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2020年04月17日

地元・地域支援NPO団体を退会、ボランティアを卒業します。

NPOセンターの設立の経緯

55才で早期退職した翌年、鎌倉に終の棲家を求め引っ越してきてから、地域の市民活動団体を支援する中間NPO組織に参加しました。
当時、私は退職2年目56才、団塊世代の一斉退職が時代騒がれていた時代でした。
このNPO団体は、当時、全国初の官設・民営の「市民活動センター」設立と云うことで全国から注目を浴びていました。
鎌倉と云う土地柄、古くから市民の自治意識、環境保全意識が強く、近隣の大都市に比べて多くの市民が立ち上げた、市民の為の団体が存在し、これら団体がもっとも多く望んでいたのが、活動拠点・会議・集会の場所でした。鎌倉市が場所を提供し、運営を民間NPOに任せたのが、私が定年後に参加した中間支援NPO組織でした。
理事会役員、運営スタッフの多くは、これまで独自に活動してきた市民活動メンバーです。
この当時メンバーの多くは女性でした。男性の数は、全体の3割以下でした。

初めてのNPO企画参加は



私がNPOで最初に参加した企画は、市提案の市民団体との協働事業「団塊プロジェクト」です。
2006年から2010年にかけて、大量退職する団塊世代の男性を如何に、地元の市民活動に参加してもらい、市民活動全体を活性化させるかと云う、プロジェクトを一年間かけて、市の課長以上のリーダーと、私の所属する中間支援NPOおよび、市内の環境保全・子育て女性の参画・IT支援などの団体から出向者で行ってまいりました。
一年間かけての成果は・・・
思ったよりも、団塊世代の参加は少なかったです。
理由は、団塊世代は60才で退職せず、そのまま働き続けてきたからです。
この「団塊プロジェクト」に集まってきたのは、すでに退職している65才から70才の男性が圧倒的に多かったのです。

このプロジェクトで学んだことは。
退職男性の「いきがい」「居場所」の創生が必要だということです。
※この時点では、2020年の現在問題となっている、老後の仕事としての収入・報酬は問題視されませんでした。
鎌倉と云う土地柄、退職者男性の多くは一部上場企業の退職者が多く、私たち団塊世代からみるとかなり裕福の方々が多かったのです。
この官製の団塊プロジェクト自体は、消化不良で終わりましたが、このプロジェクトを通じて多くの市民活動団体のリーダー的存在のシニアの方々とのつながりが出来ました。

指定管理制度の発足からNPO組織は変わり始める
そして数年後、今までの官設・民営の「市民活動センター」は、時の政府、地方自治体の経費節減の経営的な流れから「指定管理制度」に切替えられました。
市からの年間予算額を提示され、これまで委託されてきた「市民活動センター運営会議」と云うNPO団体は、これに入札応募し運営することになって生じた問題が、スタッフや事務局など実務を担当したきたメンバーの報酬が、労働基準法の規制範囲内になったのです。
これまで、基本的にはこの中間支援組織の会員は「自ら申し出た無償の善意」にたいしての謝金と考えられていたのですが、これからは労働者として処理しなくてはならないのです。
そして、パート、臨時扱いであったスタツフにも次々に社会保障費の負担が増えて参りました。
これに伴って発生した問題が、現在の私が退会する大きな理由の一つにつながっていくのです。

