最近の新聞・週刊誌では、どこかしかのメディアで、退職後の資金について解説する記事が掲載
されています。これは、人生超長寿社会とか、人生百年時代とかの影響なのでしょう。
私たち団塊世代がそろそろ老後の事を考え出した、50代半ばの頃に比べると、ネットの発達もあり提供される情報量は何十倍にも増えています。
そこに登場するのが、一般的な退職者家庭の生活費、1ケ月・1年に必要な金額です。
どんな資料・統計にも使われているが、総務省の家計調査資料です。
夫65才以上、妻60才以上の無職世帯で月に244,000円と云う数字。
そして必ず付け加えられるのは、「すこしゆとりのある生活」にはプラス10万と云う数字です。
年間、420万円という数字です。
これは一般的な厚生年金受給世代の年間年金総額平均値の265万円を大幅にオーバーしています。
「すこしゆとりのある生活」ってどんな生活なのか?
総務省の家計調査の内容を見ると、実際にリタイヤ年金生活15年目の私たちから見るとちょっと修正したほうが解りやすいと思われる項目があります。
1ケ月の生活費の内訳
・食費
・水道、光熱費
・住居費
・通信費
・教養娯楽費
・被服費
・医療費
・冠婚葬祭、交際費
とありますが、私たちは1ケ月の生活費とは、普通に生きて行くに必要な最低限の費用と考えますので・被服費・医療費・冠婚葬祭、交際費、教養娯楽費のような、毎月かかるとは限らないものは1ケ月の費用から除外しています。
そして、月に必要な金額とは別に、一年間にかかる費用を別建てにしています。
・租税公課
・公的保険料(国民健康保険、介護保険)
・個人的保険料(火災保険・医療保険・車)
・医療費(夫婦二人の年間経費)
・衣服費(夫婦二人の年間経費)
・教養娯楽費(夫婦二人の年間経費)
・冠婚葬祭費
・旅行費
・耐久消費財購入費
・臨時出費予備費(戸建ての場合修繕を含む)
定年退職年金シニアの1ケ月の生きて行くだけの費用はたいしたことはないのです。
食費・雑費・光熱通信費(銀行引き落とし分)・住居費(共同住宅管理・修繕積立)の合計です。
生きて行くだけの生活保護世帯とさして変わらぬ金額、月14万円でやっていけます。
しかし、それでは本当に生きていくだけの生活、家から一歩も出ないで、毎日TVを二人で眺め、時には図書館で本を借りて読むだけの生活です。
1ケ月に必要なのは、ここに定額の夫・妻ともに必要なお小遣いです。
活動するスポーツ・趣味のクラブの会費や交通費、お友達との会食費、ちょつとした小物の購入費、映画代など自由に使える金額30,000円(夫婦各々)は絶対に必要です。
14万+6万=20万が、退職年金夫婦が生きていくのに必要な金額です。
その他の一年間に必要な費用は・となると此処からライフプランによって大きく異なります。
・租税公課 主には所得税と住民税 所得によって大きく違います。
年金が二人合わせた250万以下でその他収入ゼロならほぼ間違いなく、課税されないでしょう。
・公的保険料(介護保険)は、年金から引かれますので、最初から年金収入から引いて考える
・公的保険料(国民健康保険)は、収入によって違います、しっかりと年間予算に組み込む
・個人的保険料(火災保険・医療保険・車) これも個人差があります。
・医療費(夫婦二人の年間経費) 年間12万を予算化しています。
・衣服費(夫婦二人の年間経費)
これは、退職時に設定した、夫・妻各々生涯小遣い口座で処理するのでゼロ
・教養娯楽費(夫婦二人の年間経費) 年間各々12万、計24万を予算化しています。
・旅行費 年間120万を計上しています。
・冠婚葬祭費 旅行費から使う。
・耐久消費財購入費・臨時出費予備費 年間12万足りない場合は旅行費からまわす。
この総額が180万、つまりこの180万が生きて行くだけの生活プラス少しゆとり老夫婦には必要な金額なのです。年間420万、総務省の云う金額と合致しています。
しかし、私たち夫婦のように、夫55才、パート主婦の妻53才で退職した夫婦の公的年金では程遠い金額なので当然ながら毎年、150万円の赤字になり、死ぬまで貯蓄から引き出しになります。
現在のようなデフレ構造がこのまま続くか、インフレ率2%台なら、夫が亡くなっても妻は100才までやっていける計算ですが、それは誰にも解りません。
今の現役世代はこのような資料統計を参考にして、先ずは人生のキャッシュフローを造るのと、夫婦二人でどんな老後を過ごすかを話し合うことが必要でしょう。