「熱中症」と対策について勉強しました。 [2008年08月09日(Sat)]
暑い日が続き、体調を崩すメンバーも出てきています。
正しい知識と、対処法を学ぼうと、7月31日、保健センターから講師をお招きし、「熱中症」とその対策について勉強しました。 =========== 汗をかくのは大切なこと 暑いときは皆さん汗をかきますよね。 それは、汗をかくことで体の中に熱がこもらないようにしているのです。 体が湿っていると、冷たくなくても風が吹けば涼しいし、気化で熱を下げてくれます。 汗をかかず、熱がこもるとどうなるか。 血液が温まり、体内のたんぱく質が、ちょうどゆで卵のように固まってしまいます。 そうなっては大変! そこで汗をかき、体の温度を下げようとするわけです。 汗は何からできている? 汗は水分とミネラルが主な成分。 汗をかくかくと、体内の水分と塩分が外に出て行きます。 しっかり汗をかくためにも、出て行った水分やミネラルを補うためにも、水分補給が必要です。 汗の季節はこまめな水分補給を 水分補給を怠ると、「熱中症」になる危険性が高まります。 十分に汗が出なかったり、汗で体温を調節できる範囲を超えた暑さの中で、体内に熱がこもってくると、体の中のたんぱく質がゆで卵のように固まっていしまいます。 そうならないために、体からさまざまな「危険信号」が発せられます。 まずはのどの渇き。この段階で危険信号の始まりです。 できればのどが渇く前に、水分を摂る方がよいとされています。 「熱中症」の代表的な症状 さらに「汗が噴き湧く」「めまい・立ちくらみ」などの症状を、体が「危険信号」として発してくれます。 この段階では、すでに「熱中症」の第一段階に入ってしまっています。 すぐに涼しいところで体を休め、体を冷やし、塩分・水分を補給しましょう! 体を冷やすときは、首、わきの下、足の付け根など、太い動脈が通っているところが効果的。温まった血液を冷やしやすく、冷えた血液を早く全身に回せるからです。 もっと重症化すると、「頭痛」「吐き気・嘔吐」「倦怠感(なんとなくだるい)」「判断・集中力の低下」という、第二段階に進んでしまいます。 涼しいところで横になり、足を高くして休み、自力で水分を取れない状態なら、すぐに病院へ行きましょう。足を高くするのは、血液の循環をしやすくするためです。 意識がない、痙攣を起こしている、熱がかなり高い、呼びかけに対して反応がおかしい、まっすぐ歩けない、などの症状があれば、「重症度V」。水や氷で首や腋の下、足の付け根などを冷やし、すぐの救急車を要請しましょう! 「熱中症」予防のためのアドバイス 水分のをこまめにしっかり摂りましょう。 スポーツドリンクがいいと言われていますが、そればかりのこだわる必要はありません。 たとえば水だけではミネラル(塩分)は不足します。 スポーツドリンクばかりだと、糖分のとりすぎの可能性もあります。 コーヒーや紅茶ばかりだとカフェインを摂りすぎるかも知れません。 ひとつに固執せずに、いろいろ飲むと、結果的にバランスがよくなるかもしれません。 最近はよく言われていすが、「のどが渇く前に飲む」のがおすすめです。 いつも身近に飲み物を置いておき、少しずつ、こまめに飲みましょう。 のどが渇いてから冷たいものを一気飲みすると、おなかをこわす心配もあります。 その意味からも、こまめな補給がよいと思います。 クーラーの聞いている部屋だと、のどの渇きがあまり感じられず、長い時間水分を補給しなくなりがち。 でも、夏場は常に汗ばんでいますよね。それは水分が出て行っている、ということ。 意識的に水分を取ってください。 ところで、お茶やコーヒーは利尿作用がありますが、そればかりを大量に飲むわけでなければ、そのことを気にしすぎることはありません。 しかし、ビールなどのアルコールは要注意。飲んだ以上に水分を体外に出してしまいます。 炎天下、ビールの一気飲みは、気分は爽快かもしれませんが、「熱中症」になりやすいシチュエーションです。 