介護系NPOの今後 新井デッサン [2017年08月24日(Thu)]
7.総合的視点の必要性
介護保険制度は、最も新しくできた制度であり、日本国の財政が悪化し始めてから出あがったものである。先行している医療、年金などとの関係を含めて整理しなければならない。かつ、人間の生活保障の観点から言えば、子育て(教育含む)、働き方、生活保護制度を含んだ改革の視点が必要だろう。これを社会政策的視点という。 まず、概論を述べよう。 1) 財政問題が、最も重要だが、これには消費税アップ賛成、反対の量意見がある。反対の論は、現行の自民党政府が無駄遣いばかりをしており、今の状況で上げても意味がない、というものである。だから、行財政の改革、所得税の見直しで財源を確保せよ、というのである。この点は、確かにそうではあるが、これを行いつつ消費税値上げ(10%)には踏み切らずにはおれないだろう。 2) 消費税1%は税収ベースで2兆8千億円であり、2%では、5兆4千万円という多額の税収になる。これを一旦、生活支援に重点的に回すのだ。介護保険の自然増でくろうしているのは、鷹高1300億円なのだ。高校や大学の授業料をゼロにするには3兆円程度あればよい。このように市民・国民にとって目の見える形で消費税2%を活用するのだ。 3) 次に医療だが、未病対策に全力をあげる。介護保険でいえば、介護予防に全力を挙げる。 4) 年金は、基礎年金を保障したうえで、掛け金の何倍も支払うのは不当だ。全体としては、支払いを抑える。 5) 子育て、教育費はゼロに近づける。このためには、消費税をもう 一度あげなくては、ならないだろう。北欧の多くが消費税20〜25%になっても政府批判が起こらないのは、その見返りがあるからだ。日本もこの見返りがはっきりと見える政府をつくらなくてはならない。 6) 医療、介護、子育て、教育にはできるだけ現物給付を取り入れ、サービス提供はNPO/ボランティアが担おう。これに、行政が補助金をだすというシステムである。現在のように待機児童に入れ物を提供するという方式では、かぎりない追っかけっこだ。 このためには、中間就労システム、有償ボランティア制度の公認が不可欠、また、中間支援団体の育成が大前提となる。 7)こうして共同の地域社会を作り上げるのだ。(各論は別途) |
Posted by
田中尚輝
at 16:49