
朝日新聞の「声」の記事を呼んでいた、カミサンは朝食後そうそう、お友達に電話し始めました。
スマホに代えて通話がかけ放題になってから、明らかにカミサンの電話回数、時間は多くなりました。
どうやら話題は、今朝の新聞の投稿欄を読んだか読まないか、のようです。
相手のお友達奥様のお宅はどうやら新聞をとっていないようで、「それでは今日のスポーツクラブに切り抜きを持っていく」との内容でした。
通話を終えて、カミサンにどんな記事・投稿なのと聞くと「相続の話」、〇〇さんにあれだけご主人に「遺言状」を書かせないと勧めていたのに何にも書いてないみたい。ふーん、とあらためて投稿欄「声」の記事を読んでみました。
一部引用・省略
投稿者女性 76歳
一昨年夫に先立たれた。子供はいない。夫の遺言はなかった。
遺産は妻の私が相続するとばかり思っていた。
しかし、民法の規定は違っていた、夫の両親は他界していたから、相続は私の他に夫の兄弟四人が法定相続人と知った。
彼らは「法の決まりどおりに」と放棄はしなかった。
それからというもの、大変な手続きに翻弄される日々が続いた。
先ずは夫の両親の出生から死亡まで戸籍謄本を取り寄せ、法定相続人を確定しなくてはならなかった。
さらに、預金や不動産などの全ての財産を兄弟に提示することから遺産分割協議が始まる。
夫婦二人で築き上げてきた財産の一部を、遠方にいて、普段は年賀状のやりとりや、冠婚葬祭の場で出会うだけの夫の兄弟に洗いざらい示すのはまるで裸を見られるような気持ちだった。
後略〜
これを読んで、カミサンに、私は「〇〇さんて、お子さんいるんじゃなかったけ」
「そう、80近いご主人と、出戻り子連れの娘さんと、現在アメリカに済んでいる息子さん」
「それじゃ、特に相続は問題ないんじゃないの」
「〇〇さん、ずっと働いたことなく、お金のことも全くタッチせずにこれまで来ているの」
「だから、今のマンションも預貯金も全てご主人の名義」
「そこに子連れ離婚した娘さんが転がり込んで来て、一緒に生活しているけど、娘さんはパートの仕事だけ」
「息子さんは、アメリカに渡って現地で日本人相手の旅行会社のガイド・ドライバーをしていたけど、コロナで失業中」
「帰ってきたいけど、帰れない、帰っても仕事がない・・そんな状況」
「こんな時、ご主人がなくなって相続問題が起きたら、娘さんも、息子さんも、出来れば幾らかでも欲しいと思うのは仕方ないわ」
「へたに揉めると、〇〇さん、今のマンションにも住めなくなる可能性もあるし」
「だから、ご主人に遺言状を書くように勧めているんだけど、どうやらご主人が書きたくない様子なんだって」
「そりゃ大変だ・・・、一度専門家に間に入ってもらった話し合いをしたほうが良いんじゃない」
「会ったことないけど、一流会社にお勤めしていたみたい80代。やはり、君たち団塊世代とはすこし違うみたいよ」
確かに、子供のいない夫婦の相続とはまた違った面もありますが、私達団塊世代も二年後、後期高齢者となりますので、夫婦二人の間で遺言状の作成を話し合って置く必要があります。
遺言は本人だけで書ける自筆証書と、法律の専門家の公証人とつくる公正証書の主に二通りあります。
公正証書は内容の不備をなくせる一方で、手間と費用がかかる。
自筆は手軽だがミスが起きやすく、改ざんしたりする恐れもあります。
それに伴い、これまで自宅などで自ら保管しなければならず、紛失あるいは遺言状の存在さえ分からないケースがあります。
そこで昨年7月から全国の法務局で一件3.900円で預かる制度が始まっています。
法務省ホームページ参照
全国の法務局で自筆遺言を預かる制度がスタート

保管先は遺言者の住所地・本籍地・所有不動産のある地のいずれかの地域の局に、本人が自ら出向いての手続きが必要です。
手続き時に職員が日付や押印の有無など形式の不備をチェックしてくれるので、自ら保管するよりは遺言が無効になる可能性は減りますが、内容の相談は出来ません。
この制度は、周りに気づかれずに書いて安心して保管出来るので、遺言を自発的に書く流れが進むのではと、言われています。
遺言状の存在の周知
例え、どんなに自分の死後の相続について心配し、遺言状を書いても、遺言状があることを遺族が知らなければ、民法に則った相続でされます。
例えどんな形(口頭・文書)であれ手書き自筆証書の存在・保管場所を知らせておいたほうが安全です。
ただし知らせることによるデメリットは、内容を知りたいと思う相続人が、生前に探し出し開封・破棄する可能性もありますので公的機関に預けることをお勧めします。
よくあるケースは銀行の貸し金庫ですが、貸し金庫入室カードと各金庫の鍵2つ同時に必要となります。
我が家の場合、入室カード(パスワード認証)はカミサン、個別金庫の番号と鍵は私と別々保管となっています。
夫婦ふたりだけの夫婦ですから、これで構わないのですが、二人同時に交通事故で亡くなった場合まで想定すると大変です。
二人の自筆遺言状には、二人同時になくなった場合の遺産相続について書いてますが、この遺言状の保管場所は口頭だけでしか知らせてありません。
例え覚えていても、カード暗証番号とキーと金庫本体番号を知らないで銀行側が開けてくれるまてには、相当の時間と手間がかかるのは間違いありません。
自筆遺言状の開封について
これまで、自筆遺言状の必要性について述べてきましたが、意外と知られていないのが、遺言状の開け方です。
1. 遺言書を見つけたら、絶対に開けないでください
もし遺言書を見つけたときは、その遺言書は勝手に開封しないでください。
遺言書を見つけたら、すべての相続人に知らせて家庭裁判所で開封してもらいましょう。
1-1.遺言書を勝手に開封するのは法律違反です
遺言書は、「家庭裁判所において相続人の立会いの下で開封しなければならない」と法律で定められています。これは、亡くなった方の遺言書を生前から預かって保管していた場合でも同じです。もし、これに違反(開封)した場合には、5万円以下の過料(罰金)が課せられることもあるのでご注意ください。
1-2.遺言書を見つけたら家庭裁判所で開封しましょう
遺言書を家庭裁判所で開封することを「検認」といいます。
検認が必要とされている理由は、遺言書自体が本物かどうか、誰かの都合のいいように勝手に書き換えられていないか、を確かめなければならないからです。
遺言書が勝手に書き換えられたり、まったく別のものとすり返られたりしたら、亡くなった方の意思を実現できなくなってしまいます。
遺産相続って大変なんだ・・・
でも、この投稿者の女性は子供がいない夫婦の相続について、最低限の知識は知っておく必要はあったです。
亡くなる前にご主人がどんな形であれ、証拠となるような妻への遺言状に「全財産を妻に相続する」と書いておくだけで良かったのです。
夫の兄弟には「遺留分」は存在しないのですから。
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