かおだしたとき:2023年3月5日(日)11時00分〜12時30分
かおだしたさき:ミグランス橿原市役所分庁舎(奈良県橿原市)
近畿中央大学人間環境デザイン学科の卒業研究・作品展で大淀町大岩地区の「集落の教科書」についての展示が行われると聞き、家族でかおだししてきました。
「集落の教科書」とは、“良いことも そうでないことも ちゃんと伝えたい”をコンセプトとした地域別ガイドブックで、移住者と集落のミスマッチ予防や、集落規範の更新を目的にした取り組みです。南丹市日吉町世木地域で第1号が生まれ、その後、テダスが把握している範囲では、10道府県18地域に広がっています。
この取り組みに注目してくれた同大学清水裕子ゼミの学生・増井さんが、奈良県吉野郡大淀町で「集落の教科書」を作成し、移住者の悩み「地域のしきたりや決まりごとがわからない」と地域住民の悩み「移住者がしきたりを守ってくれない」の解決を図ろうとされたそうです。清水先生とは、昨年9月に北海道で開催された日本建築学会大会でご一緒したご縁もあって、今回の展示を楽しみにしていました。
増井さんのコーナーでは、2月23日に完成した「大岩地区の教科書」の実物や、制作過程などを紹介するパネルなどが展示されていました。大岩地区の教科書には戸別の等級によって区費額が変動することや、役員の決め方、葬儀などのルールが書かれており、南丹市で創造した教科書のコンセプトが見事に継承されていました。
制作過程の紹介の中で、大岩地区に住む18世帯36人全員にヒアリング調査を実施し、得られた情報を教科書にまとめたとありました。全員にヒアリングするのはたいへんな労力だったと想像しているところですが、その中で得られた知見は卒業される増井さんの今後の人生に影響をあたえるものになるだろうと思います。
私は、昨年3月に『集落の教科書のつくり方』というタイトルの本を農村漁村文化協会から発行しました。増井さんは、この本や南丹市での教科書づくりの取り組みを参考にして制作してくれたそうです。「日本を移住者を取り合う戦国時代から脱却させ、居住地をちゃんと選べる社会にしていきたい。そのために教科書のつくり方を普及する」という思いで執筆しましたので、大岩地区での取り組みがとても嬉しく、著者冥利に尽きます。
同行してくれた子どもたちは、ペットボトルや古紙、古着などを再利用して作った椅子や、見たこともないデザインの設計模型に刺激を受け、展示会場内をキャッキャと動き回っていました。妻は動き回る子どもたちが展示物を壊さないかとヒヤヒヤしっぱなしでした。
(記事:田畑昇悟)
2023年03月05日
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