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2019年11月30日

インドネシアのバリ島で日本人女性が何者かに襲われ、重体の報道

久しぶりにバリ島とかデンパサールとかの地名をメディアで聞きました。
16年前、55才で退職した直後、海外ロングステイ候補地の一つとして、現地のホテルも航空券も自分の手で手配し観光目的ではなく、定年後の人生の一時期を過ごす場所として、3週間の予定で夫婦ででかけたのが、インドネシアバリ島でした。
事件の内容は、特に日本のTVニュースで大きく取り上げるほどの事件ではなく、観光地バリ島では普通によくある、無防備な観光客が遭遇する事件です。

事件の内容はFNNプライムニュースより引用

日本人にも人気のリゾート地「バリ島」。美しい海と、5つの世界遺産を有する、インドネシア屈指の観光地。そのバリ島で、事件が...。
バリ島南部の街・デンパサールで、現地時間25日午前8時ごろ、38歳の日本人女性が、滞在先のアパートの敷地内で倒れているのが見つかった。
その後の調べで、女性は、2階にある自分の部屋から転落したことが判明。
女性は、頸椎(けいつい)の骨にひびが入る重傷。
バリ・デンパサールの警察署長は、「これが強盗かどうかは確認できていない。なぜなら、被害者はショックを受けていて、何が起きたのか、彼女に確認できないからだ」と話した。

デンパサールは、バリ島の中心地で、多数の滞在者向けアパートがある。
その街で起きた今回の事件。

転落した女性の首には、絞められた跡があったことから、現地警察は、強盗事件に巻き込まれた可能性もあるとして捜査している。
警察署長は、「われわれは、すでに防犯カメラを入手している。何者かが茂みに隠れようとし、彼女の部屋まで尾行していた」と話した。
地元の新聞も、この事件を大きく報道。強盗が侵入し、女性の首を絞めたあと、女性が転落するまでの様子をイラストで伝えている。
また、アパートの警備員が、助けを求める女性の声を聞いたとする地元メディアの報道も。

女性一時は受け答えができない状況だったということだが、現地の日本総領事館は、FNNの取材に対し、「病院の話として、命に別条はないようだ」と話している。
日本総領事館は、現地在留の日本人に、在宅中は、戸締まりを確実に行うよう注意を呼びかけている。



このような事件が起こると、現地の知り合いのバリ人ガイドは口々に
「ジャワ・スマトラから出稼ぎがやった来たインドネシア人がやった事件」
「バリ人は絶対にこのような事件は起こさない」と云います。
バリ島は、イスラム教のインドネシアにありながら、土着色の強いバリ・ヒンドゥー教の島なのです。彼ら、自分たちをインドネシア人と呼ばずにバリ人と呼びます。
言葉も勿論、基本・公用語はインドネシア語ですが、家庭内や集落内ではバリ語です。
彼らバリ人が絶対にこのような外国人に対しての凶悪事件を起こさないと、云い切れるのか?
明白な、経済的な理由があるからです。

balimap.jpgバリ島は、インドネシアのほとんどを占める、ジャワ、スマトラ、カリマンタン(ボルネオ島)、スラウェシ(セレべス島)からみれば、ほんの小さな島で本島との経済格差が大きいのですが、それでも、インドネシア全体からみれば、豊かな島と云われています。
理由は、外国人観光客の多さと、それに投資する外国観光資本があるからです。
且つて16年前、私たちが定年後のロングステイ候補地を求めてかなりの頻度で来ていた頃は、ーストラリア人と日本人観光客が、バリ島観光客の大半を占めていました。
その頃、バリ島の繁華街レストランで、イスラム過激派によるテロ・爆弾事件が起こり、観光客の姿が一気に減り、バリ島の経済の落ち込みは悲惨な状況になりました。

この頃、バリ島に来る日本人観光客の大半は、女性でした。
とにかく、日本人女性はバリ島の男性に大もてなのです。
理由の一つは、日本とバリ島の経済格差です。
バリ島の家庭では、息子が日本人女性とお付き合いを始めると、親戚一同、この結婚成立の為に全員一致団結して協力するのは当たり前でした。
欧米の女性と違って、従順でやさしく、家族を敬い、褐色の肌の男性たいしての偏見、差別もなく、何よりも日本人女性は自分たち家族全員の稼ぎの何十年分にも相当するお金を持って嫁に来てくれるのですから。

でも、どうして、定職もまないビーチボーイのバリの男性に日本人女性が惹かれたのか?
一つは、日本人男性にはない、優しさです。
かれらは、結婚にこぎ着けるまで、徹底的に彼女らに誠心誠意尽します。
現代の日本人男性が持っていないものを持っているのです。
しかし、結婚後の現実はかなり違っているのを、私は多く見ています。
結婚しても、働かない・・・ほとんどこれが現実です。

baliyado.jpgほとんどの日本からのお嫁さんはバリ島では莫大な価値の持参金で、ロスメンと云う民宿を始めます。私が、退職後始めて3週間宿泊したロスメンは二人で一泊朝食付きで、1600円、15ドルでした。詳しくはhttp://www.tt.em-net.ne.jp/~soy7686/bali.html
それでも、ロスメンとしては日本人シニア夫婦が長期宿泊する高級の部類で、実際には10ドル以下が普通でした(その頃は)或いは、日本人お嫁さんのお金で、お土産物屋さんを営んだり、車を買って旅行社として独立したりするのが普通でした。

ですから、日本人観光客に危害を加えることは、バリ島全体の経済に影響しますから、普通は絶対にあり得ないこと、タブーなのでした。若し、自分の身内からそのような日本人女性に対する犯罪を起こした場合、本人だけでなく、一族郎党、バリ島に住めなくなるくらいのバリ・ヒンドゥーの社会が存在しているのです。

しかし、もう10年もバリ島に行ってませんが、聞こえてくるのは、日本人観光客の減少、それに反比例して増えている中国本土系の観光客の増加だそうです。
その兆しは、私がバリ島に頻繁に通っていた末期、10年前ほどから感じていました。
長い付き合いの日本語ペラペラ、メールも漢字で書いてくるガイドの青年が、今、独立を考えてて、弟に韓国語と中国語を学ばせたいと云っていました。

そんなバリ島で起きた事件、久しぶりに聞く日本人女性への犯罪。
そんなに日本のTV局が朝夕のニュース番組でとりあげるほどのことはないのでは、これがアメリカやブラジルで起きていたらこれほどのニュースになっていたでしょうか?と考えてしまいます。

バリ人を擁護する訳ではありませんが、バリ人は、自分たちの生活基盤の日本人観光客をターゲットする犯罪は先ず起こしません。
やるのは、インドネシア本土から来た出稼ぎ、ジャワ人、スマトラ人でしょう。
もし、何か懇意、親しく接するような現地と人と知り合ったら、さりげなく、地元の人に、バリ人なのかどうか確かめても良いでしよう。
posted by 西沢 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | シニアライフ
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