私が今年の誕生日から始めた、数々の書類の整理・断捨離(遺言状・資産残高・パスワード等)を横目でみていたカミサンは、夕方のお買い物ついでに本屋さんで愛読雑誌「婦人公論」を買ってきて、私に見せました。
今や、雑誌購読者層の高齢化を反映しているせいか、男性週刊誌「週間現代」ばりに、女性誌でも毎号、60代から70代の読者むけの特集記事を一面に押し出しての編集方針が目につきます。
カミサンが買ってきた最新版のメイン特集は「夫を亡くした時にすべきこと」です。
いざと云う時を考えているのは、先に逝く男だけではなく、残される妻のほうに必要な事項なのです。
キャッチコピーは
その別れが予期できたものであれ、突然のものであれ
連れ添った相手を喪えば、さまざまな思い出が去来するものでも、現実は待ったなし。
一周忌を迎えるまでは、やらなくてはならないことが、山積みです。
いざと云うときに慌てないためにも、いまのうちに心の準備ほしておきませんか。
我が家の場合は、子供がいませんので、全て私がカミサンの為に準備して置かねばなりません。
そこで、72歳、六回目の干支が巡った、昨年から毎年誕生日には、カミサンが困らないように書類関係の整理を始めています。
このブログを書くにあたって、私は田舎の姉に電話しました。
姉(当時68歳)は8年前に、当時70歳の夫を心筋梗塞の突然死でなくしています。
日曜日の朝自宅で倒れて、救急車で運ばれ、その日に病院で無くなっています。
姉に聞いてみました。
「夫の突然死で一番困ったことは何だった?」と
・お葬式に関しては互助会に入っていたので、特別困ることはなかった。
・お金に関しては、自分(姉)が全て銀行口座を管理していたのでそんなに困ることなかった。
・夫が几帳面な性格だったので、連絡先などの書類は整えてあった。
・一番困って、私(姉)だけでは出来なかったのは、夫のクレジット口座関係だった。
長男がパソコン関係に詳しく、色々な契約などの処理を全てやってくれた。
私、ひとりでは葬儀が済んで時間が出来たとしても、出来なかったとおもう。
姉は、女性の生き方など先進的な考え、良妻賢母の団体(羽仁もと子友の会)のメンバーでかなりしっかりとした考えと、生活実践をしている女性です、
それでも、朝倒れて、夜に亡くなり、葬儀の手配、夫の旧勤め先、親類縁者への連絡、などを一人でやるのは大変だったでしょう。
他にも、数年前にご主人をなくされた奥様に質問しました。
ご主人は私の講座の生徒さんで、私と同じく子供のいないご夫婦だったでしたから度々、亡くなった後の奥様の負担を軽くする準備をすすめるようお話していましたが、結局、ご主人は何もしないまま、一ヶ月の入院生活でなくなりました。
亡くなって落ち着いてから奥様から連絡をいただき、パソコンまわりの整理に行った時に、「何が一番大変でしたか?」と質問したことがあります。
一番大変だったのは、ご主人がやっていた株式投資の解約だったそうです。
投資信託などと違い、各銘柄を指名購入、売買をづっと続けていたようです。
これらを全て手仕舞いするのが大変だったそうです。
ご本人が亡くなっているので、証券会社は勝手に処分出来ず、正当な相続人が正式に売買契約書類をつくることから始めなくてはならないのです。
最終的には、高齢の奥様は取引先の証券会社に出向き、正当な相続人であることを証明し、ビデオ撮影のなか、ひとつ、ひとつの銘柄の売却を記録して、ようやく終わったとのことです。
立ち会いの司法書士費用、東京までの介護タクシー費用、お手伝いのヘルパーの費用などが発生したけど、終わってせいせいしましたと、話していました。
お金に大きく影響する処分はやはり、ご本人が生きている時、判断力がある時に為すべきでしょう。
私の場合、私の突然死は全く想定していません。
私の逝き方のイメージとしては、がんステージ4で療養1年、ホスピスで数週間後という、実兄をイメージしているので、余命宣告があってからカミサンの為にいろいろ、実行していけば良いかな程度に考えていますが・・・
突然死にたいしても、そろそろ対応すべき年齢なのかなと、と考えています。
突然死での葬儀について
突然死だった実姉ですが、何も苦労はしなかったそうです。
信州の田舎では、地元住民のほとんどは、地区あるいは農協など葬祭互助会に加入するのが常識のようで、亡くなったその日に、連絡するとすぐに、遺体搬送から葬儀の段取りまで全てやってくれたそうです。
