アスパラガス! その1
[2022年06月04日(Sat)]
5月28日に新年度1回目の文献学習を行いました。
文献学習は、季節の野菜を美味しくいただきながらその野菜のことを学びます。
1回目は…
この時期に旬を迎える代表的野菜と言えば…
アスパラガス!
じゃがいも、玉ねぎ、とうきびと並んで北海道を代表する野菜でもありますね。
アスパラガスは、いつも使う文献「今さら聞けないタネと品種の話〜きほんのき〜」には載っていないので、他の文献を使って
学びながら食べていきます。
おや?
食べながら学ぶんじゃなかったか? 笑
さておき。
まずはアスパラガスあれこれ。
以下、アスパラとします。
私たちが食べているのは、春に芽を出したアスパラがぐんぐん成長している頃の「茎」。
だから、アスパラは栄養が豊富だし、収穫後に寝かせて置くと起き上がろうと曲がってしまうほど「伸びよう」とする意志力が強いのですね。
なので横にしておくとそのためにエネルギーを使ってしまい、甘さが消えてしまうのです。
アスパラの収穫は、北海道では5月中旬から6月一杯。
残っているものはそのまま成長させます。
背丈が2mを超え松葉のお化けみたいに成長したアスパラは、地下の貯蔵根に栄養を貯めます。
その栄養が、翌年に芽を出したアスパラの成長に使われるのです。
だから、アスパラは芽を出してから2、3年目は収穫せずにそのまま成長させて貯蔵庫に栄養を十分に貯めこませ、地下茎を発達させて、3、4年目から収穫するのです。
成長した株からは15〜20年収穫できるそうです。(もっと短いのもあるみたい)
成長したアスパラ
(生涯学習開発財団HP)
アスパラは、北アフリカ、南ヨーロッパ、中央アジアの海岸や河岸に自生していました。
北アフリカ、南ヨーロッパの気候の特徴は、地中海性気候で冬は温暖湿潤で夏は高温乾燥。
中央アジアは、砂漠気候・ステップ気候・大陸性気候などバラエティに富んでいますが、概ね暑く乾燥していることが共通し、冬は冷え込みが厳しいけれど雪が降る地域も多いということが特徴です。
日本でアスパラを多く生産しているのは1位北海道、2位長野県ですが、両方の主要な生産地に共通しているのは、夏の雨が少なく冬は雪が多いということです。
アスパラは、発芽には高めの地温(25〜30℃)が必要ですが、生育地温(15〜20℃)で低めです。だから、この2つの地域の夏の気候はあっていますし、積雪の多さも貯蔵根や地下茎の保護のためにも合っています。
そういうことで、この2つの地域の生産量が多いのです。
アスパラガスは明治4年にヨーロッパからアメリカ経由で日本に入ってきました。
北海道開拓使が札幌官園で栽培を始め、大将時代には喜茂別町に日本アスパラガス(株)が設立されホワイトアスパラガス缶詰の生産が始まりました。
最初の頃はアスパラといえば一般的にはホワイトアスパラでした。
私も子どもの頃は缶詰のホワイトアスパラしか見たことはなかったです。
アスパラの缶詰といえば…クレードルの缶詰。
コレ!
(クレードル興農株式会社HP)
けっこう高いもので、家の食事では滅多に出なかった。
でも、子どもの頃は美味しいとは思いませんでしたから、よかったんですけど。
洋食屋さんのサラダについてましたね。
ホワイトアスパラは土をかけて光が当たらないように育てて、ちょうど良い高さのところで顔を出したときに収穫します。
山菜の代表的な存在といえばウドですが、ウドも盛土などして日光が当たらないようにして育てますよね、1年目の株は収穫しないで根を充実させるのもホワイトアスパラ栽培と似ています。(今は、両方とも土をかけないで暗室で育てる方法もあるようです。)
だから、別名を「松葉ウド」と言います。
あ…これは今、知りました 笑。
とにかく、グリーンアスパラを旬のものとしてみんなが食べるようになったのはそんな昔のことじゃない。
40数年前くらいじゃなかったかなあ。(それでももう半世紀近く経ってるんですな〜)
さて、これはタネのブログ。
タネのことについても触れましょう。
アスパラの品種…お米やジャガイモ、カボチャ、枝豆、とうきびなんかは「なんて品種?」「あーあれは甘いよね〜」なんて品種を気にしたことあるけど、アスパラの品種なんて考えたこともないなあ。
ネットで調べてみました。(お手軽調査でごめんなさい)
F1品種ばっかりかと思ったら固定種もあるんですね。
固定種は、メリーワシントン(英名)、アルジャントゥイユ(仏名)など、アスパラがどこから伝わってきたのかわかる名前ですね。
F1種では、成長のスピードや茎の太さなど、いろいろ改良が加えられているようです。
例えば、栽培農家が露地でするのかハウスでするのか、出荷先が近隣だけか、遠方にも出すのかなど、農家のニーズに合わせて開発されているようです。
さて、学習時間が長くなりました。
いよいよ、次は食べて学ぶ時間。
でも、今日のブログが長くなりすぎたんで、続きは明日。
参考資料
「ぴあ おとなの図鑑Cおいしい野菜115種」ぴあ株式会社 2018
「ステップアップ 北の家庭菜園」有村利治著 新聞社 2017
「日本の野菜 産地から食卓へ」中公新書 大久保 増太郎 1995
「北海道 私の家庭菜園」北海道新聞社 石村 桜 1986
感動野菜産直農家寺坂農園ブログ
実は色々あるアスパラ品種、何を植えるのがいいのか調べてみた note
文献学習は、季節の野菜を美味しくいただきながらその野菜のことを学びます。
1回目は…
この時期に旬を迎える代表的野菜と言えば…
アスパラガス!
