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2019年06月01日

定年後、住まいの引っ越しの勧め タワマンは買ってはいけないか

最近、月に二回、二駅離れた街の歯医者さんに通っています。
この歯医者さんは、現役時代21年間住んでいた横浜新駅駅前の長巨大マンション群の一角にあります。
世代が近く、ボロボロの手入れを怠った私の歯をケアしてくれる気心の知れた歯医者さんなので、地元の鎌倉ではなくわざわざ電車代を払っても、この先生にお世話になっています。
この日、先週買った超小型ビデオカメラを持って、35才の時から退職した55才まで住み、そして16年経過した、この巨大駅前開発マンション群をビデオに収めてきました。

man-y.jpg16年前、自宅マンションを売却した時は、この駅前マンション開発はまだ100%完成していませんで、奥へ奥へと建設ラッシュが続いていました。
不動屋さんに売却を依頼した時、
「どうして、これからまだ発展し続けるこの街を去るのですか?」
「中古マンション不況で、売却が難しいと云われていますが、このマンションなら10日で買い手がつきます」
「もし、宜しければ、不動産屋の営業マンとして、この時期売却する理由を教えて下さい」
「何処へ引っ越しなさるのですか?」


確かに、中古マンション不況で売りにくい時期でしたが、正式依頼した2日後に希望価格で売却が成立しました。それほどの人気の高い、発展が期待される土地柄と、交通の便の良さと、バブル崩壊の底値の時期だったのです。

これほど、人気の何でも揃う、駅前徒歩5分のマンションを売ったのか?
理由は、「便利すぎる」が一番の理由です。
駅も、バスターミナルも、大型スーパーも、老舗デパートも、病院も、行政施設も、全て徒歩5〜10分範囲にあるのです。
現役時代は、朝早く東京都内に出勤し、帰宅は早くて夜の9時の生活には確かに便利なのですが、いざ退職し、365連休、サンデー毎日の日々になると、自宅のベランダの下は、駅に急ぐ通勤の人々の姿、風邪に乗って駅構内のアナウンスが聞こえてきます。
日々の買い物にしても、全て目の前に揃っています。
現役時代の便利は、定年後、何もすることのない日々にとっては、或る意味「プレッシャー」になります。55才、まだまだ十分に現役世代なのに、昼間っからブラブラ、まるで引き籠りのような生活になるのを恐れました。

戸建ては住みたくないけど、静かな、落ち着いた、緑の自然に包まれた定年後ライフを送りたい
でも田舎は嫌、交通・買い物・医療の不便な所は嫌、都内中心部まで乗り換えなしで1時間以内、
でも埼玉は嫌、千葉は嫌、価格は、横浜のマンションを売った価格に引っ越し代、新しい家具をプラスしても1,500万以内と設定し、現在の住まいとなりました。

man-k.jpg5階建て、52戸の小さなマンションです。
横浜のマンションに何度来ていて、知っている姪っ子は、新しい我が家を見て云いました。
・外観も、内装も前のほうがづっと良かった。
・普通の賃貸アパートみたい
・最寄り駅前は、普通の商店街で、おしゃれな店もない。

 でも、ベランダからの風景をみてみろよ、目の前が桜の公園なんだよ。
 午前中は、幼い幼児をつれた若いママが三々五々集まってくるし
 放課後になると、子供たちの走り回る姿が見えるよ
 後ろの森からは、毎朝、小鳥のさえずりが聞こえるし、ウグイスなんて、
 うるさいくらい泣いているだよ
 朝は、目の前の丘から陽が昇るし、月も星も、リビングからみえるんだ。


