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2020年02月03日

定年後の楽しみの一つは、知らない町の映画館です。

先日2019年、日本で公開された映画興行収入の発表ありました。
 邦画
 1、 天気の子
 2, 名探偵コナン 紺青の拳
 3, キングダム
 4, ONE PIECE STAMPEDE
 5, ドラえもん のび太の月面探査記
 洋画
 1, アナと雪の女王2
 2, アラジン
 3, トイ・ストーリー4
 4, ライオン・キング
 5, ファンタスティク・ビーストと黒い魔法使いの誕生

予想はしていましたが、ご覧の通り全てアニメ或いはアニメの実写化作品ばかりです。
「天気の子」は新藤誠監督作品と云うことで前作「君の名」並みの期待をして見に行きましたが、まあまあの出来それでも、アニメーションに背景と人物の作画は脱帽、超一級作品です。

一番好きなのは、実は映画ではなくCMです
大成建設のCMで、現場で働く若手女性作業主任にかかつて来るラインは「同級会の案内」に、彼女は「ごめん、出たいけど、今シンガポール、この国の人々を運ぶ、地下鉄を造っています。」
絵が非常に美しい、このようなライト・ハイライトの表現は実写では出来ないものなのです。
邦画のドラマ映画と云えば、若者向けの恋愛ドラマはつまらなく、大監督「山田洋二」は88才でもうろくして、昔の感性の造っている、期待しているのは是枝裕和作品ですが、次回作はまだ出てきそうもない。
大人が泣ける、作品はないのか!と嘆いていたところ、先週の全国紙に一面に「風の電話」と云うタイトルをみつけました。

「風の電話」と云えば、この言葉を知ったのは2016年3月10日のNHKの特集でした。

津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町。
海を見下ろす高台の庭園に、不思議なたたずまいの電話ボックスがある。
その名は「風の電話」。
中にあるのは、線のつながっていない黒電話と1冊のノート。
亡くなった、あるいは行方不明になった家族や友人ともう一度言葉を交わしたいと願う人々がここで受話器を握り「会話」をする。
震災直後、地元の人が「遺族と故人が心を通わせる場が必要」と設置したのが始まり。
ノートにはすでに訪れた無数の人の思いが綴られている。東日本大震災からもうすぐ5年。
復興が徐々に進んでも、大切な人を失いなかなか前に進めずにいる人たちが数多くいる。
口に出すことのできない思いを抱える人たちにとって風の電話は大切な支えになっている。
番組では電話ボックスに密着。そこに通う人たちは、この5年間、どのような日々を生きてきたのか。そして、節目となる年をむかえ、受話器の向こうの大切な人に何を伝えて次の一歩を踏み出すのか。海辺に建つ小さな電話ボックスを通して、被災地に生きる人びとの喪失と再生の5年間を見つめる



この風の電話をタイトルとした、映画が上映される。
主人公はどうやら女高生のようで「モトーラ世理奈」と云う、おじさん世代には無名の女優。
しかし、脇役陣の名前を見ると、西田敏行・三浦友和・西島秀俊。これはかなりしっかりとした映画のようだ。
さっそく、上映館をネットで調べてみると、大手TOHOシネマも、109シネマでもやってません。
神奈川県で上映しているのは、たったの4館。イオンシネマ港北ニュータウン、新百合ヶ丘、橋本、小田原です。
どうやら大手配給ルートに乗らない作品のようです。
早速、この4館への交通費をネットで調べてみると、一番近く、安いのは「港北ニュータウン」ですが、それで交通費は往復1,240円
映画シニア料金よりも高いのですが、仕方在りません。

港北ニュータウンは横浜市都筑区です
同じ神奈川県、そして横浜市と云っても、神奈川県の海側・湘南地域に住む私たちからすると、東海道新幹線の北側は滅多に行かない田舎的感覚なのです。
そして現役時代のことを思い起こしていました。
バブル真っ盛りの1990年代、私の元に、このセンター北駅・センター南駅の工事依頼が設計事務所からありました。
設計事務所は、官公庁の交通機関の駅の設備を専門とする会社で、この数年前に、ゆりかもめの全駅の設計に携わり、私は設計段階から関りほぼすべての駅舎の機械室の自動制御・中央監視システムの工事を担当したのを覚えていて、指名してきたのです。
「ゆりかもめ」では苦労しました。
一番の理由は、現場までの足がなかったからです。新駅建設、お台場の埋め立て地でろくに車で行く道路もなく、レインボーブリッジもまだ建設中だったのですから、職人さん会社からは工期や交通費経費で大クレームを受けました。
設計事務所もゼネコンも、発注金額の面倒は見てくれないのです。
最終的に、この仕事は丁寧にお断りしました。

