固定種、F1種、遺伝子組み換え種子、ゲノム編集種子 その2
[2021年11月24日(Wed)]
2021.11.20の種のイロハ学習会の様子。
今回はF1種について。
F1種とは、例えば「今の主力のきゅうりの『かっぱ三太郎』は見栄えも味もいいんだけど寒さに弱いから、もう少し耐冷性のある品種が欲しいなあ」といようなニーズがあった時に、かっぱ三太郎に寒さに強い品種を掛け合わせたり、かっぱ三太郎の先祖のどれかに寒さに強い品種を掛け合わせたり、はたまたかっぱ三太郎に近い特長を持つ品種に寒さに強い品種を掛け合わせたりなど、要するにある目的のために異なる品種を掛け合わせて作り出された品種のことです。
これは、遺伝子に手を加えて作り出すのではなく、いろいろな配合を試しながら長い時間をかけて作り出していくのです。
例えば、北海道米を代表するお米の一つ「ゆめぴりか」もそうです。
((独)北海道立総合研究機構 HP
第1話 北海道の美味しいお米「ゆめぴりか」の誕生)
しかし、F1種を作り出すための作業はとても手間のかかる作業なのです。
F1種を作り出すための方法は3通りあります。
○一つの花に雄蕊と雌蕊があるタイプ(ナスとか
豆とか)
→「除雄する(雄しべを摘み取ってしまう)
○一つの株に雄の花と雌の花があるタイプ(大根とか
きゅうりとか)
→自分の自身の花粉では受粉しない「自家不和合
性」の花を使う。(大根などアブラナ科に多い)
○株ごとにオスとメスがあるタイプ(ホウレンソウとか
サンショウとか)
→雄しべの機能が不能となった「雄性不稔」という
突然変異株を利用する。
例えば「除雄」によるトマトのF1種作りはこうです。
@母親株とするトマトと父親株とするトマトの2種類を
植える。
A母親株が開花する2、3日前に日前にトマトの花の蕾
を開き、雌しべに密着している雄しべを全てピンセッ
ットですべて抜き取る。
B上の作業を全ての母親株で、毎日二か月間近く繰り返
す。(除雄しそこなった花は全て取り除く)
C除雄しておいた蕾が開花したら、父親トマトの株の花
を揺すって花粉を集める。
D集めた花粉を、母親トマトの雌しべに小指の先でなす
り付けて受粉させる。
E交配したトマトが完熟したら種子を取る。
※上記の箇条書きは以下のHPを参考にして作りました。
とても勉強になるHPです。正く知って欲しいので、
リンク表示してますのでぜひご覧になってください。
(野口のタネ/野口種苗研究所 HP 交配種(F1)野菜とは何だ?【2】)
すごい手間でしょう。
これが、土地が狭く人件費も高い日本で種が作られない理由なんじゃないでしょうか。
日本人は、どんどんめんどくさい仕事を避けるようになってきていますし。
消費者は勝手なもので、こういう手間を顧みずに、美味しいもの美味しいものって欲しがりますよね。
そうなれば、品種を作り出す方も手早くできる方法があればそれを試したくなるんじゃないでしょうか?
なんていう話は、次回以降にすることにして、F1種のメリットをまとめてみましょう。
○発芽時期や生育期間が揃っていて収穫が一斉に行えるの
で、大量生産が可能となり価格の安定にもつながり市場
に載せやすい。
○特定の病気に対して耐病性を持った品種などもあり、そ
の野菜で起こりやすい病気を防ぐことができる。
○形状が均一化されているので、出荷や梱包時の手間が省
ける。
○F1種は一般的に生育が旺盛で収穫量にもいい影響をもた
らす 。
○苦みや香りなど元々はクセの強い野菜でも、F1種として
品種改良をすることで、食べやすく一般受けする野菜を
作ることができる。
デメリットは自家採種できない(採取した2代目は、1代目に現れなかった遺伝が現れて、形状性質がバラバラのものが育つ)他は、メリットの裏返しと考えればいいですね。
例えば、発芽時期が収穫時期が揃っていれば、その時に悪天候が続けば壊滅的になるとか。
以上の記事は、記事中で紹介した他、以下を参考に作成しました。
株式会社末吉商店 HP 「F1種子って何だろう?」
SMART AGRY HP
「「固定種」は安全、「F1種」は危険、はホント? 種子の多様性を知ろう」
(独)独立行政法人農畜産業振興機構 HP
「 地域に根差した伝統野菜〜在来きゅうりを事例として〜」
