毎週毎週、同じような内容なのに、それでも実際に買って読む人が多いのでしょう。
お互いに高齢者となり、活字離れは進み、なかなか昼間、リビングや自分の部屋で本を読む機会が減っています。
今、我が家のブームは、早めの夕食後、ぬるめの39℃のお風呂に入り、タイマーを1時間にセットして本を読むのが流行っています。
一時間してお風呂から出てきたカミサンは、自分の部屋に戻って再び読み始めていました。
「今度の本のテーマは何なの、そんなに面白いの?」と聞くと
「子供のいない私たち夫婦にも当てはまる話なの、そうだよねと共感する内容ばかり」
「何の話なの?」
「お葬式、遺産相続、介護。シニアの三大テーマよ、読み終わったら貸してあげるわ」
かなり分厚い350ページの本を2日間で読み終えたカミサンから借りて、読んでみました。
粗筋は・・・40代の子供のいないご夫婦の話
東京下町生まれの主人公の主婦と長崎の旧家出身の夫は、東京で知り合い結婚し、東京に住んでいました。夫の転勤で、故郷長崎に引っ越しし、港の見える高台に家を新築し、東京と違った地方の暮らしを楽しんでいました。
主人公の女性は、知らない土地ながらも、長崎の名家の姑さんは、東京下町の定食屋を営んでいる実家の母と違って、上品で教養もあり、実に良くしてくれます。子供がいないので、パートとして勤めたタウン紙も面白く、友達も出来て楽しい長崎の生活でした。
しかし、夫が長崎市内のビジネスホテルでクモ膜下出血で急逝します。
どうして、東京に出張のはずが・・と云う疑惑を考える暇もなく、葬儀が進行していきます。
お葬式は、全て長崎の名家である夫側の姑さんの手筈で旧家に相応しい規模で進みます。
お葬式の費用は全て、夫の実家が負担してくれました。
お葬式が終り、今後どうしようか、このまま長崎で暮らすか、東京に帰るかと思案します。
新しく建てた港の見えるこの家が気に入っていたし、パートではあるが遣り甲斐のある今の仕事も好きだし、この家で暮らそうかと思っていたら、突然自宅に大きな立派な仏壇が届き、姑さんが現れました。
家を建てた時に、合いかぎを渡していたのです。
大きな立派な仏壇は、港の見えるお気に入りリビングの隣の和室を占領するように置かれました。その後、姑は彼女の留守にも上がり込んで、その仏壇の前で泣き崩れているのです。
49日が過ぎると、納骨です。
姑と夫の実家の墓地に行くと、墓に夫の名が刻み込まれていました。
そして、姑に、「私たち夫婦もこのお墓に入るのよ、貴方の名前も今回入れてもらったわ」と云われ、墓誌の裏をみると赤く刻んだ、自分の名前がありました。
私はこの地でずっと暮らし続ける運命なのか・・・と思案する主人公
夫の実家には両親と、引き籠りの40代独身の妹がいます。
やがて、舅が認知症を発症しているのを知ります。
葬式と仏壇の費用の裏返しは、この先年老いた夫の両親と引き籠りの妹の世話・介護なのだと悟るようになります。
この土地は好きだし、この家も好きだが、40代半ば以後の人生を、自分の知らない裏が垣間見える夫の両親・家族の為に捧げなくてはならないのか・・・と考えるようになります。
結末は買って読んでください。
読後感想
この小説の物語設定はかなり私たち夫婦に似ています。
子供のいない夫婦、二人とも実家から離れて都会で生活している。
伴侶が逝っても、残されたほうは贅沢は出来ないものの、ある程度の生活は維持できる経済環境にある違うのは、二人ともにお互いの両親の介護経験もなく、両親のお葬式も終わっていること。そして、葬儀・お墓に関しては、少なくとも私の実家のほうは、地縁・血縁関係が薄いので全く無頓着。お葬式にしても、亡くなってから知らせてくれればそれで結構と云う間柄です。
カミサンのほうは、それで済ませられるかどうかは、その時にならないと解りませんが、しかし、99%私が先なのでどうでもいいと思っています。
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「もし、私が先に死んだら、貴方の家のお墓には入れないでください。貴方が先に死んで、お墓で待っていてくれたら、入ります。」
でも、私が先に死んだら、確かめようがありません。