日本人観光客の多い土地では、日本人観光客向けのフリーの新聞・雑誌がホテル・レストラン・御土産物屋さんに置かれているのはよく目にします。今まででも、チェンマイにこのようなフリーペーパーはあったのですが、ここ数年大きく様変わりしたのです。
目立つのは、国内の週末の新聞広告かと見間違うような「分譲マンション」の広告、不動産・手続き代行業・日本人相手の便利屋の広告まであるではありませんか。
そしてお決まりの夜のご案内です。
私たちの世代だとチェンマイは男の楽園、あの玉本さんハーレム事件の街です。
観光地と云うと、普通、若い女性グループ、オバサン中心の団体、或いはご夫婦連れが多いのですが、チェンマイのホテルロビーやフードコートで良く見かけるのは、圧倒的に中年オジサングループです。
特に、日本人男性による未成年への性的事件などでいつも話題になるホテル「チェンマイプラザ」のロビーには、一目で解る女性と日本人中年オジサンのカップルが目立ちます。
今、残っているのは、日本に帰りたくても帰れない・・・長年タイの文化に慣れ親しんでしまい、日本の都会や、地方の煩しいコミュニティ生活に戻れない独身男性、今の年金額では日本で経済的に暮らせない男性、妻や子供に愛想をつかれ帰る家庭のない男性などです。
チェンマイの一時の海外ロングステイブームは去りかけています。
タイの経済が成長し、中間層が増え、物価も上がっています。
もう、バンコクのフードコートでワンコインで食べるのは難しくなってきています。
但し、タイの人と全く同じ食生活、屋台の立ち食いや、持ち帰りなら食べてはいけますが、タイの若者が気軽に入る、和食の大戸屋ではワンコインでは難しくなつてきているのは、日本に観光で来る大勢のタイ人をご覧になれば理解出来ます。
昔は、成田に下り立つタイ人と云えば出稼ぎの若い女性だったのですから。
これは、タイに限らず、フィリピンでも同じようなことが起きています。
これらを取材した本を紹介します。
「脱出老人」日本脱出した高齢者達の衝撃ルポルタージュ!
【斜め読み】
一年中温暖、物価は日本の3〜5分の1、やさしく明るい国民性、原発ゼロ、年の差婚当た前。
日本で寂しく貧しく苦しい老後を過ごすなら、いっそのことフィリピンで幸せな老後を送りたい――しかし、 そう現実は甘くない。
恋人候補200人のナンパおじさん、19歳の妻と1歳の息子と、スラムで芋の葉を食べて暮らす 元大手企業サラリーマン、 東日本大震災を機に、東北から原発ゼロのフィリピンに移住した夫婦。ゴミ屋敷暮らしだった母親をセブ島に住まわせる娘、 24歳年下妻とゴルフ三昧の元警官。
90歳の認知症の母親をフィリピン人メイドと介護する夫婦、「美しい島」で孤立死を選んだ元高校英語女性教師……。
さまざまな「脱出老人」のジェットコースター人生を、マニラ在住、開高健ノンフィクション賞受賞作家が、フ ィリピン&日本で3年間にわたり徹底取材した衝撃のノンフィクション。
そして、もう一冊瀬川正仁著「老いて男はアジアをめざす」
熟年日本人男性のタイ、ミャンマーでカンボジアへの移住、ロングステイ事情を現地で取材して記した ドキュメンタリ−。
色と欲にまみれ、有り金全てだましとられる実話、日本から借金を踏み倒して逃亡生活、 バンコクでのロングステイヤー同士のだましあいや格差社会の話です。
この頃は、実際にリタイヤして、カミサンと二人で、バンコク・チェンマイ・バリ島・マレーシアを旅して、 このような日本人社会を多くに目にしており、終の棲家は日本であるとこを日々認識してきました。