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2017年12月21日

定年後シニアの海外ロングステイ・海外移住に未来あるか

定年後の退職サラリーマンの海外ロングステイについて、これまで15年以上、コメント、発信しつづけた立場から、このブログで数回にわたって掲載致します。 

long4.jpgロングステイを目指して14年
「定年後の年金シニアの為の海外ロングステイサイト」を立ち上げたのは、2003年、55才で退職した時でした。
現在2017年、あれから14年たち、私たち団塊世代はもう直ぐ70代にはいろうという年齢に なります。老齢化と共に、海外旅行の価値観の変化・年金受給環境の変化と、何よりも55才の時には想像もしえなかった 気力・体力・好奇心の変化、減衰を実感しています。


聞こえてくる海外ロングステイ滞在者の高齢化
タイ・チェンマイ、マレーシア・ペナンのホームページや、日本に帰国してくる方から、日本人単身移住者の高齢化に よる、現地日本人クラブの相互サポートや援助のお話が多く聞こえてくるようになって来ています。
日本国内なら、ある程度の行政によるサポートもあるのですが、滞在先現地の人たちから「余裕のある外国人」とみられ いますし、日本人会・日本政府在外機関からも同様に「自分の意志で来た、財力のある、海外生活を楽しむ日本人」 と認識されていますので、政府が保護・援助すべき対象とみなされていないようです。

海外ロングステイの経過
始まりは1989年、当時の通産省が打ち上げた「シルバーコロンビア計画」が、日本人の 海外ロングステイの発端でした。
定年を迎えた人が退職金や年金で豊かな新天地で過ごす。対象地はスペインや南欧。プラザ合意で 急激な円高が進みバブル期を迎えていた時期でした。 しかし、この計画は失敗しました。

理由・原因は
1,スペインがユーロ経済圏に入ったことによる、物価上昇
2,元々、この地域はヨーロッパのお金持ちの避寒地であり、中途半端なアジアの小金持ちが住むにはヨーロッパラテン文化 は合わなかった。
3,日本は老人まで輸出するのか、と云うヨーロツパメディアの批判記事がでたこと等
そして1992年、通産省の外郭団体「ロングステイ財団」の設立
当初、定年後の海外ロングステイ先は、美しいビーチや公園のある、安全でインフラが整っている白人国(オーストラリア・カナダ・ハワイ)が対象でした。
この頃の定年退職者は、戦後の日本経済の発展をけん引して来た世代です。
戦後のアメリカ・ヨーロッパ文化に憧れ世代、英語が喋れることがエリートと思われる世代、海外駐在が 会社内の出世コースだった世代、 殆どが高学歴・一部上場会社の役員経験者や、駐在経験がある方たちの 海外旅行の延長と云う形が多かったようです。

2000年に入ると、円は100円以下が当たり前の時代に突入し、定年後の海外ロングステイは一部の余裕のあるサラリーマン 世帯ではなく、普通の日本人世帯が二人の国民年金で暮せる、厚生年金なら 週3回のゴルフ三昧で貯金が出来ると評判のアジアにシフトして行きます。
この意識・考え方は、マスメデスアの短絡的・興味本位の報道で根強く残り、2016年現在でも、退職後の一時期或は、 完全移住して、 年金だけではやっていけない老後の日本社会を 離れて、のんびり・豊かにアジアで暮らそうと考える方はまだ沢山いらっしゃいます。

ロングステイ出来るのは一部の人だけ?
2017年現在、「夫婦共に厚生年金・共済年金受給者」でないと、 アジアでは勿論、海外で年金だけでは暮していけないのは明白です。
原因の一つと云われているのが、緩やかなコントロールされたインフレを目指すアベノミクスです。 円レートが下がり、年金の現地手取りは2割下がる上、アジア各国は、経済力増し、所得と共に物価はあがり続けており 昔は大型ショッピングモール内のフードコートでのランチを夫婦二人で5ドル程度で食べれたものが、今や一人5ドルのワンコイン では、食べれません。

海外ロングステイは、海外に別所帯を持つことです。
数千キロ離れた海の向こう、パスポートと飛行機でないと行けない、言葉も文化も違った場所に賃貸かも知れませんが、 生活の拠点を持つことです。
現役時代に団体パックの短期の観光旅行しかしたことのないご夫婦が、定年後の一時期、海外で暮らしてみたいと云う 気持ちは良く理解出来ますが、先ずは個人手配で数週間のホテル滞在をする、お試しロングステイをすることをお奨めしています。
海外滞在している間でも、日本での基盤となる生活すべてに費用が発生していることを知り、二重生活の経費を改めて 実感することになるでしょう。

健康問題を考える
海外ロングステイを夢見る年代は、概ね、50代後半から60代前半です。
この年代では、自分の健康に自信を持ち、自分が長期入院生活を送ることは想像もしてません。
しかし、特に男性には確実に還暦を過ぎると徐々に体力の衰えを感じ出します。そして高齢者と正式に呼ばれる 65才を過ぎると、衰えは日々、加速度的に増して行きます。
海外ロングステイを扱うツァー企画のなかに、おしなべて現地の医療事情を紹介しています。そして、日本語の出来る 医師・看護婦などの存在をアピールしていますが、当然ながら医療費は日本国内の数倍・数十倍します。
少しでも健康に不安がある方、持病がある方は海外ロングステイはあきらめ、短期の観光旅行それも、大手の団体ツァー に留めるのがベストと考えます。

海外ロングステイは死語になるかもしれない
50才以下の人は、そもそも年金をあてにしていない、と云われています。
若い世代から見れば、「団塊・バブル勝ち逃げ世代の戯言」と思われているフシがあります。
ふざけるな! 勝手に海外に憧れて行って、病気や為替差損で年金だけで生活が出来ないと云っても自業自得と、私の 40代の甥っ子はきっとそう思っているでしょう。
posted by 西沢 at 07:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ロングステイ
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