11月多賀城LUNCHトーク(16)「歴史の街に自然を+(プラス) ネイチャーポジティブな街づくり」レポート [2025年11月29日(Sat)]
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こんにちは。スタッフのあべです。 本日は11月7日に行われた 多賀城LUNCHトーク(16) 「 歴史の街に自然を+(プラス) ネイチャーポジティブな街づくり 」 をレポートします。 ゲストは、東北緑化環境保全株式会社 環境コンサルタントの香川裕之さん。 東北緑化環境保全株式会社は、自然環境の保全と再生にかかわるさまざまな事業に取り組んでいます。本社は仙台市、環境分析センターが多賀城市桜木にあり、多賀城市と包括連携協定を結んでいます。 東京都出身で仙台市在住の香川さん。7年前に多賀城市の自然環境に関する調査を始めるまで多賀城についてよく知りませんでした。わかっていたのは、多賀城跡に緑地があり、砂押川が流れて水田があることくらいだったそうです。 ところが、いざ調べてみると多賀城の自然はスゴいことづくしでした。多賀城跡の林には生態系の王者オオタカや国蝶のオオムラサキが生息!ダムや堰がない砂押川にはニホンウナギやアユが泳ぎ、宮城県の県鳥ガンの群れが南宮地区周辺の田んぼに飛来していることなど、都市化の進む多賀城には予想以上に多くの自然が残っていることを知りました。 その後、香川さんは多賀城の豊かな自然の魅力を伝える活動を展開していきます。 多賀城跡を巡る生き物観察ツアーや、小中学生向けのパンフレット「多賀城いきものみちしるべ」の監修協力など。多賀城に生息する動植物を紹介し、多くの人に学び、親しんでもらうためのきっかけづくりをしています。 また、若い世代と多賀城の自然を伝える活動も行っています。仙台育英学園の高校生たちと「シジュウカラガン復活プロジェクト」を発足し、多賀城市と仙台市東部にまたがる七北田低地に渡ってきたシジュウカラガンの群れを復活させるための取り組みをしています。 このプロジェクトについて、たがさぽの情報誌tagでご紹介しています。 そして、今回のテーマ「ネイチャーポジティブ」についてお話いただきました。 ネイチャーポジティブとは、生物多様性の損失を止めて回復させることで、私たちの暮らしや社会経済を持続可能にしていくためにも重要な考え方です。 ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みの一つが「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」。2030年までに陸と海の30%以上を保全する新たな世界目標です。その面積の拡大に近づけるためには、里山や里地のような身近な自然も対象にした「自然共生サイト」の登録地拡大が重要なポイントになります。環境省が認定する自然共生サイトは、現在全国に448カ所、東北6県では24カ所、宮城県は10カ所が認定されています。 香川さんは、「多賀城跡を自然共生サイトに認定申請することを提案したい」と話します。多賀城跡は、文化財の保護と維持管理によって里山の環境が守られてきた珍しい場所です。文化財用地として管理が継続され、森林と草地がモザイク状に広がり、森林が網目状に繋がっていることが、さまざまな生きものにとって魅力的な場所だそうです。 そして、ただ登録するだけではなく活かし方の一案として、大畑地区に万葉植物にも登場するススキの草原を作ることをあげました。「ススキの草原は多様なチョウ類の生息場所になり、黄金の原っぱは観光地としての価値が高まる」と香川さんは勧めます。 また、今月からスタートした「多賀城オルレ」とのコラボも念頭に置き、歴史と動植物をセットにした多賀城市のイベントを実施する予定など、自然活動と経済活動の取り組みにつながると話しました。歴史と自然をコラボした新しい観光利用は魅力的ですね。 多賀城市にある意外な自然の魅力と可能性を紹介してくれた香川さん。「多賀城跡に新しい魅力を感じてほしい。ネイチャーポジティブの実現に向けて、その魅力をうまく活かしたら面白いのではないでしょうか。日頃の生活から見出して、いいアイデアがあれば一緒にやりましょう」と結びました。 環境問題ってなんだか難しそうと思いがちですが、「ネガティブになっている生きものを、ポジティブにしていく」と考えてみてはどうでしょうか。絶滅の危機から回復へ。ネイチャーポジティブは、すべての生きものがみんなで豊かになるための目標なんですね。 参加者アンケートから(一部抜粋) ・多賀城が想像以上に自然が豊かで、生物が生息していると知り、驚きました!この自然を活かし拡げて、ネイチャーポジティブな未来を創るためにできる事をしたいと思いました。 ・多賀城に誇れる資源があることがわかりました。今までは、単なる自然観察ツアーと思いましたが、地元の人は参加すべきだと思いました。 ・自然保護と経済発展のバランス=大きな課題であることは昔からあります。開発派=経済成長派に負けないでまずは市民が渡り鳥や、その他の自然を楽しむということが大切だと思いました。 ・多賀城の自然環境面での魅力を改めて確認する機会となったし、参加者と共有できたことはとても良かったです。 ・またネイチャーポジティブへの取り組みや、自然共生サイト登録への取り組みについてのお話など聞きたいです。 |