じゃがいも、玉ねぎ、とうきびと並んで北海道を代表する野菜でもありますね。
アスパラガスは、いつも使う文献「今さら聞けないタネと品種の話〜きほんのき〜」には載っていないので、他の文献を使って
学びながら食べていきます。
おや?
食べながら学ぶんじゃなかったか? 笑
さておき。
まずはアスパラガスあれこれ。
以下、アスパラとします。
私たちが食べているのは、春に芽を出したアスパラがぐんぐん成長している頃の「茎」。
だから、アスパラは栄養が豊富だし、収穫後に寝かせて置くと起き上がろうと曲がってしまうほど「伸びよう」とする意志力が強いのですね。
なので横にしておくとそのためにエネルギーを使ってしまい、甘さが消えてしまうのです。
アスパラの収穫は、北海道では5月中旬から6月一杯。
残っているものはそのまま成長させます。
背丈が2mを超え松葉のお化けみたいに成長したアスパラは、地下の貯蔵根に栄養を貯めます。
その栄養が、翌年に芽を出したアスパラの成長に使われるのです。
だから、アスパラは芽を出してから2、3年目は収穫せずにそのまま成長させて貯蔵庫に栄養を十分に貯めこませ、地下茎を発達させて、3、4年目から収穫するのです。
成長した株からは15〜20年収穫できるそうです。(もっと短いのもあるみたい)
成長したアスパラ
(生涯学習開発財団HP)
アスパラは、北アフリカ、南ヨーロッパ、中央アジアの海岸や河岸に自生していました。
北アフリカ、南ヨーロッパの気候の特徴は、地中海性気候で冬は温暖湿潤で夏は高温乾燥。
中央アジアは、砂漠気候・ステップ気候・大陸性気候などバラエティに富んでいますが、概ね暑く乾燥していることが共通し、冬は冷え込みが厳しいけれど雪が降る地域も多いということが特徴です。
日本でアスパラを多く生産しているのは1位北海道、2位長野県ですが、両方の主要な生産地に共通しているのは、夏の雨が少なく冬は雪が多いということです。
アスパラは、発芽には高めの地温(25〜30℃)が必要ですが、生育地温(15〜20℃)で低めです。だから、この2つの地域の夏の気候はあっていますし、積雪の多さも貯蔵根や地下茎の保護のためにも合っています。
そういうことで、この2つの地域の生産量が多いのです。
アスパラガスは明治4年にヨーロッパからアメリカ経由で日本に入ってきました。
北海道開拓使が札幌官園で栽培を始め、大将時代には喜茂別町に日本アスパラガス(株)が設立されホワイトアスパラガス缶詰の生産が始まりました。
最初の頃はアスパラといえば一般的にはホワイトアスパラでした。
私も子どもの頃は缶詰のホワイトアスパラしか見たことはなかったです。
アスパラの缶詰といえば…クレードルの缶詰。
コレ!
(クレードル興農株式会社HP)
けっこう高いもので、家の食事では滅多に出なかった。
でも、子どもの頃は美味しいとは思いませんでしたから、よかったんですけど。
洋食屋さんのサラダについてましたね。
ホワイトアスパラは土をかけて光が当たらないように育てて、ちょうど良い高さのところで顔を出したときに収穫します。
山菜の代表的な存在といえばウドですが、ウドも盛土などして日光が当たらないようにして育てますよね、1年目の株は収穫しないで根を充実させるのもホワイトアスパラ栽培と似ています。(今は、両方とも土をかけないで暗室で育てる方法もあるようです。)
だから、別名を「松葉ウド」と言います。
あ…これは今、知りました 笑。
とにかく、グリーンアスパラを旬のものとしてみんなが食べるようになったのはそんな昔のことじゃない。
40数年前くらいじゃなかったかなあ。(それでももう半世紀近く経ってるんですな〜)
さて、これはタネのブログ。
タネのことについても触れましょう。
アスパラの品種…お米やジャガイモ、カボチャ、枝豆、とうきびなんかは「なんて品種?」「あーあれは甘いよね〜」なんて品種を気にしたことあるけど、アスパラの品種なんて考えたこともないなあ。
ネットで調べてみました。(お手軽調査でごめんなさい)
F1品種ばっかりかと思ったら固定種もあるんですね。
固定種は、メリーワシントン(英名)、アルジャントゥイユ(仏名)など、アスパラがどこから伝わってきたのかわかる名前ですね。
F1種では、成長のスピードや茎の太さなど、いろいろ改良が加えられているようです。
例えば、栽培農家が露地でするのかハウスでするのか、出荷先が近隣だけか、遠方にも出すのかなど、農家のニーズに合わせて開発されているようです。
さて、学習時間が長くなりました。
いよいよ、次は食べて学ぶ時間。
でも、今日のブログが長くなりすぎたんで、続きは明日。
参考資料
「ぴあ おとなの図鑑Cおいしい野菜115種」ぴあ株式会社 2018
「ステップアップ 北の家庭菜園」有村利治著 新聞社 2017
「日本の野菜 産地から食卓へ」中公新書 大久保 増太郎 1995
「北海道 私の家庭菜園」北海道新聞社 石村 桜 1986
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