タキイ種苗 HP 調べる 園芸新知識2004.5
今回はF1種について。
F1種とは、例えば「今の主力のきゅうりの『かっぱ三太郎』は見栄えも味もいいんだけど寒さに弱いから、もう少し耐冷性のある品種が欲しいなあ」といようなニーズがあった時に、かっぱ三太郎に寒さに強い品種を掛け合わせたり、かっぱ三太郎の先祖のどれかに寒さに強い品種を掛け合わせたり、はたまたかっぱ三太郎に近い特長を持つ品種に寒さに強い品種を掛け合わせたりなど、要するにある目的のために異なる品種を掛け合わせて作り出された品種のことです。
これは、遺伝子に手を加えて作り出すのではなく、いろいろな配合を試しながら長い時間をかけて作り出していくのです。
例えば、北海道米を代表するお米の一つ「ゆめぴりか」もそうです。
((独)北海道立総合研究機構 HP
第1話 北海道の美味しいお米「ゆめぴりか」の誕生)
しかし、F1種を作り出すための作業はとても手間のかかる作業なのです。
F1種を作り出すための方法は3通りあります。
○一つの花に雄蕊と雌蕊があるタイプ(ナスとか
豆とか)
→「除雄する(雄しべを摘み取ってしまう)
○一つの株に雄の花と雌の花があるタイプ(大根とか
きゅうりとか)
→自分の自身の花粉では受粉しない「自家不和合
性」の花を使う。(大根などアブラナ科に多い)
○株ごとにオスとメスがあるタイプ(ホウレンソウとか
サンショウとか)
→雄しべの機能が不能となった「雄性不稔」という
突然変異株を利用する。
例えば「除雄」によるトマトのF1種作りはこうです。
@母親株とするトマトと父親株とするトマトの2種類を
植える。
A母親株が開花する2、3日前に日前にトマトの花の蕾
を開き、雌しべに密着している雄しべを全てピンセッ
ットですべて抜き取る。
B上の作業を全ての母親株で、毎日二か月間近く繰り返
す。(除雄しそこなった花は全て取り除く)
C除雄しておいた蕾が開花したら、父親トマトの株の花
を揺すって花粉を集める。
D集めた花粉を、母親トマトの雌しべに小指の先でなす
り付けて受粉させる。
E交配したトマトが完熟したら種子を取る。
※上記の箇条書きは以下のHPを参考にして作りました。
とても勉強になるHPです。正く知って欲しいので、
リンク表示してますのでぜひご覧になってください。
(野口のタネ/野口種苗研究所 HP 交配種(F1)野菜とは何だ?【2】)
すごい手間でしょう。
これが、土地が狭く人件費も高い日本で種が作られない理由なんじゃないでしょうか。
日本人は、どんどんめんどくさい仕事を避けるようになってきていますし。
消費者は勝手なもので、こういう手間を顧みずに、美味しいもの美味しいものって欲しがりますよね。
そうなれば、品種を作り出す方も手早くできる方法があればそれを試したくなるんじゃないでしょうか?
なんていう話は、次回以降にすることにして、F1種のメリットをまとめてみましょう。
○発芽時期や生育期間が揃っていて収穫が一斉に行えるの
で、大量生産が可能となり価格の安定にもつながり市場
に載せやすい。
○特定の病気に対して耐病性を持った品種などもあり、そ
の野菜で起こりやすい病気を防ぐことができる。
○形状が均一化されているので、出荷や梱包時の手間が省
ける。
○F1種は一般的に生育が旺盛で収穫量にもいい影響をもた
らす 。
○苦みや香りなど元々はクセの強い野菜でも、F1種として
品種改良をすることで、食べやすく一般受けする野菜を
作ることができる。
デメリットは自家採種できない(採取した2代目は、1代目に現れなかった遺伝が現れて、形状性質がバラバラのものが育つ)他は、メリットの裏返しと考えればいいですね。
例えば、発芽時期が収穫時期が揃っていれば、その時に悪天候が続けば壊滅的になるとか。
以上の記事は、記事中で紹介した他、以下を参考に作成しました。
株式会社末吉商店 HP 「F1種子って何だろう?」
SMART AGRY HP
「「固定種」は安全、「F1種」は危険、はホント? 種子の多様性を知ろう」
(独)独立行政法人農畜産業振興機構 HP
「 地域に根差した伝統野菜〜在来きゅうりを事例として〜」
タキイ種苗 HP 調べる 園芸新知識2004.5