こんにちは。スタッフ川口です。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、今日は1月10日(金)に行われた2025年はじめての多賀城LUNCHトーク、
「みんなが知らない 宮城県ココがすごいよ話」
をレポートします。
ゲストは日本史研究者ほか、防災や多文化共生など幅広い分野で活躍されているJ.F.モリスさんでした。2刀流でなく、3足の草鞋を履いているというモリスさんが思う、宮城県のすごいことはどこだったのでしょうか?
J.F.モリスさんは、オーストラリア生まれ。国立大学で日本語を専攻し、1974〜1984年まで東北大学文学部国土研究室(当時)に留学。そこで江戸時代の仙台藩について研究されました。当時、大学院には仙台藩を研究する研究者はほとんどおらず、広い視点と日本での経験から東北に興味を持ち研究されました。宮城学院女子大学名誉教授、東北大学災害科学国際研究所特任教授です。3.11を経験し、災害後の被災者に対する心理社会的支援についてや多文化共生についても研究されています。
モリスさんが宮城県ですごいと思うものとは、
「多文化共生社会の形成の推進に関する条例」です。
この条例は2007年(平成19年)の7月に制定されました。条例は浅野知事が提唱し、村井知事になり完成しました。県議会では満場一致で可決され、会派を超えて支持されたそうです。
条例の理念(抜粋)
〇第三条 多文化共生社会の形成の推進は、豊かで活力ある社会の実現には国籍、民族等の違いにかかわらず、次のことが必要であることを旨として行わなければならない
・個人の尊厳が重んぜられること、個人の能力を発揮する機会が確保されること等により県民の人権が尊重されること
・県民が地域社会の対等な構成員として地域社会における様々な活動に主体的に参画すること
・多文化共生社会の形成の推進は、県、市町村、事業者、県民党の適切な役割分担の下に協働して行わなければならない。…などなどあります。
※詳しくは→第3期宮城県多文化共生社会推進計画 - 宮城県公式ウェブサイト
外国人労働者がたくさん日本で暮らすようになり、取り上げられることも多くなってきた印象ですが、15年前にこのようなすばらしい条例が宮城県にあったことに驚きました。
「多文化共生」とは日本独自の考え方であるそうです。ほかの国では多文化多民族主義などの考え方もありますが、お互いの違いを認めつつ共に生きることであり、社会参加が前提にある考え方です。
人口減少が加速している日本ですが、2050年には人口が3,300万人の減少するといわれています。在留外国人が日本の総人口の2.89%くらいです。地域住民として増え続けている外国人等への対応への政策はないため、地域や地方自治体にゆだねられているのが現状です。
その指針となるのが「多文化共生」であることを学びました。
〇参加者の感想〇
「多文化共生の条例を初めてしりました。人としてグローバルに外国の方のことを理解して共生していきたいと思いました」
「多文化共生という言葉のもつ様々な要素に気づかされました」
「宮城県の政策がナゼ外国人に対して???と思っていたのですが、今回参加して少しわかった様に感じます。大学の授業並みに貴重な経験でした。もっと多くの方に聞いてもらいたかったです」
「多様性は向かうべきものでなくもう向かっていること。所属やアイデンティティの今までの考え方を広げなければと感じました」
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さて、2月の多賀城LUNCHトークは、多賀城で不登校の課題に取り組んでいる郡司宏貴さんと一般社団法人manacoの中野柊一郎さんが登場します!
多賀城LUNCHトークF「不登校の現状、今ここからできること」
日時:2025年2月7日(金)12:05〜12:50(開場11:45)
※11:45〜13:15までご利用いただけます
場所:SHARE LOUNGE多賀城
(多賀城駅より徒歩1分・図書館のビル2階)
ゲスト:郡司宏貴さん×中野柊一郎さん(一般社団法人manaco)
×福冨優さん(たがじょう子どもの心のケアハウス/NPO法人アスイク)
参加費:無料(フリードリンク利用の場合のみ440円)
※ラウンジ内飲食自由ですので、昼食ご持参でご参加ください
電話(022-368-7745)、窓口