私の住む、田舎と同じジャン。と姪っ子

そして先日、NHKクローズアップ現代で、今首都圏で起きているタワーマンションのの異変について、特集していました。

いま、都会のマンションに“異変”が起きていることをご存じですか?
人気が衰えない新築マンションの平均価格はバブル期以来の高い水準。
しかし、その一方で、所有者がいるのに空いたままの「空室数」が過去最高を記録。
老朽化に悩む“空洞化マンション”も目立ち始めています。
さらに、都心を中心に急増するタワーマンションでも、「修繕積立金が十分ではない」という危機感を抱く管理組合まで・・・。
マンションの価格高騰の裏でいったい何が起きているのか?
そして、私たちは、「マンションの終活」とどう向き合っていけばよいのでしょうか。



この問題は16年前、横浜から鎌倉に住み替えた時、既に予測していました。
21年間、巨大マンション群に住み、固定資産税・共益費・修繕積立金の高さをは実感していました。おまけに、駅前と云う立地から敷地内駐車場は少なく、16年前、一台40,000円もしていたのです。
私たちの駅前大開発では、街区毎の管理組合と、プロジェクト全体の管理組合がありました。
マンション購入時、広いエントランスロビーが宣伝され、住民用の会議室、図書室、ゲストルーム、フィットネスルームなどが重宝されると思っていましたが、利用しなくてもこれらの維持には私たち住民の共益費、光熱費が一生続くのです。
修繕積立は、私たちの街区の場合、多少高額でも修繕の都度一時金を払わない、生涯積み立て方式だから良かったのですが他の街区では、入居初期費用を抑える為に、比較的安く設定されていたようです。

そして、タワーマンションの費用の問題
友人がタワマンに住んでいます。一番の問題は、共益費の中の電気代の高さだと云います。
高層マンションですから、エレベーターが何基もあります。高層マンション住む人々のクレームの一つに、エレベーターが直ぐに来ない、待たされるということが取りざたされ、新築設計段階から、高級といわれるタワマンほど台数が多いのです。
これらが、月々の電気代を圧迫しています。
共用スペースが広く、多いほど、電気代も清掃人件費もかかります。
一番の問題は、大規模修繕にかかる、仮設足場代なのです。
法律では10数階以上の建物に対して、良く見かけるパイプ鋼材足場は設置出来ません。
全て、屋上からの何らかの形の釣り下げゴンドラによる作業になり、タワマンの大規模修繕のネックとなっています。

私の定年後のマンションとして選択したのは5階建て、52戸の姪っ子からシンプルな賃貸マンションと見られた物件です。
広い、豪華な共用スペースはありません、緑溢れる内庭もありません。
カミサンは、お友達を呼べないというほどシンプルな、立地だけが自慢の物件なのです。
既に16年経っていますが、大規模修繕は行っていません。
52戸の住民の平均年齢は低く、入居当時平均は40才を割っていました。
現役のサラリーマンが多く、法律・金融・建築の専門家もいます。
大規模修繕は10年毎と云うのは、建設会社や管理会社が勝手に決めたルールで、全く根拠のない数字なのです。
毎年こまめに、自分たちの積み立てた範囲でやっていけば良いのです。
私たちのマンションの場合、5階建てですから、仮設足場は組みませんでした。
ですから、仮囲いの黒いシートも蔽いませんでした。
屋上からの一人作業用電動リフトでの上下移動で済みました。

52所帯ですから、大型タワーマンションよりは、一所帯辺りの共益費は高いか?、いいえそもそも共用部が狭い、小さいので、圧倒的に安いです。
私の住むマンションの共益費・修繕積立合計金額は一か月38,000円です。
以前住んでいた横浜のちょうど半分程度です。

退職後、住環境を代える、引っ越すと云うのは大きな決断がいります。
それに、お金もかかります。
後何年、この地で二人でどんな老後の過ごし方をするか、先ず話し合って下さい。
最後に、老後は戸建てかマンションか?
我が家の場合、固定資産税+共益費・修繕積立で年間630,000円と云うことをお伝えしておきます。この費用をどうとるか、考えるかは、人それぞれでしょう。
posted by 西沢 at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | シニアライフ
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