シビックプライドとその事例がわかる本 [2017年01月31日(Tue)]
スタッフの近藤です。
本日はたがさぽ文庫にあるオススメ1冊をご紹介します。 シビックプライド2【国内編】 都市と市民のかかわりをデザインする 監 修 :伊藤香織 + 紫牟田伸子 編 著 :シビックプライド研究会 企画協力:読売広告社 都市生活研究所 出版社 :叶體`会議 シビックプライドとは? 「市民一人ひとりが都市(市区町村、商店街、沿線、など)に対してもつ自負、愛着、誇り」のことです。育った地域に愛着を持つ郷土愛とは異なり、市民が当事者意識をもって、自発的・積極的に関わっていくことです。 また、ここでいう「市民」とは、「ここで生まれ育った」「住民票を持っている」「選挙権を持っている」というような枠で規定されるものではありません。 この考え方は、地域活性の切り札として脚光を浴び、最近は行政や立法の場でも取り上げられることが増えてきました。 長野県松本市の事例 本書で紹介されている長野県松本市は工芸のまちとして有名で、1985年から「クラフトフェアまつもと」が開催されています。市内にも多くの工芸関係のギャラリーがあり、松本は工芸とのかかわりが濃い都市です。 しかし、「クラフトフェアまつもと」は来場者が急速に増え、駐車場不足による慢性的な交通渋滞がおこるネガティブなイメージがとして、市民や行政に認知されてしまいます。「クラフトフェアまつもと」だけでは発信できない多様な工芸を紹介する機会も背景に、クラフトフェアを超える企画が模索されました。そこで2007年に「工芸の五月」が開催され、地元の市民有志、行政、学生が集まり、官民協働で「工芸のまち松本」をポジティブな方向でとらえる企画が始まります。 「工芸の五月」は、「暮らしの中で工芸が楽しめるまち」「工芸を通したコミュニケーションが広がるまち」「工芸を通して五感が刺激され、人々の感性が育つまち」「松本・日本・世界に対して工芸に関する情報の収集・発信ができるまち」「工芸の担い手が集い成長するまち」「工芸を体験できるまち」「工芸を通した産業・商業が育つまち」の7つの要素で行われています。 このように、松本にある「工芸のまち」というコミュニケーションツールをブラッシュアップすることで、松本で生きることに誇りや愛着を感じれる都市創造につながっています。 |