構だそうよ」
「私、そんな知り合いいないもん」
「市役所介護保険課や地域包括センターで紹介してくれるわ、原則として、どこかのホームや施設に雇われているケアマネよりも、紐付きではない人のほうが良いのだけど、ケアマネだけで独立してやっている人は少ないのが現実ね」
私はカミさんに、
「いろいろアババイスもいいけど、深入りしないほうがいいよ」
「特にお金に関係するお話は」と。
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