宮本太郎『共生保障』 [2017年08月08日(Tue)]
共生保障 〈支えあい〉の戦略』(宮本太郎、岩波新書)
共生保障というのは、さまざまな制度やこれまでの経緯の中で形成された縦割りを根本から見直そう、ということである。 福祉にしても障碍者、子ども、老人に割り振り、そのどこにも引っかからない人は置き忘れられる。生活保護にしてしまえば、その立場から抜けられないようにしてしまい、自由な行き来がなくなってしまう。「助ける人」と「助けられる人」も、どちらかになると、他のポジションにはうつれない。 例えば、「助ける人」を助けながら、「助けられる人」を応援する、ということがあってもいいだろう。助けられる要介護者が子どもの世話をするということがあってよい。障碍者が助けられる側だけではなく、助ける側に回ってもいいだろう。 福祉の大転換にあって、基礎から見直そうといく良書。 |
Posted by
田中尚輝
at 12:39