当事者が作った「自立支援法」解説本〜本人による 本人のための自立支援法ガイドブックのご紹介 [2008年06月23日(Mon)]
紹介記事
本人による 本人のための 自立支援法ガイドブック 編集 釧路市未来〜トゥモロー〜編集委員会 A4版104ページ 1,000円 送料別 「わかりたい気持ち」と、「伝えたい気持ち」がひとつになって出来上がった一冊。 本人=知的障害を持つ当事者=が作った「障害者自立支援法」の活用本。 このガイドブックは、タイトルにある通り、本人=知的障害を持つ当事者=が作った。 本人たちが、制度を利用する自分たちにとってのわかりやすさ、使いやすさにこだわってる。 わかりやすいことば、イラストも活用したわかりやすい表現で、サービスの説明や利用方法を解説している。 だが、本ガイドブックは、ことばをわかりやすくしているだけではなく、この制度を説明するときの視点が特徴となっている。 それは、この制度を、「自分の夢を実現するための大切なツール」として位置づけ、最大限利用していこう!という立場で説明をしている点だ。 「障害者自立支援法」は、多くの当事者・支援者の反対や懸念の声を押し切って「強行採決」により誕生し、施行後、指摘されていた「懸念」が次々と現実のものになり、毎年、改定・修正が行われて今に至っている。 そのため、矛盾や複雑さが多く、丁寧に説明しようとすればするほど、複雑な迷路のようになってしまう。 しかし、本書では、それらをわかった上で、いったん保留する。 もちろん、だからといって問題点や課題に触れないわけには行かないので、それらについては「アンケート調査」や寄稿の中で取り上げる形をとっている。 「障害者自立支援法」が問題の多い制度だとしても、この制度を利用することで「夢」の実現に一歩でも近づくなら、活用しよう。 これは今現実に生きている障害者にとっては、とても当然な考え方だと思う。 他の誰でもない、利用する本人にとって、わかりやすくすることで、制度はいきいきと活用されていくし、また、その制度が持つ問題についても改めてわかってくる。 そして、どんな制度が必要なのかを明らかにしていくことにもつながっていくのだと思う。 わかりやすくする、ということは本当に大切な運動なのだと思う。 本書のはじめにも書いているとおり、障害当事者や家族、支援者はもちろん、運用している市町村の窓口、制度を作った厚生労働省の方にもぜひ読んで、よりよい制度活用、よりよい制度作りにつなげていってほしい一冊。 収益金は全国の本人活動団体のネットワーク作りに活用されるそうです。 |