• もっと見る
プロフィール

田中尚輝さんの画像
<< 2019年12月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
Redwing
日本の貧困・格差を「なくす (02/16) 高橋潤
ホンダOBが行く (02/14) 江藤清巳
NPOを応援する人材 (02/06) 高橋潤
NPOリーダーの覚悟 (02/05) ふみみん
コミュニティカフェ2題 (02/02) 高橋潤
上野千鶴子の田中批判についての意見 その2 (01/08) 井上貴至
検察の弱さ その2 (01/04) 藤本泰宏
自己肯定 (12/16) さくら
「橋下」勝利をどう考えるか? (12/09) 高橋潤
人間関係学 (12/03)
リンク集
最新トラックバック
https://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index2_0.xml
社会的企業家のウサンクサさ [2010年07月01日(Thu)]
新時代のNPO論 その5
『NPO再構築への道』(原田晃樹、藤井敦史、松井真理子、勁草書房、2010)


 本書からいくつかの刺激を受けるが、「社会的企業家」についての提起もその1つだ。私は、日本での社会的企業家のウサンクサさを感じている者の1人だが、本書はここに踏み込んでいるとまでは言いがたいが、問題提起をしていることは事実だ。

 ことに日本で紹介されている「社会的企業家」について紹介された本は、すべてといってもいいほど登場人物は玉石混合である。このようになるのは、社会的企業家の定義がはっきりしていないこと、まだ、個人の起業家として紹介に終わっているために多様な側面があり、何がポイントなのかがますます分からなくなっている。これらの著者は経済学の大先生であったり、ルポライターであったりするが、どうか今後は整理をしてから世に問うてほしいと思う。

 アメリカの社会的企業家は、NPOの企業化として登場してきた。ところが、日本においては、NPOの限界、あるいは事業型NPOを超えるものとして描写されている。つまり、NPOと社会的企業家の関係が整理がされないままに、NPOの限界を超える存在として登場させようとしている。そして、その中には社会的事業家が活動しやすいような法人格の新設まで提起するという暴走振りだ。

 社会的企業家といわれ本の中に登場してきている人物をみると、1つの傾向はNPO法人として成功させているものである。他の1つは、自己の事業を粉飾し、あたかも新しい発想の元に実行している事業であるように見せ、結局は自己の名声と利益を追い求めているものである。

 私は、NPO側の人間として、次のような整理をしたい。
 @NPO法人により社会的事業を成功させている例がたくさんある事実に目を向ける。
  この成功事例はたくさん出てきているし、NPO法人であることの問題点をそれぞれ乗り越  えてきている。NPO法人の制度上の問題点は「資本」と「ガバナリビティ」であろう。ただ   し、制度上の決定的な欠陥があるわけではない。ではこの点の整理をおこなう。
 ANPOが社会的に登場してきたのは、田中弥生の言うように事業体をボランティアと寄付   によって支えるという社会的な動き、また、新しい個人としての人間像の創出ができるか  らである。
 Bそして、決定的なことは「NPOは社会を変える」ことを実践している、ということである。

 したがって、このような質をおさえない社会企業家は名声と利益を求める営利企業の起業家との差を見出すことは難しい。したがって、彼らはNPOの批判者として登場してきており、営利企業の擁護派の役割を果たしているわけだ。

 本書は、この点の問題提起をしていることについては評価できるが、まだ突込みが足りない。田中弥生の側もNPOの特質を踏まえたうえでの危険な傾向のある社会的企業家批判の整理が不十分であると思っている。この点は両者に研究と議論を通じて切磋琢磨してもらいたい。
Posted by 田中尚輝 at 07:28
タクシー会社のNPOいじめ [2010年02月05日(Fri)]
 「白タク」が福祉輸送に関して認められるようになり、現在2500団体程度のNPOなどの非営利団体が全国で実施している。ただし、これには、いろんなハードルがあるのだが、実質的には自治体が主催する「運営委員会」で決定される。私は埼玉県の10自治体で構成される運営委員会の副座長をつとめている。知識人代表(?)ということになっている。4日にこの運営委員会が開催された。

 まずは事業を開始、あるいは変更する提案がおこなわれる。ここで決まって発言するのがタクシー会社で、それも重箱の隅をつつくような発言ばかりをする。素人のNPOは、おたおたする、という構図が毎回ある。

 そもそも移動困難者の移送をタクシー会社がやってこなかったために白ナンバーで法律違反を知りつつNPOが移送をやり始め、それが道路運送法改正につながった。この改正のためには10年以上の月日を費やしており、このロビー活動には私も深くかかわった。

 この事業者になるには高いハードルがある上に料金を「概ねタクシー料金の半額」という制約があり、そもそもタクシー会社でさえ儲からないのに、NPOがさまざまな制約下で赤字事業として実施せざるをえない。心優しきNPOのメンバーが移動制約者の窮状をみて立ち上がるのである。

 したがって、頑張ろうとしているNPOを応援すべきであるのに、これを敵対視して、いじめているのがタクシー会社なのである。タクシー会社は大人になって、すべての国民が移動の自由を確保すればマーケットが大きくなるのだから自らのビジネスチャンスも広がるのである。馬鹿げたNPOいじめはいい加減にやめて欲しい。

 だが、本当の問題点は自治体にあるのかもしれない。自治体はこの仕組みによって一切の予算を使わずに、自らの責任である移動制約者の移動を確保できる。にもかかわらず、タクシー会社とNPOの衝突を裁判官のようにみているだけである。第三者的立場よりもタクシー会社よりになることがたくさんある。自治体は誰の立場にたっているのかをはっきりさせなければならない。この件については、再論したい。
Posted by 田中尚輝 at 09:47