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2020年10月22日

配偶者の死・その後の手続き・死後離婚と云う選択肢

秋も少しつづ深まり、夕暮れの時間が早くなってきたと云う季節感もあるのでしょうが、10月発売の雑誌には何故か年金シニア夫婦の老後の最終形、長年連れ添ってきた配偶者との別れ死に関する特集記事が、競うように掲載されています。

・週刊現代 鬱陶しい「夫の実家」との決別、死後離婚と云う選択肢
・婦人公論 死後の手続きリスト
・週刊文春 遺される妻が困らない、やるべき準備

解る気はします。
今や、通勤電車のなかで新聞・雑誌・文庫本を読んで過ごす風景は昔であり、現在ではほぼ90%はスマホをかざして、通勤電車の時間を過ごしています。
現役サラリーマンや、定年が近い50代〜60代前半のサラリーマンは、情報をすべてネット経由で得ているのでしよう。
では、これら記事を掲載している、雑誌はどの世代をターゲットとしているかと云うと、時間・お金があり、老後の生活に不安を抱いている戦後の大きな塊、ベビーブーマー世代、2025問題とされている、後期高齢者に近づきつつある、私たち団塊世代なのです。
先週の記事に引き続き、「週刊現代」「婦人公論」「週刊文春」を買って読んでみました。
いずれも、「団塊世代の定年後の過ごし方」サイトや、ブログに集まる方々にとって、目新しい記事はなく、少し整理してみる程度の内容のなかで
一つ目を引いたのが、週刊現代 鬱陶しい「夫の実家」との決別、死後離婚と云う選択肢でした。

死後離婚、正式には「婚姻関係終了届」です。

これは、中高年女性に人気の小説家、垣谷 美雨の小説「夫の墓には入りません」のなかで知っていました。
45年連れ添った夫が突然倒れ、入院生活が続く中、父に先ただたれ実母の介護と二人二重の面倒を見ていた妻、夫の母親は一年間の入院生活に一切の手助けをしてくれなかった。
病床の夫は「もし俺が死んだ後、お前がおふくろと板挟みになって苦しむことがあれば、家の家族と縁をきっていいから」と伝えてくりました。
そして一年後、葬儀の席でも義母は「ちゃんと息子の世話をしてくれた?、自分の親の介護ばかりして、みんなに早く死んだのは貴方のせい」と云われます。
これから先も夫の家族との関係を続ければ、最終的に義母の介護をしなくてはならないし、私自身もこの義母と同じお墓に入らなくていけない、そう想像すると絶望感な苛まされました。
死ぬまで主人の実家の呪縛から逃れられない人生は絶対に送りたくない、と主人の言葉を思い出して、決心しました。

婚姻関係終了届の手続きは簡単です。
用意するものは、
1,届出をする人の戸籍謄本(配偶者の死亡の事実が解るもの)
2,本人が確認できる書類(マイナンバーカードorパスポートor運転免許証)
3,そして印鑑を持って本籍地にて、自分の名前と死亡した配偶者の名前を書くだけです。
この婚姻関係終了届のメリットは、
・姻族関係終了届を提出しても相続権には影響がなく、夫の遺産は相続することができます。
・妻が夫の親族との関係を断ち切っても、子供と夫の両親との血縁関係はそのまま保たれます。
 子供にとって姑は「おばあちゃん」であり舅は「おじいちゃん」であることに変わりは
 ありません。
 ですから、夫の両親が亡くなったときは、子供は代襲相続で遺産を相続することができます。

デメリット
1, 一度提出すると撤回ができないことです。
 親族関係を復活させたい場合は養子縁組をすることになります。
2,姻族関係終了届を提出しただけでは姓は変わりません。
 結婚前の姓に戻したい場合は、市区町村役場に「復氏(ふくうじ)届」を提出します。
 復氏届では、結婚前の戸籍に戻るか新しく作る戸籍に移ることができます。
 姻族関遺体係終了届と同じく、夫の死亡届が提出された後であればいつでも提出でき、
 期限はありません。
 ただし、妻が復氏届を提出しても、子供の姓と戸籍は変わりません。
 子供を自分の戸籍に入れたい場合は、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」を提出して
 許可を得て、市区町村役場に「入籍届」を提出する必要があります。

婦人公論 死後の手続きリスト

私たち夫婦の間では、主に私が逝った後、死後処理のリストはパソコンのなかに、ペーパー印刷レベルで残してあります。
婦人公論のなかでは、お互いがすぐに手にとれる所、身近なところに箇条書きで残すことを勧めています。
一度、リストUPしてみてください。
こんなにあるのです。
・遺体引き取り(事前に葬儀社リストを作っておく)
・退院手続き、清算、荷物の引き取り(事前に友人やらに車の手配を頼んでおく)
・生命保険会社に連絡(連絡先を見える化しておく)
・死亡届の提出
・葬儀、火葬の手配
・親族、友人へ訃報の連絡(リストに沿って)
・納骨手配
・行政への諸々の手続き(パスポート・運転免許証の返納)
・年金、介護保険など社会保険に関する手続き
・デジタル関係
 プロバイダー、携帯キャリアの解約
 各種SNSのアカウントの解約
 スポーツジムや習い事の退会、解約
 クレジットカードの清算、解約
 パソコン内のデータ消去
 サブスクサービスの解約
 各種パスワードのテキストレベルでの印刷
・財産関係
 預貯金の管理(口座番号・印鑑・パスワードの見える化)
・遺産相続(遺言状の有無、保管場所リストを事前に明確化しておく)

私たちは夫婦二人、子供なし、兄弟は両方とも地方に住む高年齢です。
これを一人で一気に一処理しなくてならないのです。
子供のいない夫婦の場合、残された高齢の女性一人では、体力的にも、知識的にもこれらを一気に処理するのは無理です。
出来れば、身近な親族、甥・姪に元気なうちから、このような場合について、お願いしておくのが肝心です。
とくにデジタル遺産とよばれているようなものに関して、常日頃から印刷物としての見える化をはかり、信頼できる甥・姪などにのリストを生前に見せ、自宅内の収納場所或いは貸金庫(少なくとも暗証番号は解るように伝えておく)を伝えておくべきです。

週刊文春 遺される妻が困らない、やるべき準備

文春は買いませんでした。
新聞広告に謳われているようなこのとは、今更言われなくても、古稀を過ぎた団塊世代は良く知っている当たり前のことばかりなのですから。
列記すると
【銀行口座】二人で3っま、通帳は10年保管
【証券】夫の株は危険がいっぱい
【生命保険】受取人は誰になっているか
【相続】税務署が狙うのは妻のへそくり
【家】子供と揉めそうなら「配偶者居住権」
【遺言】書くベストタイミングは
【葬式】葬儀会社は決めておく
【遺品】妻が困る車の処分
もし、何が書かれているのか知りたかったら、どうぞお買いになって下さい。

今回ブログで紹介したような、不安については、どうせ各社は同じような内容を毎年一回は特集として掲載するでしょうし、ネットには多くの専門家がもっと詳しく書いています。
それも無料で。
団塊世代の定年後の過ごし方の管理人としては、内容の解説よりも、今、こんな記事が世の中の注目をひいていますよ、とご案内するにとどめて、これからも、忘れそうになった頃、ご紹介するようにします。

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団塊世代の海外ロングステイと定年後の過ごし方
posted by 西沢 at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | シニアライフ