サービスBの課題 その6 [2017年08月23日(Wed)]
6.総合事業「サービスB」の評価
今回の改正介護保険の目玉は「サービスB」だ。市民協もサービスBが定着するように懸命に頑張っている。だが、サービスBを取り上げ、あたかもボランティア活動が介護の世界に公的に認められたとして喜んでいるグループが一部にあるが、これは間違いだ。 1) 制度にボランティアが、組み入れられるためには、壁がある。 @ ボランティア側と行政側が、同じ立場にいるか。権限、予算配分権などである。ボランティア側が、この権限がなければ、結局は行政の子分にならざるをえない。これでは、ボランティアの大原則である自立性が保証されない。 A 改正介護保険は、この点の権限をすべて自治体のものとしており、「協議体」を持ってきているが、単なる協議機関であり、この点の改正が必要。 2) 「有償ボランティア」の仕組みを法的な正当性があるものとして位置づけなければならない。 @ 制度の枠に入るということは、何らかの強制権に服従するということである。このことはできるのは、ボランティアの有償性を法的に認めてからである。 A 最低賃金程度までは、公共善の仕事をする場合には、アメリカのように行政からボランティアへの支払いを認めるべきである。そうでなく、法人・事業体への助成に限ると行政の強制権は発揮できないだろう。 サービスBを実現するために奮闘するのは、よいことだ。だが、その大前提の難問を崩さなければならない。そうでないと、自治体の約1割(よくみても)しか、実施しないことになり、これは政策実施からいえば、大失敗に終ることになる。 |
Posted by
田中尚輝
at 14:07