池上彰が解説するシニアの老後資金額とは
1月6日のTV番組のなかで、池上彰が日本の置かれている経済状況の中で、数字をあげて解説していました。
日本の二人以上の世帯の平均貯蓄額は幾らか
平均は幾らか・・・1,820万円です。この金額には生命保険の時価(今解約した時の金や、株式投資などの時価も含まれています。
コメンテーターの反応は意外と多い、と云うものでしたが、ここには統計数字のカラクリが有ります。この数字は全所帯の平均ですから、低所得者も富裕層も含まれていますので、平均値は、センター値ではないのです。
そのなかで、高齢者所帯の貯蓄高も発表していました。
60代所帯の平均は、2312万円
70代所帯の平均は、2446万円だそうです。
しかし、ここにもデターのからくりはあります。
貯蓄残高が4000万を超える高齢者所帯が18.6%に対して、300万以下の世帯も15%います。
高齢者世帯にも、確実に格差は広がって来ています。
では、現実に高齢者世帯の老後、退職後の生活費は幾ら必要か?
統計データーによると、老後、退職後の20年間に必要な生活費は,5726万 一年間で286万円、一月平均23.8万円です。
では、退職後20年間で受け取る公的年金は幾らか?
夫は厚生年金で妻が国民年金の場合の平均的な値は、4,880万円。
1年で244万、ひと月20万円ほどです。 つまり1か月4万円ほど足りない計算になり、自助努力・自己資金・或いは働きなさい。ということです。
一年間で夫婦二人286万円の生活ってどんなものか?
今年70才になろうとしている私たちの実際の感覚で云うと、286万円では、喰って、寝て、公的な税金・保険料を支払うだけで精いっぱいの生活で
とてもゆとりのある生活は出来ません。1年に二回、近場の温泉に行けるかどうかです。
世間一般に云われている、退職後の老後生活、趣味やスポーツ、生き甲斐を求めてのボランティアをし、ゆとりある老後を過ごすには年間400万円は必要です。公的年金さの差、月10万のマイナスは、蓄えから崩すのが、現実的な退職高齢者の生活なのです。
現在の高齢者世帯は、なんとか現役時代の蓄えで生活できますが、この先の超高齢者社会社会では、高齢者を支える世代の貧困化、少子化、格差の拡大で、何時かはこの高福祉社会が破綻するのではないか、これは政治家だけではなく、国民全体で考えていかねばいけない、と池上彰は最後にまとめていました。