土曜日の夜18:30分上映とあり躊躇しました。
退職シニアおじさんには、土曜日の夜にわざわざ、お金を払って出かけたくはないのです。
でも、ドキュメント映画の内容を見て、その場で前売り券を購入しました。800円は安い。
この映画を造ったのは、日本人女性の小川真利枝さん、撮影・監督、ほぼ全てお一人でやったようです。映画会の後、会場での小川監督のお話のなかで、この映画を造った動機について語っていました。
昔、バツクパツカーとしてチベットラサに滞在した時、荷物のなかにダライラマの本をいれておいたのを中国公安に見つかり、数日、暗い地下室で尋問を受けたそうです。
大きな声で毎日、耳元で怒鳴り続けられ、「ダライラマはテロリスト」「国家を分断する政治活動家」と罵っていたそうです。
小川監督は、学生時代からチベット文化、チベット語に興味を持っていて、ついかラサに留学を考えていたのですがこの事件以後、留学ビザは無理とあきらめ、それならチベット民族がダライラマとともに住む、インドのダラムサラに留学を決めました。
そこで出会ったのが、この映画の主人公となる亡命チベット難民「ラモツォ」です。
毎朝、2時に起きて、チベット式パンを焼き、路上で売っている姿・・・映画ポスターの画像・・・を見て、話しかけたのがきっかけでした。
彼女の夫は映像作家です。2008年の北京オリンピック開催が本当に、中国国民、チベット民族の為になるのかを問う映画を造り、「国家分裂煽動罪」で投獄されました。
それを機に、家族・親戚への圧力が強まり、全員で標高4,000mの山を越えて、インドのダラムラサに逃れて来たのです。
彼女一家は、夫の両親、子供男子二人、女子二人、6人を養うために毎朝2時起きでパンを造つて売っていたのです。それでも、何時かは夫の釈放を願い、国際的人権組織の助けを借りて、世界各国に訴え続けるのです。
監督の小川さんは、ラモツォと同じ女性として、彼女の毎日を撮り続けました。
費用を稼ぐ為に、日本にいる間は、字の書けない彼女の為に、小型ビデオカメラを与えて日記代りに撮影記録を続けました。
やがて、「ラモツォ」は国際的に難民サポート団体の協力でインドのダラムサラからスイスの難民キャンプに渡り、3年後アメリカへ難民申請し正式に住むことができました。
映画は、ラモツォがサンフランシスコに住み始るところから、再び小川監督の手により撮影が開始されます。難民として認定したアメリカですが、ヨーロッパのようにある一定期間、難民センターで住まい、教育が行われるのと違い、認定後は政府によるサポートはなく、そのまま自力で生活していかなくてはならない様子が映し出されていました。
その後、4人の子供たちを呼び寄せ、5人のアメリカでの生活の様子があり、ここで映画終了しました。
ここまで見ていた私は、この映画を見て、チベット難民・中国政府のやり方は解った。
でも、このドキュメントの主人公、恵まれすぎていないか?
チベット難民はゴマンといる、彼女はただラッキーだけだったのか?
国際的な組織がこの映画の裏側で動いているのではないか?
映画会が終わった後、このドキュメント映像を作った小川真利枝さんのお話と、非公開の映像が流れました。夫の映像作家ドゥンドゥップ・ワンチェンさんが、刑務所から釈放され、三年後亡命して、妻の元に姿を見せたのです。
めでたし・・・なのですが・・・
見終わって何処か違和感を感じました。
私は、この映画上映会を開催したアムネステイインターナショナル鎌倉グループのホームページ作成時の支援をしてきました。
国際人権団体で、世界で虐げられている人々の実態を世に知らしめ、サポートする団体です。
それじたいは素晴らしい市民活動なのですが・・・
映像を造る立場から見てみると、たった一人でここまで作り上げ、商業映画館で上映するには莫大な費用がかかっているはずです。
主人公女性一家をチベットすらスイスそして、アメリカに難民として渡らせるまで、とても個人の力では無理です。背後にとても大きな資金力・政治力をもった国際的な組織がなくては、成立しないとことなのです。
どんな組織なのかは、想像は出来ます。
でも、そんな組織が必要なほど、今の中国は歪な社会であることは理解できます。
私は、今70才、世界中を夫婦二人で旅して、後悔として残っている場所が一つだけあります。
チベットのラサに行けなかったことです。
ラサにいくには、中国政府のパーミッションが必要だったのと、私が高度の高い場所が苦手で、体力的に自信がなくなって来ているので、もう行けないのと、自覚していることです。
この映画を見て、もしかすると、最後の旅先として、再びパスポートを取得して、一人で、カトマンズの友人旅行社の手配で陸路、ラサを目指すのを目標とするのも、自分の旅の締めくくりとして、いいかなと思いました。
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