あれから20年以上経ち、港北ニュータウンに足を踏み入れるのは初めてです。
私たちの住む、鎌倉・大船は大違い、40代、50代の比較的若いファミリー層が住む、大タウンととなっていました。
初めて訪れる街を歩くのは楽しいのですが、あまりにも多くのショッピングモールが駅周辺に点在し、肝心のイオンシネマが何処にあるのか解りません。
警備真らしき人に聞くと、センター北にはイオンはなく、センター南だと云います。確か、ネットでは北と書いてあるのですが仕方なく、南駅に行くとイオンはあるのですが、イオンシネマはなく、結局再び北に戻り、ようやく探し当てた時には、上映時間から15分経っていました。

映画「風の電話」とは
岩手県大槌に父・母・弟と住んでいた主人公「ハル」は、東日本大震災で3人を津波で亡くし、一人叔母さんを頼って広島で暮らすことになる。
しかし成長したハルの身に再び不幸が訪れます。その叔母も倒れ、独りぼっちになった「ハル」は学校の帰り道、大槌にかえることを決心し、ヒッチハイクで故郷大槌を目指す。
その旅のなかで、広島の大豪雨・土砂崩れで流された土地の人(三浦友和)と出会ったり、妊娠中の女性の車に拾われ「女性の体ってすごいのよ、お腹の中で人間一人を造っているの。最初はクリオネみたいな小さなものが、私の体の中で成長していくのを毎日実感するって凄いじゃない」と云う言葉を聞く、そして、福島ナンバーの車に拾われる。

その車を運転しているのは、第二原発関係者(西島秀俊)で、今も事故の責任を背負って、苦しんでいる、そして何年ぶりかに、震災から元の実家に戻って来た
父親(西田敏行)の元に行って、死にたがっているハルに「あんたが死んでしまったら、亡くなった父・母・弟のことを覚えている人がいなくなる」と云われ死を思いとどまり、広島へ帰っていく・・・と云うストーリーです。
全編オールロケで、テレビドラマのような室内セットの不自然なライティングがなく、主人公ハルを演じるモトーラ世理奈は役者、演技者としてではなく主人公のハルそのものように感じました。
この映画の根底に流れているのは、故郷、生まれ故郷に戻る、人間の本能です。
映画のなかで埼玉に暮らすクルド人家族が登場します、そして故郷を追われ、ほとんど近隣の住民が戻ってこない故郷に戻って来た、福島県人、西田敏行が語るように歌う、新相馬節は自然に涙が溢れてきます。

タイトルの「風の電話」は何処で登場するかは見ていたのですが、なかなか最後まで登場しません。久しぶりに、ボロボロ泣ける映画でした。

さて、次は何を見に行こうか
知らない町、初めての町へ出向いて、2時間映画を見て、ランチを食べて、家に帰る。
暇な、年金リタイヤシニアにとってさしてお金はかからず、非日常の世界をちょっと覗き見する1日となります。
映画のシニア料金は、1,100か1,200円、交通費は1,000〜1,500円、ランチをちょっと奮発したととても、4,000円以内に納まります。
月に、2度くらい、こんな日があると楽しみになります。
次に見たい映画は決まっています。

一部マスコミの間で評判となっている香港映画「淪落の人」です。
内容は、webによると

半身不随となり人生に絶望した中年男性と、家族のために夢を諦めた出稼ぎ家政婦の交流を描いたヒューマンドラマ。
事故で半身不随となった主人公男性リョン・チョンウィンは、人生に何の希望も抱けないまま日々を過ごしていた。
妻とは離婚、妹との関係もうまくいかず、楽しみは唯一の友人である元同僚ファイとの会話と、海外の大学に通う息子の成長だけ。
そんなある日、若いフィリピン人女性エブリンが住み込み家政婦としてやって来る。
広東語が話せない彼女にいら立ちを募らせるチョンウィンだったが、片言の英語で会話をするうちに、互いに情が芽生えていく。
やがて、エブリンが生活のために写真家の道を諦めたことを知ったチョンウィンは、彼女の夢を叶える手助けをしようと考えるが……。
「インファナル・アフェア」のアンソニー・ウォンが主演を務め、第38回香港電影金像奨最優秀主演男優賞など数々の賞に輝いた。
2019年・第14回大阪アジアン映画祭に「みじめな人」のタイトルで出品され、観客賞を受賞


朝のラジオ番組トークで紹介されていたのを、直ぐにメモして、ネットで上映館とスケジュールを調べました。かなりマイナー・社会派、インデベンツ映画作品のようで、神奈川県で上映館は一軒、それもたった一日、横浜で残った名画座「ジャクアンドベティ」で、一か月先の2月29日です。
さっそく、部屋のカレンダーに書き込みしました。
posted by 西沢 at 08:03| Comment(0) | TrackBack(0) | シニアライフ