敬老の日って、二人の両親が亡くなってからは、全く無縁の日で、9月の第3月曜日が何の祝日・祭日なのか全く興味が有りませんでした。
しかし、違ったのです。古稀を過ぎた団塊世代の私たちのこれからの老後を気遣い、長寿を祝う、国民の祝日なのだそうです。

子供の頃、昭和30年代、家にお風呂のある家庭はごくわずかで、町内には必ず一つは銭湯がありました。
私の家は、貧しく、お風呂は週に3日でした。
近くの銭湯に、男兄弟3人でよく出かけました。
商売をしていたので、父親と一緒に銭湯に行ったのは、大晦日の夜しか記憶にありません。
成長して、上京して一人アパート暮らしを始めても、この週に3回のペースでしたし、やがて南米に渡ってからはバスタブの生活はなく、全てシャワーで済ます生活が、20代半ば帰国まで続きました。
やがて結婚し、二人が住んだのは上野池之端の四畳半・三畳二間の風呂なしアパートでした。
この時、初めてカミサンから、風呂は毎日入るもの、下着は毎日着替えるものと知りました。
それ以前は、下着の着替えは風呂に入った時にするもの、それが日本人の常識だと思っており、如何に自分の育った家庭環境は貧しかったのだと、思い知らされました。
当時、巷で流行っていた唄は、「神田川」でした。
二人で街の銭湯に行き、帰りの時間を決めていたのに、「何時も私が待たされた・・・」
「若かったあの頃、何も怖くはなかった」・・・まさにあの唄の世界でした。
やがて、日本経済の高度成長期。
高度成長・バブルを牽引する建設業界の一角に籍を置いていた私たちは、当時最先端の駅前大開発の一期目の高層マンションを購入し、普通の標準的な日本人として生活をするようになりました。アパート住まいの狭いお風呂から、いつでも入れるセントラル給湯のバスシステム、オール電化キッチン、全ての部屋にエアコンのある生活が、当たり前となり、銭湯は遠い昔、昭和の世界の思い出となりました。
先日、地元の商店街の裏通りを歩いていて、銭湯を見つけました。
15年この街に住んでいて、銭湯があることをは知っていましたが、「あーここなんだ」と初めて知りました。
今、銭湯って幾らなんだろう・・・
そう云えば、市からのお知らせで、高齢者むけにサービス券の支給があると聞いていたけど・・・そこで調べてみました。
(1)サービスの内容
65歳以上の市民の方に、市内の公衆浴場(銭湯)の利用助成券をお渡しします。
助成券をお持ちになると、1回につき200円で入浴できます。
(2)お申し込み先
高齢者いきいき課いきいき福祉担当または、各支所にてお申し込みできます。
※保険証等本人確認ができるものと印鑑をご持参ください。
※原則としてご本人及び同世帯の家族の助成券のみ交付します。
(3)利用上の注意
助成券は切離さず浴場にお持ちください(切離すと無効です)。
お渡しする助成券は一人 年一冊(72枚綴り)です。
助成券は他人に譲渡することができません。
紛失等などでの再発行はいたしません。
なんだ無料じゃないんだ、通常入浴料470円のところ200円になる
72枚綴りと云う事は、72×200=14,400一度に払うことになる、確かに正規料金よりも19,440円お得。でも、これって本当に銭湯が必要な風呂のないアパート暮らしの高齢者、生活困窮者向け行政サービスなの?他の自治体では、高齢者に対して無条件で無料としている所もあるのに。
この質問を市役所に勤める知人に聞いたところ「鎌倉市では高齢者向け施設に無料の大浴場があるので、そこで対応している」とのお答えでした。
しかし、実際にはこの施設は市のはずれにあり、車がないと利用しにくい場所にあるのです。

65才で退職し、地元に帰って来た元サラリーマンシニアは、当初、自分の生き甲斐、居場所探しをします。
やがて、70才を超え体力・気力・好奇心が衰えてくると、趣味にもスポーツにもボランティアにも飽き、幻滅し、最終的に自分の部屋が一番居心地が良いのですが、家族、特に伴侶に家に閉じ籠るな、健康管理の為に1日数時間は外に出ろ、と云われ居場所探しの末に行きつくところはお金がかからない、図書館、公民館、公園、ショッピングセンターとなるのです。
街の銭湯をみつけた時、「あ、この場所はいい時間つぶしになるな」と考えるのは不思議ではありません。
でも72回綴りの14,400の価値はあるのか?
72枚と云う事は、月に6回。そんなにわざわざ自宅から20分もかけて行くか?
この季節、風呂上りはまだ暑く、自宅に帰ってまたシャワーを浴びることになる。
車で行くと駐車場代がかかるし。
せめて、72枚綴りではなく、無料とは云わないけど、各回200円払いにしたら、覗いてみて、時間つぶしになるかどうか判断出来ると思うのですが・・・・
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