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オスロ市役所 [2016年11月01日(Tue)]
市民協では、9月16日からノルウエーに研修旅行に行っていたが、その中でオスロ市役所訪問をした。参加者のレポートを紹介する。

研修日 平成28年10月17日
提出日 平成28年10月28日
特定非営利活動法人じばぁー舎
倉嶋 真史
澤井 伸子
八江こと恵

市民協 第6回海外福祉研修視察 ノルウェー
研修レポート(オスロ市役所)


1.政府と自治
国として福祉分野の現状と課題、そして市役所の役目についてお話しをうかがった。国としての課題については高齢者の増加、労働人口の減少に伴う税収の低下、サービス提供人材の確保など現在の日本の抱える問題と同様に捉えているものが多かった。一方、市役所の役目としては国が作った法や政策に対するスタンスが明確で当事者意識がとても高く感じられた。
問題解決手段としての施設から在宅へ、ボランティアのさらなる参加などの他に、サービスのクロスオーバーというものが印象的だった。医療、住居、移動、都市計画、社会文化的サービスやそこへの情報アクセスまでを縦割りではなく全ての管轄者で行うというもので、日本との違いを強く感じた。国が作った外枠の中で具体的に何を、誰が、どうやってやるのか。今までと比べて経費はどうか、将来への持続性はあるのかなど日本では民間企業が持つ感覚に近く好感が持てた。
国土の面積、人口、税率、言語や周辺国家の事情など前提条件の違いはあるのだろうがそれ以上に意識の違いが大きいと感じた。自身の仕事がまちの高齢者の幸せに直結していて、将来に向けてもっと発展させる必要があるという責任感。世界的に注目されている福祉国家としての自負。これらは福祉・介護の現場で働く方々の意識にも強く影響していることと思う。

2.ノルウェーの高齢者福祉
ノルウェーの福祉・介護は公的に行われ、医療や介護が必要になったら国や自治体が全面的に支援してくれる。国民の税負担は大きく、収入の半分が税金、消費税は25パーセントも取られているが、その税収入により福祉の充実が図られている為、負担が大きくても、安心して生活できるということだろうか。         
高齢者福祉は施設を減らし、在宅を増やしていく政策を国は進めている。日本より遅いが、高齢化がすすみ労働人口が減少することで、税収入が減り、公的な資金源に影響が出てくる。今のサービスレベルを維持する為、医療・介護に関わる人を確保する政策として、高齢者自身が社会資源となり参加してもらうことをすすめている。
高齢者の代表が、何が必要か、どんな生活を望んでいるか聴き、医療や介護だけでなく、すべての環境について高齢者自身と企画して、一緒に組み立てていく。自治体が主体的に動けることは、その地域に必要な対策が柔軟にできるということで、日本では難しいことかもしれない。
ノルウェーの高齢者も日本と同じく「できる限り家で生活したい」と希望する人が多いという。健康な状態を維持していくために、高齢者がボランティアとして今まで培ってきたいろいろな経験や特技を生かし、地域交流や、健康に良い場所作りを自治体と組織化して行う。良い部分は周りに広めていき、上手くいかない時は助けてくれる。できる限り努力し、できない部分は国や自治体がカバーすることが保障されている。日本でも民間のボランティア活動は行われているが、自治体が福祉政策として、どの程度カバーしてくれるのだろうか。
日本は、介護保険の大きな転換期をむかえ、総合事業が始まったが、自治体によって進み方は違っている。地域やボランティアがどう関わっていくのか、自分達はどう関わるのか、ノルウェーから学ぶことは多い。今、自分の地域はどうなっているのか、自分たちはどういう役割を担っていくのか、積極的に知り、考えることが必要であると思った。

3.オスロ市の福祉ネットワークとボランティア
オスロの福祉ネットワークは、ボランティアとの協力体制を組織化して作られている。ボランティアの皆さんがどれだけ貢献しているかをしっかり見て、認めてあげることが大切なのだと改めて解った。
 オスロでは、この貢献を広報もし、うまく行っているとのことだ。67歳で引退した人々をボランティアとしてどんどん動員していく。近隣で自分の職業知識を活かし、貢献していくことで、「ネットワーク」という自分へのご褒美がもらえるのだ。またそれを周りが認めてあげることで、ボランティアを長く続けて頂けること。受け入れ側の体制の重要さがよく解った。自分の職場に、せっかく来て下さったボランティアさんの貢献を認めず、長く続けて頂けなかった経験があり、反省した。一度去ったボランティアさんは戻って来ないのだ。 入職当初に「ボランティアさんに感謝しなさい」と教わったことを思い出した。

4.終わりに
 今回の福祉視察研修にあたり、最初にこのオスロ市役所でノルウェー・オスロの福祉の仕組みについて説明を受け、理解した上で福祉施設の見学が出来た。外国人の研修旅行のために貴重な時間を割いて説明をして頂き、大変有難いと思った。また添乗員さんによれば、オスロ市庁舎の外観は見学出来ても、中に入れることはほとんど無いとのこと。ノーベル平和賞の授賞式会場をはじめ、歴史ある美しいオスロ市庁舎での研修は、大変貴重な体験であった。
Posted by 田中尚輝 at 11:55
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