数年前、2022年カンヌ国際映画祭で日本人女性監督に早川千絵による劇場用映画『PLAN 75』がカメラドール特別賞を受賞したニュースが流れた
ストリーは、近未来の日本。
75歳以上の“後期高齢者”は、10万円の準備金をもらい人生を思いどおりに終えることができる政策「プラン75」が施行されている。
映像の中では一人暮らしのミチ(倍賞千恵子)と、プラン75の申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)、フィリピンから来日し介護職に就くマリア(ステファニー・アリアン)、
そしてコールセンターで老人たちと“15分だけ”話し相手になる遥子(河合優実)。
この四人それぞれはとうして、この安楽死政策をどう捉えるのかがテーマの映画だった。
この映画は知ったのは私が74歳の時、生まれ故郷で暮らす姉77歳(10年前に夫を心筋梗塞で失った寡婦)から、こっちの田舎では上映するかどうか分からないから映画好きの弟の私が見て、感想をきいても見るべき映画なら、新幹線に乗って上映している都会までいくけど、つまらない、私向けでないと、弟のあんたが判断したらわざわざ見に行かないと電話してきた時でした。
あれから、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」やら、NHK特集でも海外の安楽死についての情報が伝わるようになってきています。
このプラン75は見た私の感想を素直に、田舎の姉に伝えました。
この映画のなかの主人公ミチ(倍賞千恵子)は身寄りのない、典型的なギリギリ生活維持が苦しい年金・団地暮らし、子供もいない。
しかし、姉は夫はなくしても、長男は商社員としてドイツで暮らし、長女は同じ信州、遠いといっても車で数時間の距離にすんでいて、経済的にも安定した生活、ただ、この世代の女性としては「友の会」に役員などを歴任している「意識高め」で読書と映画。
私はこの映画を見てきて、どう伝えようかなと思っていましたら、姉の住む地域でも「カンヌ映画祭受賞作品」を興行的収支採算を度外視して上映する「小屋」が現れそこで見るというので、私の感想は伝えませんでした。
朝日新聞土曜版のBetween特集では、朝日の購読者年齢構成から察して、いろいろな読者のアンケート結果に応じた土曜特集記事を掲載しており、最近は旅・旅行・行楽関係が多かったのですが今回はちょっと「ハードな安楽死について、どう考えるかでした。
少し引用すると
欧米諸国で「安楽死」の合法化が広がっています。
※筆者追記 安楽死は2001年、オランダが国レベルでは世界で初めて合法化。
以降、ベルギーやルクセンブルク、カナダ、コロンビア、スペイン、ニュージーランドなどでも認められ、近年合法化する国が増加しています。
なかでもスペインは元来自殺をタブー視するキリスト教カトリック信仰が強かった国でしたが、2021年に安楽死を合法化。
現在の日本においては、安楽死・尊厳死は合法化されていない。
もし、患者本人が真摯に死 を望んでいたとしても、患者の要望に基づいて殺害し、または自ら命を絶つのを援助する行為 は、自殺関与・同意殺人罪(刑法 202 条)に該当する。
二年前にフランス映画の巨匠ダゴール監督がスイスに渡って91歳の生涯を閉じた他、日本から渡航して希望を叶える難病患者もでいいる。
国内では「尊厳死」法制化を求める動きもありますが、安楽死とどう違うのか、beモニターと一緒に考えてみましょう。
先ず調査は安楽死に関心がありますか、で始まりました。
意外にも「はい」が69%もありました。
特に肯定しているのではなく、朝日新聞の読者と作るアンケートやランキングは、事前にメルアド登録している人に対して、毎週、ネットサーバーにアドレスに誘導して、パソコンまたはスマホ上で回答する形式です。
私は滅多にこのサイトにログインしないので分かりませんが、スマホでは何回もスクロールしなくてはならないでしょうから、ほとんどの回答者は私と同じ、ノートPCで回答していると
思われ、年齢層も社会的地位・経験も同じように環境にいる人達だと思います。
フジテレビの夕方の番組「調べてみたら」の街角で年金について回答する人たちとは、ちょっと違っていると思います。
はいの人が答えました、その理由は
理由の第一位は、人に迷惑をかけたくない。
回答者コメントでは、
●一昨年二週間入院、退院後も同じだけ車椅子、仕事や家事ができずにまわりに迷惑をかけたのでもう絶対に嫌(女性70歳)、と安楽死の法整備を望む声もあるが、一方で「目をそらしてはいけない」「高齢者だから」と必ずしも推進派ではないことが解る。
●生誕に自ら関与出来ない分、せめて死ぬ権利の保証を。ただ他人、ましてや国が強制するのは違う(女性74歳)
●肺がんステージ4の親友は後悔したくないと貪欲に治療中で私も行き切らねば(女性74歳)
いいえとの人が答えました。
●耐え難い痛みから開放されたいが、PLAN75の主人公は健康なのでいきるべき(女性84歳)
●一年前膵臓がんの夫を自宅で看取った、死の四日前初めて麻薬を使い、つらかったのは数時間と緩和ケアの意義と充実をうったえる。(夫享年92歳)
尊厳死をどう思うか
尊厳死も関心事のひとつです。
日本尊厳死協会によると「傷病で死が迫っていたり、意識のない状態が続いたり場合、本人の意志に基づき、死期を引き伸ばすためのだけの医療措置を受けない」
との定義され、書面で残す。だが家族の意向でおもいどうりににならないことも多いと云います。
「開院だった亡き姉が脳内出血で寝たきりでしべれなくなった際、家族が胃ろうを選んで二年生きた。
コロナ禍で誰も見舞いに行けず、ただ生かされている状態だった」(女性84歳)
尊厳死と安楽死をほぼ同じだと捉える人もいる。
「協会から資料を取り寄せたら、一人息子に泣かれた。でも病んで認知症になるなら、その前に安楽死を選びたい。医療費も健康保険の負担も増やしたくない」
(女性54歳)
全員がこたえました。
安楽死問題の理解度は半数が「わからない」という
「命を断つのは殺人で、本人が希望すれば自殺幇助、安楽死したい人へは手を尽くし天寿を全うさせるべきだ」(男性84歳)
介護施設で働く(女性63歳)も現場では安楽死と、生前に意思表示する「リビグングウィル」の違いが、あいまいなまま、議論が進んでいるいう。
「入居者や家族からよく話はでても、違いを解っていない」
「経管栄養や栄養点滴で寝たきりの人が複数いるが、本人が元気の頃、「延命治療しない」と示しても家族が延命をのぞむ」
「入居者に殺してくれ、死にたいと何度も泣かれた」
病院は入院中にもっと、しっかり説明して欲しいとかたる。
プロローグ
二年前の映画「plan75」を見た時はまだたった一年だが、後期高齢者ではなかった。
今年、改めて、このような安楽死に関する問題をブログにまとめた時、昨年75歳、後期高齢者となり、今年のこの極暑、猛暑のなか、極端に体力・筋力の低下を意識し、夏バテではなくも、これが後期高齢者の「老化」なのかとやや遅きかもしれないが、感じるなった。
そして、この安楽死のテーマ、3歳上の生涯独身の兄をホスピスで亡くしてから、徐々に自分のこととして、考えるようになってきた。
来年の誕生日で「喜寿」の77歳、そして次は、自分で作成した老後人生計画表では「逝く齢の78歳」、ほとんど、自分自身では、まさか78歳では逝かないだろうが、82,3には真正面から取り組まねばならない、最後の課題になるだろうと覚悟する。
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