でも、と姉は云います。
都会は違うかも知れない、少子高齢化、核家族化でお葬式は家族葬と小さく、コンバクトに安くする傾向にあるけど、やはり葬儀をあげる喪主がはっきりと監理しないと、小さなお葬式イコール安い、コンパクトとはならないかもしれない、特に都会はこれから多死社会を迎え、葬祭場も火葬場も、順番待ちとなるのは目に見えている。
特に鎌倉市には市営の火葬場はないのです。火葬はお隣の逗子市にお願いするしかないのです。
姉の言う通り、団塊世代の多死社会では、小さなお葬式・家族葬を望んでいても火葬場の空き状況等により、各プラン規定の安置日数を超えてしまう場合が発生するのです。
一般的にお別れ葬・火葬式・一日葬プランは3日間とされ、火葬場の空き状況や、希望される葬儀・火葬の日程により、プランで規定する安置日数を超えてしまう場合、安置料金は追加で1日10,000円(税抜)かかります。
他に寝台車または霊柩車での規定の搬送回数の変更とか、他に各プラン規定の式場使用料を超える葬儀場変更などが発生すると、火葬式・小さなお葬式とは云え少なくとも40〜50万はみておく必要があるでしよう。
そして他に互助会に入らなくとも、いざと云うときに頼む葬儀社、斎場、規模、予算等は予め、二人が元気な時に決めておいたほうが良い。と、この雜誌「婦人公論」でも述べられています。
そして、現代では必ず問題になるのが、「デジタル遺産」です。
デジタル遺品とは、故人が残したパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器やインターネット上に残したデータのことです。
スマートフォンの普及により、LINEやフェイスブックなどのSNSやインターネットショッピングを利用する人が高齢者の間でも急激に増えました。
そのSNSのアカウントやショッピングの決済情報、口座振替情報などは削除や解約をしなければデータがそのままずっと保存されてしまいます。
パソコンやスマホに保存されたデータ、写真・文章等
これは家庭内の、つまりローカル側のデータですから、保存とか削除は簡単です・・・但しパスワードが分かっている場合です。
現在のパソコン認証は、パスワード・指紋・顔認証等ですから、故人しかログインできない可能性がある場合、思い切ってパソコン・スマホを破壊して破棄するしかありません。出来る限り事前にそれらのデバイスのログイン方法を紙に書いて伝えて置く必要があります。
WEB上のデータ
・LINEやフェイスブックなどのSNSアカウント
・ブログやホームページ・You Tubeのアカウント・パスワード等
・OutlookやGmailなどのWEBメール
故人がインターネット上でどんな利用をしていたのか、知って置く必要があります。
これも、パソコン上に残しておいてもダメです。かならずプリントアウトし、残された家族がすぐに解かるようにしておく必要があります。
その他ネット上の契約、支払い
・ネットショッピングやネットオークションなどのアカウント
・ネットバンクやネット証券などのオンライン口座
・音楽、動画、書籍などの有料サイトや会員制サイトのアカウント
ネット上のサービスの利用は全て、クレジット口座決済で行われており、契約は自動更新が基本ですから、ご本人が亡くなっても、永久的に請求がきますし、例えクレジット口座が閉鎖されても、未払いとして扱われる可能性は大です。
常日頃から、ご本人がネット上でどんなサービスを利用しているのか、プリントアウトしておく必要があります。
これらの大切なデータや情報は家族に事前に知らせておくか、エンディングノートに記載して管理しておけば本人の逝去後に家族にかかる負担を低く抑えることができます。
ただし、家族以外の人に見られることがないように、家族にしか分からない保管場所を知らせて置くことが大切です。
私達のような子供のいない二人だけが家族の場合は、他の大勢子供、孫たち、兄弟に恵まれた家庭と違って、自分がなくなった後、どうやって生きていくかを、常日頃考え、心配しています。
それでも、まだ後期高齢者ではなく、心のなかでは、まだ大丈夫だろうと考えている節があるのは確かです。
いつかは、やっておかねばならない事を、少なくとも一年に一度、自分の誕生日にやろうと決めています。
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