水分の量は、食事のときを除いて、1.5〜2リットルが目安。 また、寝る前とおきてすぐに、コップいっぱいの水部補給がおすすめです。 寝ている間は7〜8時間、水分が取れません。 汗もたくさんかきます。 これは結構、人間の体にとって過酷な状況なのだそうです。 夜、トイレが心配な方もいると思いますが、脱水のほうが深刻です。 以前、ホームヘルパーの講習で聞いた話ですが、年をとると夜中にトイレが近くなりがちなのは、寝る前に水分を摂るからというよりも、尿をためておく機能の低下が主な原因だそうです。 飲まなければトイレに行かないというわけでもないし、脱水の心配を考えれば、やはり飲むほうがよさそうです。 介護が必要な方の場合は、介護者への気兼ねもあるかもしれませんが、ここは理解と支援をお願いしたいところですね。 エアコンの使い方 寝ているときは、人間の体温は思っている以上に下がります。 エアコンの場合、おきているときと同じ温度設定では低すぎます。 おきているときよりも2〜3℃高め、たとえば29℃くらいの、ちょっと暑いくらいがいいそうです。 扇風機も、直接長時間体に風を当てるとよくないので、首振りにしたり、タイマーで切れるようにしたり、壁に向けるなどして間接風にするといいと思います。 自然の風を通せるといいのですが。 体に熱がこもったら 体が暑くなってきたら、冷やしましょう。 血液が暑くなっているので、主に太い動脈が通っているところ、たとえば熱があるときに計るようなところを冷やします。 首や腋の下、他にも足の付け根などに、冷たいアイスノンや氷(冷えすぎないようにタオルなどにくるむ)で冷やすと、冷えた血液が体内を回るので効果があります。 もちろん涼しいところで体を休めながら、が基本です。 体に熱がこもりにくくするために 暑いときには無理をしないこと。 行かなければいいところにはいかないことも大事。 行くときは、なるべく直射日光にさらされないようにする。帽子や日傘は必需品。 外出用の、首や脇用のアイスノンなども売られています。 職位頻用の小さな保冷剤をタオルやスカーフにくるんで首に巻いたりしてもいいでしょう。 そしてこまめな水分補給と、吸湿性のいい肌着(綿等)を着るのもいいです。 かのなら、着替えもできるといいですね。 手術の経験がある方は要注意 頚椎の手術をした方は、首を冷やしてはいけないといわれています。 そういう場合は、そこは避け、別の部位を冷やしましょう。 長時間外出介護をするヘルパーさんも気をつけよう ガイドヘルプ中は、思うように水分を摂ったり、休憩したりできないことも考えられます。 お互いのために休憩や水分補給は必要なことなので、できるだけとることをお勧めします。 できたら、暑いときは15分に一回くらいは水分を補給してほしいです。 また、頭や首などに直射日光を浴びないようにするといいでしょう。 そこから体温が上がってしまうので、タオルを巻くとか、襟付きの服なら襟を立てるとか。 帽子や日傘があるといいですが。 ※当日のお話と質疑応答を元に編集しています。 ========== お話は大変わかりやすく、さっそく日常生活に生かしているメンバーもいます。 作業所としても、今まで以上に水分補給については、互いに声を掛け合い、気をつけることにしました。 「外出中は、トイレに行きたくなったら困るから、出かける二時間前から水分を摂らない」。 ようやくボランティアやヘルパーで外出できるようになって来た頃、障害者がそんな風に介護者に気を使って外出をしてきたことを思い出しました。 遠い昔のこと、ではありません。 ========== 「熱中症」に関する参考サイト 環境省熱中症予防情報サイト ここから「熱中症環境保健マニュアル」のダウンロードもできます。 全部で65ページありますが、最初の「表紙」の2〜3ページだけでも見ておくと役に立つとおもいますので、下に貼っておきます。 他にもたくさんの情報サイトがあります。 |