有償ボラと無償ボラの壁



同じ組織、同じ目的を持って集まった市民活動団体の会員の間に、無償ボランティアと有償スタッフと云う大きな壁・境界が出来上がってしまいました。
常に、これは指定管理の仕事だからセンターに登録されたスタッフの有償業務と、これは指定管理を請け負っている団体の自主事業の無償の仕事と区別するようになってしまいます。
一般的な事務・受付、イベントの開催などでしたら、区分けは出来るのですが、専門的知識・技術が必要とされる業務が発生した時が問題です。
センターは、そのような時に指定管理を支えている母体NPOのメンバーに頼るか、外部に委託するかのケースが発生します。
母体NPOのメンバーに依頼した時は、ボランティア無償、外部に委託した時は有償というケースが発生します。
センターの公式フェースブツク立ち上げの際に外部から講師を招き、運営とスタッフ教育に2万円払ったという話を聞き、耳を疑いました。
フェーブックの立ち上げ・運用専門家?それって誰、どんな経歴の人。
そんなのは今時の中学生だって出来るし、母体NPOのメンバーのなかに幾らでもいるし、無償だし、私たちの間では当然の疑問ですし、ホームページとかIT技術に関しても同様です。
外部に委託すると有償、内部に頼むと無償というのがまかり通ってしまうのです。

最近の退職者男性が求めるものは



5年程前から、地元のNPO団体組織に参加する退職男性の様相が変わってきています。
私たち団塊世代の男性がこのような地域のボランティア団体に参加する理由
1,地域貢献、人と人の繋がり、生き甲斐を求めて。
2,自分の居場所探し でした。
しかし、5年前ほどから増えだしている、退職シニア男性は
上記に最優先して「報酬」「肩書」「名刺」を欲しがります。
家に居ても、家族に煙ったがられる、65才はまだ若いのだから、外に働きに行ってよ、という社会風潮が広がっているのです。
このような男性は、地域のボランティア組織に入るさい、必ず報酬を気にします。そして原則ボランティアと云うと、交通費ぐらいは出してよ、と先ず半分の方が云います。
確かに、公的年金は年々減っており、数年前の理事・監事世代から比べると25~30%ていど低いのは事実ですが、それでもほとんどの方は東証一部上場企業の管理職クラスでしたから、生活に困るようなことはないのに。

70才定年制について
人生100年時代と云う言葉が使われ、本気で90才から100才までの老後資金を心配されている方がおられます。
65才定年はまだ若い、75才過ぎまで十分現役で働ける・・・本気でそう思っている!
団塊世代は古稀を過ぎると理解します。
日本の男性の健康寿命は70才です。
65才定年でいくと、健康的に、気力・体力・好奇心に溢れ、自分のしたい生活が実現できるのは70才までの5年間しかないのです。
70才古来、稀なりと云われる齢を過ぎると、何らかの制約が発生します。健康面・体力面・何かを追い求める力などなど。
経済的に許されるのであれば、50~60才定年が最も望ましい姿だと、私には思えます。

前々から私たちのNPO団体は、理事或いは事業部リーダーの70才定年制を推奨してきました。
しかし、現在守られていません。
大きな理由のひとつが、人材不足です。
今、退職を迎え、地元に戻り、地域のボランティアNPOに参加する方は65才定年でも、まだ報酬を求め続けている70才近い方ばかりです。
一律に70才定年はもう古い、70才は若い、定年を75才に変更しようと云う意見が多く聞かれます。が、発するのはお年寄りばかりで、若い世代からは聞こえてきません。かれらと、団塊世代のオジサンの間では、全てに関しての感性や、考え方の基準が違うのです。
下の世代は、70才だから辞めてくれ。と云ってるのではなく、「もうあなた達の考え方古い、道を譲りなさい」と云ってるのです。

ですから、弾き飛ばされる前に、引退勧告される前に、惜しまれているうちが華と、72才で現役を退きます宣言を、かなり発信力のあるブログ上で発信します。
これからは、これまで支援してきた市民活動団体のweb・ITのフォロー、支援の為の任意市民活動団体を設立し、仲間たちに呼びかけ、理想的なボランティア活動をする予定です。

ブログ管理人のホームページ
団塊世代の海外ロングステイと定年後の過ごし方
posted by 西沢 at 08:27| Comment(1) | TrackBack(0) | シニアライフ
この記事へのコメント
新しいNPOの立ち上げ、参加させてください。スキルだけでなく、今までのNPOでの経験も他山の石として学ばせてください。
Posted by 2424 at 2020年04月17日 09:44
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