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上野千鶴子の私への批判 その1 [2012年01月03日(Tue)]
上野千鶴子さんが「朝日賞」を受賞した。まずは、おめでとう、と申し上げたい。上野さんは天皇から叙勲は拒否するだろうが、朝日新聞のものなら受けるだろう。

 さて、昨年8月に上野さんが『ケアの社会学』(太田出版、2850円、497頁、2段組)を出版し、私に贈ってくれた。そこで、私の論文の紹介があり、こっぴどく批判されている。この内容については、私のブログの11年8月20日、21日、29日、9月5日分をお読みいただきたい。

 そのときに私が書いていたことなのだが、反論をいつかしたいとしていること覚えている友人がおり、「何時なのか?」と催促を受けたりしている。また、別の友人からは、「上野さんは怖いから、反論しないほうがいいのは」という優しいサジェッションも受けた。

 正月に久しぶりにゆっくりした時間を持てたので、ポイントだけ反論しておきたい。本格的な反論は、本年中には書く、私の次の著書の中でおこないたい。そこでは「公共善」の実施主体である個人の問題、ボランティア等に触れざるを得ないから、必然的に上野理論に私の見解を対置せざるをえないのだ。とはいえ、ことがことだけに通常のブログより長くなるので、2回に分けることをお許し願いたい。

 本日は、前にブログに紹介した上野さんの著作の中での私への批判部分である。明日、それに対して私の見解を述べたい。

 まず、上野の本から、私の論の《紹介》を引用したい。

 @「田中は「介護保険こそ、NPOの『真骨頂』を発揮できる場であり、NPOの『先頭を走る』のは介護系NPOであると、熱い期待を語る。」

 A「田中が営利事業者に比べてNPOの優位を主張する点は、(1)当事者性に加えて、(2)地域密着型、(3)自治体との協働(コラボレーション)、(4)経営参加方式、(5)ネットワーク型の5点である。」

 「とりわけ田中が介護系NPOの特質として特記するのが、介護保険の『枠外サービス』の提供である。」


 「田中らにとっては『枠外サービス』が介護系NPOと営利事業者とを区別する指標となるほどに重視されている。つまり、介護保険でもうけた分を、採算を度外視して低料金の枠外サービスで還元するかどうか(自発性、無償性)が、介護系NPOの存在理由とされ、それをしないとNPOの精神を忘れたものであり、一般の営利事業者と変わるところがない、とされる。」

 上野は、ことに女性・主婦の「不払い労働」の現実社会における発現形態に鋭く突っ込んできている。そのことを現代の男性優位社会一般だけではなく、彼女が評価する「協」世界の生協やNPOにおいても普通に受け入れているではないか、というのだ。

 介護労働が低料金に設定されているのは、「『NPOだから低料金でよいというわけではなく、低料金にしか設定されていないからNPOの参入が期待されているのだ』というべきだろう。そしてここにジェンダーという変数を持ち込むなら、もし介護系NPOの担い手の多くが男性であったら、田中は同じことを言っただろうか。疑問である。」

 以上が上野の私の論文の紹介であり、批判のポイントである(批判はその他多岐にわたっている)。
Posted by 田中尚輝 at 21:51
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